この記事では、相場が大ボラになる毎週の重要経済指標だけで、年間200%のリターンを叩き出している指標スキャルピングをいくつもの実例を元に解説していきます。
手法の概要と勝つために重要なこと
指標トレード手法の概要
今回解説するトレード手法は、重要度の高い経済指標の発表直後の大きな相場の変動を利用して、短時間でサクッと利益を上げるスキャルピングトレードです。
念のため用語の説明をしていきますと、経済指標とは、決まった日時に発表される、各国の様々な経済的な統計数値のことをいいます。
タイトルに大ボラと書きましたが、ボラとはボラティリティのことで、相場の変動の大きさ・幅のことです。
大ボラとは、ボラティリティが大きくなる、すなわち相場が大きく動いてる状況を指します。
経済指標の発表の前後では、市場参加者大勢の様々な思惑が働いて、値動きの幅が大きくなる傾向にあります。
身近な例に例えるとすれば、大事な会議でプレゼンをする時や、試験の合格発表の時などに、緊張して心臓がドキドキするイメージです。
そのドキドキを相場の波に置き換えていただければ分かりやすいと思います。
スキャルピングトレードとは、ほんの数秒や数分単位で、エントリーから決済を行うトレードのことです。
使用する時間足・経済指標・通貨ペアについて
本手法はポジションの保有時間が数秒〜数分と非常に短いため、チャートの時間足としては1分足をおすすめします。
tick(秒足)だと、相場の動きに比べて画面が小さくなるので逆に見にくくなりますし、5分足より長い時間足にすると、時間軸が長くなってヒゲが目立つチャートになってしまい、短時間でのトレンドの転換を見極めるのが遅れ、トレードが甘くなってしまいますのでおすすめしません。
本トレードにおいては、米国の雇用統計や各国のGDPなどの市場へのインパクトが大きい経済指標を利用します。
例としては次のような指標が挙げられます。
アメリカの経済指標
- 米雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)
- FOMC政策金利発表
- GDP成長率
- 消費者物価指数(CPI)
- 住宅販売件数(新築住宅販売件数・中古住宅販売件数)
欧州の経済指標
- 欧州中央銀行(ECB)政策金利発表
- 英中銀政策金利発表
- 英国・小売売上高
日本の経済指標
- 日銀政策決定会合
私の場合はDMMFXアプリを使用してトレードしていますが、DMMFXの場合だと、今日明日分までの経済指標の発表予定時刻・指標の重要度・前回数値・今回予想が書かれています。
その中から、特に指標の重要度が3のものを重視してトレードする通貨ペアを選択しています。
例えば、イギリスに関する重要指標であればポンド円など、経済指標が影響を与える通貨ペアに絞ります。
ちなみに、私がよく取引するのは、ドル円、ユーロ円、ポンド円、ユーロドルの4つです。
理由は、スプレッドも小さいですし、主要国通貨でもあることから市場参加者が多いため、ボラティリティが期待できるからです。
指標時のスプレッド拡大時の対応
現実問題として指標発表時のスプレッド拡大は避けることができず、また、FX会社によっても異なってくることと思います。
DMMFXを使用しております私ですが、目に余るような程度にスプレッドが拡大した場合には、そもそもトレードを控えます。
相場が大きく荒れているように見えても、スプレッドを差し引けば大した利幅が取れないこともあるためです。
スプレッドはDMMFXなら2、3分も待てば元に戻るので、スプレッドの拡大中によほどのチャンスがない限りは、戻ってから参入するのが無難です。
他のFX会社の口座もいくつも持っていますが、指標時のスプレッドの安定感はDMMFXが一番良いと思います。
トレード実例
実際のトレード実例を見ていきましょう。
チャート画像に「買」「売」でエントリーポイントを、「☆」で利食いポイントを表示しています。
また実際のトレードでは、判断に迷ったり、損切りになるパターンも少なくありません。
同じチャート内で、うまく相場の波に乗れなかった場合に、損切りをすべきパターンについても合わせてご紹介します。
指標発表直後はスプレッドの拡大により見送るトレードもありますが、トレード自体の考え方は指標時以外でも参考になるはずです。
2018年10月 米雇用統計のドル円
実際の米雇用統計の発表前後のチャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきたいと思います。
これは、2018年10月5日21:30の米雇用統計発表前後の1分足チャートです。
トレード①
21:30の発表までは、21:08頃からほとんど相場は動いていません。ところが、雇用統計発表直後の21:31において、大きく円安に振れていますね。
第1のエントリーチャンスとしてはここです。
市場参加者は、円安に振れると考える人が多数を占めることにより、円安が円安を呼び、ぐんぐん円安方向に相場が触れています。
21:31〜21:32の1〜2分間にかけて、雇用統計発表前の高値であった113.900円を超えてきていますので、その超えたあたりを目安にして、買いエントリーします。
5分後の21:36には、20銭も円安になっていますね。
そして、21:34から21:35にかけて、一旦113.950円まで下げていますので、利食いポイントとしてはこの下げている最中です。
決済のタイミングは、21:34頃に一度長い陰線を出して下げていますので、指標発表後から一本調子に上げていた相場が一旦落ち着くか、もしくは指標発表直後のレートよりも一気に下回るという最悪の可能性まで考慮して、ここで一度決済しておくべきだと思います。
トレード②
21:36にチャートは上ヒゲをつけ、その後5分程経ってもそのヒゲを上回ることはありませんでしたので、第2のエントリーポイントとしては21:41〜21:42頃になります。
ポジションとしては売りで入ります。
21:36につけた上ヒゲをしばらくしても更新しないということは、市場参加者的には諦めムードになり、下げていく可能性が高いと考えられるからです。
エントリーは、21:36に114.074円の高値をつけた後、5分ほど経っても114.074の高値を更新する気配がありませんので、下げると判断して、売りでエントリーします。
決済のタイミングとしては、売りで入ったところから下降トレンドを見事に描いてくれてはいますが、ではどこで決済するのかが、欲との闘いになると思います。
21:50頃にいったん113.950円まで上がりましたが、これは利益確定組やナンピン組の買いであると考えられます。1分待てば再びすぐに下落トレンドに戻り直していますので、どんどんポジションを引き延ばして良いです。
そして、21:55頃に113.800と113.850のレンジでもめていますので、さすがにここまで下がったこの辺りが底ではないかと考えて、決済すると良いと思います。
このレンジは、指標発表前後の時間帯に打っていた底値である113.850をギリギリ下回るくらいのレートですので、ここまで下げると一旦上がり直す可能性が高いと考えられるからです。
損切りモデル①
21:30の雇用統計発表直後に、大きく下げたのを見てつられて売りでエントリーしてしまったケースです。
大きな下ヒゲをつけ、1分以内にほぼ全額戻してしまっていますので、こんなに戻る力が大きい時は、後々上がると考えて、すぐに買いで決済した方が良いです。
長い下ひげをつけてものの1分以内にほぼ全額上がって戻ってくるようなチャートを描いた場合は、買い直しのまま上がっていく勢いが強くなる場合が多いですので、万が一売りポジションを保有してしまった場合はすぐに買い決済すべきです。
損切りモデル②
21:31以降3分間の上げ相場を見て、便乗しようと買いでエントリーした場合はどうでしょうか。
この場合には、21:36には一旦高値を更新しますが、それ以降5分程待っても21:36の高値を塗り替えることはありません。
そのような場合は、市場参加者は諦める方向に動くと考えられますので、本格的に下がり始める21:45頃までには売り決済をしておくべきです。
指標発表後に叩き出した高値を5分ほど待っても更新しない場合には、市場参加者がしびれを切らしたり落胆したりして、下げに転じる可能性が高いので、買いポジションを保有してしまっている場合には諦めて売り決済で損切りしてください。
2018年11月 米PCEコアデフレータのドル円
次は、実際の米PCEコアデフレータの発表前後のチャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきたいと思います。
これは、2018年11月29日22:30の米PCEコアデフレータ発表前後の1分足チャートです。
トレード①
今回は、22:30の発表と同時に大きく下げるところから始まりましたが、長い下ヒゲをつけていますので、押し返して上がる可能性が高いと考えます。
22:32に113.192円という安値をつけてからは、5分ほど待ってもその安値を下回ることはありませんでしたし、それどころか22:34頃から113.220あたりを上抜けて上昇し始めましたので、22:34に113.220円くらいで買いエントリーします。
経済指標が発表されて大きく下げて底値を打った後、数分経ってももみ合いが続いていて、そのもみ合いのレンジを上抜けた時は、しばらく上昇しますので、そのタイミングで買いエントリーです。
そこからは時間が経てば経つほどドル円は上昇し続けていますので、そこはガッチリとポジションを保有し続けましょう。
そして、長い陰線が出るか、または長い上ヒゲが出た頃が売り決済のタイミングです。
22:47に113.320円の上ヒゲをつけていますので、これは一旦下がるサインであると考えて、22:50までには利食いしましょう。
ちなみに、上ヒゲをつけたので下がると判断して決済しているわけですので、22:50の決済後、即座に売りエントリーし、5〜6分後の23:00前には決済して5銭ほどの値幅までもれなく取るというのもアリですが、そこまでスピーディに切り替えなんかできないよという方は無理していただくなくて大丈夫です。
トレード②
22:47に上ヒゲをつけて一旦下げてはいますが、22:53〜22:57にかけて113.250円を下回ることなく、上下を繰り返していますよね。
陰線、陽線、陰線、陽線となっていますので、これはこれ以上は下げずに踏みとどまっていると考えられますので、ここで買いの準備をします。
22:57にもみ合いレンジを上抜けていますので、再びここから上昇すると読めますから、買いエントリーです。
そこからは案の定、ものの5分もしないうちに113.350円まで上げていますので、23:00過ぎには早々に決済して利益を確定させておく方がいいと思います。
長い上ヒゲや陰線を出し始めましたので、そこで売り決済です。
なぜなら、トレード②はPCEコアデフレータ発表後の2番相場ですので、先行きが予想しづらいためです。
利益確定後、相場が下がると予想していますので、これまた即座に売りでエントリーしていただいても構いません。
結果的にはそこから23:25頃まではズルズルと下落トレンドを描いていますので、しばらく含み益を拝めることになります。
そして、23:22に下ヒゲをつけた瞬間を見逃さないようにして、決済して下さい。
そこに遅れてしまうと、23:30以降の急な上げ相場を食らってしまい、損失を出してしまうことになります。
損切りモデル①
22:30の指標発表後に下げたことから、もっと下がると思い売りエントリーしてしまったケースです。
2〜3分待ったところ、陽線と陰線を交互につけてもめています。
下がれ下がれ〜と思いながら待っていましたが、22:35頃から相場はどんどん上がり始めてしまいました。
このような事態に陥ってしまった時は、22:40までには損切りをしましょう。
なぜ22:40までなのかと言いますと、その時間の113.270円のラインが、指標発表前のラインとほぼ同じ高さになっていますので、そのラインを上に抜けてしまうとどこまで上がるのか天井が読めなくなるからです。
結局、22:45頃まで相場は上昇し続けていますので、22:40の113.270円のラインを越えるまでには損切りをしておいた方がよかったということになります。
指標の発表により一時的に下げたとしても、その後もみ合いが続き、もみ合いレンジを上抜けた場合には、しばらく買い圧力の方が勝っていきますので、売りポジションは損切りしましょう。
また、22:40頃に、指標発表前の高値である113.270円を上抜けていますので、ここからも上昇トレンドは続くと考えられます。
損切りモデル②
22:45に113.320円の高値をつけた後、22:52頃にかけて一旦下げています。
これはやっぱり下がるぞと考え、22:52に売りエントリーをしたケースです。
ところが、22:54頃から相場はまた反転し、上昇してしまいました。
こうなった場合の損切りポイントは、23:00において22:45における高値113.320円のラインを超えた時です。
考え方は、先程ご説明しました損切りモデル①と同じものです。
113.270円は指標発表前の高値ラインでありますため、市場参加者はこのラインを強く意識して、エントリーや決済の基準とする傾向にあります。
したがって、22:52頃に113.270円でもめているのは、一旦の下げ止まりラインにすぎず、すぐにまた上がり直す可能性の方が高いので、ここで売りエントリーするのは見送るべきでした。
案の定、23:00頃から再び大きく上がっていますので、無理に早まって売りエントリーしなくとも、23:00の上昇を待ってから買いエントリーしても遅くないのではないでしょうか。
損切りモデル③
23:05頃に、指標発表後からの2段階の上げを考慮して、ここからもっと上がると考えて買いエントリーしてしまったケースです。
22:40前後にかけて上がり、22:50前後にかけて下がり、23:00前後にかけて再度上がっているということからこのように考えてしまうのも理解はできます。
しかし、23:05以降23:20までズルズルと下がり続けたため、23:32までのどこがで下げ相場に耐えかねて損切り、というのが3つ目のモデルです。
いやいや、23:30までもう少しだけ待っていれば113.366円の高値で利益を出せていたではないか、というのは結果的にはそうも言えるのですが、それは偶然だと私は考えます。
なぜなら、今回の相場では22:30の発表後から23:00にかけてはある程度いいテンポで上昇トレンドを描いていますが、23:00以降のズルズルとした下落トレンド以降の動きは予想がつかないからです。
したがって、23:00以降はトレードしないのが私は得策かと思います。
23:05というのは長い上ヒゲとその次に陰線を出しており、下落に転じるサインですので、ここからさらなる上昇を期待して買いエントリーするのは良くないです。
23:30に再び上がっていますが、この3番相場はまったく予想できる動きではありませんので、これは期待してはいけません。
その直後の23:35の下げは、突然の上昇の反動が予想できますので、予想できないことはないので売りで入れないことはないは思いますが。
2018年11月 米PCEコアデフレータのユーロドル
次に、先程の米PCEコアデフレータ発表前後のユーロドルのチャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきたいと思います。
時間軸は同じく1分足です。
トレード①
発表直後に1.14014という高値をつけたものの、2〜3分経っても更新されませんので、下落に転換すると考えて、22:34頃までには売りでエントリーしましょう。
1.14014の高値をつけた後に大きな陰線が出て、何度か陽線をはさみつつも陰線が多いため、一方的な下落トレンドに入ったと判断できます。
そこからは、待てば待つほど含み益が膨らんでいく、とってもハッピーな相場になりました。
このような相場では、いったん指標発表前の1.13900を下回れるかどうかがカギとなってきます。
1.13900を少し下回ったところで15分間ほどもみ合いが続いていますが、上昇に転じることなくまだ下げ続けていますので、ひたすら売りポジションをキープしましょう。
そして、23:00過ぎに長い下ヒゲをつけたところで底値と判断して、買い決済をすれば大きく利益を取れます。
23:02に1.13656という安値をたたいた後、1.13720あたりまで久しぶりの長めの陽線をつけていますので、そこが決済のタイミングです。
トレード②
そして、トレード①で買い決済を行いポジションを整理したら、今度は23:03頃即座に買いエントリーします。
22:34の1.14014という高値から、たった30分の間に1.13656という安値まで転がり落ちた相場ですから、さすがにいくらかは上げ直すものと考えられますので、買いエントリーする絶好のチャンスです。
1.13656の長い下ヒゲは反転のサインと捉えることができますので、買いエントリーして反発に乗り、利益を上げましょう。
予想通り、23:20過ぎくらいまでは弱々しいですが上昇トレンドを描いてくれました。
そして、23:25頃に上ヒゲが目立つようになってきましたので、このあたりが決済のタイミングかなと考えてください。
このように大きく下げた後の上げ直し以降の相場は予想がつきませんので、23:25以降はトレードしない方が賢明です。
損切りモデル①
指標発表直後の突発的な上げに乗ろうとして、1.14000付近で買いエントリーしてしまったケースです。
1.14014の高値をつけてから、2分間は高値を更新しそうな動きをしていますが、22:35頃になってくると本格的に下げ始めてきますので、この下げ始めあたりでサッと諦めて損切りすべきです。
指標の発表により突発的に1.14014まで上げた後、2〜3分という短時間で高値を更新できないような場合には、一気に下げる危険性がありますので買いでエントリーすべきではありません。
これが遅れてしまうと、今回のような相場では1.14000のラインまで戻ってくることはないばかりか、1.13700というとんでもないラインまで下がっていますので、大きな損失を招いてしまうことになります。
このチャートにおいても、1.14014に達したあとに一緒長い陰線を付けていますので、急降下のサインと捉えるようにしてください。
損切りモデル②
1.14014を高値にどんどん下げてきたチャートは、22:50頃には陽線を多少つけ始めたことから、そろそろ下げ止まるだろうと考え、買いエントリーしたケースです。
ところが、22:56の2度目の下げに巻き込まれてしまいました。
こうなってしまった場合は、22:57の長い陰線が出た時に即座に損切りすべきです。
結果的にはその5分後に1.13656で下げ止まりましたが、1.14014という高値からの下落トレンドで、さらにまた22:57にこのような長めの陰線が出た場合には、どこまで下がるのか予想できませんので、即座に損切りした方が良いのです。
22:50頃に確かにもみ合ってはいますが、全体的に見れば下落トレンドを継続しています。
下落から上昇トレンドに転換したと判断するサインは、長い下ヒゲを付け、なおかつ23:00過ぎのように直前の下値を切り上げる形が現れた時ですから、このサインが出ないうちに逆張りしようとするのは危険です。
2018年9月 米雇用統計のドル円
2018年9月7日21:30の米雇用統計発表前後の1分足チャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきます。
トレード①
21:30の突発的な上昇に乗れるかどうかです。
発表直前の110.880円を超えた時点で、チャートは上抜けする可能性が高いと考えられますので、買いエントリーします。
1分以内に111.082の高値をつけるところまで上昇し、そこで大きく上ヒゲを付けていますので、111.040あたりで遅くとも売り決済しましょう。
指標発表直前に110.785円まで下げていますので、発表後に110.785を下回るようなことがあれば売りエントリーすれば儲かりやすいですし、逆に発表前の高値である110.880円を超えてくれば買いエントリーで利益を出せる可能性が高いということになります。
今回のチャートでは、110.880円の高値を超えてくるパターンの動きをしましたので、買いエントリーからの売り決済で利益を出せます。
トレード②
21:30に111.082円の高値を付けた後、大きく上ヒゲをつけ、その後21:32に111.082円の高値を更新することなく再び大きく上ヒゲをつけていますので、21:32に売りエントリーします。
21:30につけた111.082円の高値を21:32に更新できずに再度長い上ヒゲをつけたということは、一度目の高値を更新することを期待していた市場参加者が諦めて売り注文を出したと考えられることから、下がる可能性が高いと言えます。
21:40頃までは予想通り下落トレンドを描きました。
21:43に110.980円まで反発しましたので、ここで買い決済するか、若しくは21:46の陰線下ヒゲのタイミングで決済します。
買い決済のタイミングとしては、110.785の安値から111.082の高値まで上昇したチャートで、発表前の安値である110.785円を下回れるかどうかが判断の分かれ目です。
今回のチャートでは110.785円を下回ることなく踏みとどまっていますので、110.785円のラインより上のレンジでの買い決済を考えなくてはなりません。
その際の判断基準は、21:43の反発か若しくは21:46の下ヒゲ陰線が、反発であるとして買い決済を行います。
もしも111.082の高値から110.785円のラインを切るようなことがあれば、市場参加者は皆相場の底が読めなくなってきて売り注文を浴びせることとなし、それ以降は下落トレンドを描く可能性が高くなりますので、かなりの利益が出せるでしょう。
損切りモデル①
21:29のフライング下げに引っかかって、売りエントリーしてしまった場合です。
この場合には、発表直後の大幅な上げを目の前にした瞬間に、即座に買い決済すべきです。
結果的には21:43頃に110.920円のラインまで下げてきていますが、これは結果論の話であり、状況によっては112円113円まで上昇しているかもしれない相場ですので、21:30に早期に撤退しておくべき損切りモデルです。
まず指標発表前には原則としてエントリーすべきではありません。
発表の前後では、いくら発表前に予測値が出ていたとしても、発表後の市場参加者の考えや注文の出し方は予想できませんので、発表後の動きは読めません。
私のトレード手法はあくまでも指標発表後の大ボラを狙うもので、発表をまたいでバクチを打つ手法ではありません。
損切りモデル②
111.082の高値から21:43にかけてズルズルと下げてきたのを見て、もっと下がるのではないかと考えて売りエントリーした場合です。
しかし、21:45をターニングポイントとして反発していますので、21:51で再び上に抜けようとする兆しが見えたところで損切り買い決済します。
111.082の高値を見た後に売りエントリーするとすれば、①21:33に高値を更新できなかった時か、若しくは②発表前の高値である110.880円のラインを下回った時のいずれかです。
①の理由は、トレードモデル②で前述しました通り、1回目の高値を2回目で更新できなかった時は、市場参加者は諦めて売り注文を浴びせてきますので、相場は下がりやすくなるからです。
②の理由は、111.082の高値をせっかくたたき出したにもかかわらず、発表前の安値である110.785円ですら下回る事態になると、市場参加者はこの相場の底がどこまで続くのか予想がつかなくなり、売りが売りを呼びどんどん下がる相場になるからです。
2018年9月 米雇用統計の豪ドル円
先ほどと同じ米雇用統計の発表前後のチャートを使って、豪ドル円のエントリーと決済のタイミングをご説明していきたいと思います。
こちらも、2018年9月7日21:30の米雇用統計発表前後の1分足チャートです。
通貨によって動きが微妙に異なってきますので、米ドルと見比べていただくとより分かりやすいかと思います。
トレード①
21:30に、発表前の安値である79.327円を下回ったところで売りエントリーします。
この相場は21:30の発表と同時に大きく下げ始めていますが、どんどん下がり、79.327という発表前の底値を切っていますので、そうなると相場の底が読めない状態となりますので、売りエントリーする絶好のチャンスです。
そして、21:32に長い下ヒゲをつけて79.133円の底値を打ったところで買い決済します。
一気に上がった後の長い上ヒゲは短期的に下落に転換するサインであり、一気に下がった後の長い下ヒゲは短期的に上昇に転換するサインであると考えられますので、その点を参考にしてトレードに活用していただければと思います。
トレード②
21:32に79.133という底打ちをし、長い下ヒゲをつけて上昇に転じていますので、ここで買いエントリーします。
発表と同時に発表前の底値である79.327円を軽く切って下落してきたチャートが21:32で79.133円の底を打ち、長い下ヒゲを付けていますので、ここが反発のサインであると考えられます。
どこまで反発するかはチャートを見つつですが、希望的には発表前の底値である79.327円を超えてきてほしいところです。
そこを超えてくると、反発力の大きさに驚いた市場参加者はどんどん買い注文を入れてきます。
そして、発表前の高値である79.432円も超えてくれれば、下落していた相場は一転して、完全に買い相場となるでしょう。
今回は、21:42の陰線上ヒゲにより上昇が遮られてしまい、発表前の底値である79.327円を超えることができませんでしたので、ここで売り決済をします。
損切りモデル①
21:30の下落の際に、発表前の底値である79.327円まで下がってきたので、ここからは反発するだろうと思い、買いエントリーしたケースです。
しかしこれはますます下がる相場の真っ最中であり、どこまで下がるか分かりませんので、遅くとも79.260円あたりで早々と損切り売り決済すべきです。
発表前の底値である79.327円を切った時は、市場参加者は底が見えなくなり、売りが売りを呼ぶ展開になる可能性が高いです。
したがって、そこは買いエントリーすべきタイミングではなく、どうしても買いで入りたいという場合には、21:32に長い下ヒゲをつけて底を打ったことをしっかりと確認するようにしてください。
損切りモデル②
21:38~21:39頃、底の方でしばらくもみ合っているのを見て、再び下がるのではないかと考えて売りエントリーした場合です。
しかし、その直後79.260円まで反発してしまっていますので、その時点ですぐに損切りしましょう。そうしないと、それ以降79.327円のラインを上抜けて上昇相場に転じてしまう可能性も考えられるからです。
一般的にご説明しますと、21:38前後のもみ合いから売りエントリーに入るとすれば、79.133円の底値を切った時にすべきです。
79.133円の底値を切ってくれれば、再び底が見えなくなり、下落する可能性が高まってくるのですが、そうでなけれればこれ以上売りでエントリーするのは控えた方がいいと思います。
2018年9月 米雇用統計のユーロドル
次に、同じ米雇用統計発表前後の今度はユーロドルのチャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきたいと思います。
時間軸は同じく1分足です。
これまでご説明してきました、ドル円や豪ドル円とも比較してみてください。
トレード①
21:30の指標発表直後に、発表直前の安値である1.16078を切ったところで売りエントリーします。
発表直後に発表直前の安値である1.16078のラインを下回ったことにより、市場参加者にとっては底値が見えなくなることにより、下落する可能性が高くなります。
ここが絶好の売りサインとなります。
そして買い決済のタイミングをうかがうわけですが、21:32~21:40にかけては1.15800~1.15900もレンジでもみ合っています。
そして21:41に1.15925の陽線を出し、1.15800~1.15900にレンジを超えてきていますので、反発する可能性を考慮して買い決済するという流れになります。
21:41で1.15925のラインを越えたところで買い決済します。
トレード②
21:42に一旦1.15925あたりまで反発していますが、その後21:43にすぐ陰線を出し直して再び下落に転じるサインが出ていますので、21:44に1.15900のラインで売りエントリーし、22:10に1.15750で買い決済します。
21:42に、21:31~21.40のもみ合いレンジの高値だった1.15925を超えてきていますので、一旦は反発するのではないかというサインが出ていましたが、21:43に即座に陰線を出し、さらにその後21:44~21:45にかけて連続して陰線が出ていますので、反発は不発に終わったと考えられることから、21:43に1.15900を切ったあたりが売りエントリーのサインです。
そこからズルズルを下げ続けていますが、買い決済のタイミングとしては22:10に1.15750まで大きく戻す陽線が出た時が良いでしょう。
21:51に陽線を出していますが、上ヒゲをつけている点と、21:48の高値である1.15845のラインを超えていないことから、ここはまだ下落は続くサインであると考えられますので売りポジションをキープしましょう。
22:05あたりから徐々に反発し始め、22:10には大きな陽線を出して1.15750まで反発しており、21:59の高値である1.15700のラインを越えてきていますので、この辺りを反発のサインとみて買い決済します。
損切りモデル①
21:33に、陰線が続いたからといってもっと下落すると判断し、売りエントリーしてしまったケースです。
そこから21:40まで1.15800~1.15925のレンジでもみ合いが続き、21:41になると1.15925のレンジを上抜けし、21:42になると1.15975あたりまで上げてしまいました。
こうなると、反発のサインと考えて買い決済するしかありません。
陰線が数分続いた後に売りエントリーするのでは遅いです。
売りで入るタイミングとしては、21:30の発表により発表前の安値である1.16078を切ったところとなります。
そこで売れば、底値が見えなくなった市場参加者の売りが売りを呼び、下落する可能性が高くなるからです。
損切りモデル②
21:42に反発したと考えて買いエントリーしてしまったケースです。
直後の21:43に陰線を出し、その後陰線が続き、21:48になると21:31~のもみ合いレンジである1.15800~1.15925を下に抜けてしまったため、21:48に1.15775あたりで損切りします。
21:42に買いエントリーするとすれば、発表前の安値である1.16078まで反発した時に買うべきです。
21:42の反発は1.16078まで達しておらず、中途半端な反発になっていますので、買い決済はしても買いエントリーとは判断できません。
そして、売りで損切りするタイミングとしては、21:31~にもみ合っていた1.15800~1.15925のレンジを、21:48に下に切ってしまっていることから、再び下落トレンドに入るサインであると判断して、21:48に1.15775あたりで損切りします。
2017年2月 米雇用統計の豪ドル円
1つ目のトレードモデルとして、実際の米雇用統計の発表前後のチャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきます。
これは、2017年2月3日22:30の米雇用統計発表前後の豪ドル円1分足チャートです。
トレード①
22:30に86.400円で売りエントリーし、同じ時刻の22:30に86.250円で買い決済する方法です。
このトレードの根拠として、22:30に、雇用統計発表前の安値である86.409円を急激に下回っていますので、このタイミングで売りエントリーします。
なぜなら、経済指標発表前の下値を更新すると、市場参加者は下値をどこになるのか予想がつかなくなることから、売りが売りを呼び相場は下落する可能性が高まると考えられるからです。
そして同じく22:30に、一気に86.198の底を打って切り返していますね。
86.200円を切った段階では、もっと下がるのではと思いがちですが、長い下ヒゲをつけて86.300付近まで跳ね返ろうとしていますので、ここは欲張らず86.250あたりで早々に買い決済して利益を確定させるのが得策です。
本件相場のように、22:30の指標発表と同時に発表前の下値を更新して一気に下がった相場は切り返しも早く、もたもたしていると指標発表前のレートに戻るばかりかそれを上回っていくことも多々あるためです。
そのような切り返し相場に巻き込まれてしまうと、含み損が膨らむ一方という最悪の事態になりかねませんので…。
トレード②
トレード①の延長となりますが、22:30に86.250円で買い決済した直後、売り買いを切り替えて86.250円で買いエントリーします。
そして、22:38に86.600円で売り決済するという方法です。
22:30に長い下ヒゲをつけて反発のサインを見せていますので、ここで買いエントリーします。
予想通り、22:31以降陽線を出し続けてくれました。
そして、指標発表前後の高値である22:20の86.480円や、22:30の86.500円も22:33に突破しています。
指標発表前の高値を更新した場合には、今度は下がるときの考え方とは逆に、市場参加者は高値のメドがつかなくなりますので、買いエントリーや買い決済の圧力が強くなり相場は上昇する可能性が高くなります。
22:37に長い上ヒゲをつけ、その後22:38に陰線を出していますので、この辺りが天井でないかと判断できますので、売り決済します。
保守的な方は、22:35の陰線を見て、下落の可能性をにらんで売り決済していただいても構いません。
22:34の上ヒゲからの22:35の陰線と、22:37の上ヒゲからの22:38の陰線とでは、区別がつきづらいかもしれませんが、22:38の陰線以降は22:40まで3連続で陰線を出していますので、天井を打った可能性がより高いのではないかと考えられます。
損切りモデル①
22:30に86.480円で買いエントリーし、86.380円で売り決済するパターンです。
このモデルの思考過程を一般的にご説明しますと、確かに指標発表前の高値である86.475円を超えたときは、一定の上昇が見込まれることから、買いエントリーのサインであると考えられます。
しかし、本件相場では超過の幅が非常にわずかであるため、すぐに一転して86.198円まで下落してしまっています。
いわゆる「だまし上げ」です。
だまし上げに巻き込まれてしまっても冷静さを失わずに、指標発表前の安値である86.380円を下回ったところで損切りするというサインを見失わないようにして下さい。
損切りモデル②
22:31に86.370円で売りエントリーし、86.500円で買い決済するというパターンです。
この損切り過程を一般的にご説明しますと、22:31に長い上ヒゲを見せたことから下落のサインととらえ、売りエントリーしたものです。
しかし、この上ヒゲは22:30の高値である86.500円を超えてはおらず、中途半端なレートでの上ヒゲとなっているため、下落に転じるサインとは考えにくいのです。
したがって、そもそもそのタイミングで売りエントリーするのは適切とは言えません。
しかしエントリーしてしまった以上は決済のタイミングをきちんと考えなければなりません。
損切りの買い決済のタイミングについては、22:30の高値である86.500円を超えたときが上昇のサインと考えられますので、ここが損切りポイントです。
2018年7月 米雇用統計のユーロ円
米雇用統計の発表前後のチャートを使って、エントリーと決済のタイミングをご説明していきます。
こちらは、2018年7月6日21:30の米雇用統計発表前後のユーロ円1分足チャートです。
トレード①
21:30に129.700円で買いエントリーし、21:41に129.850円で売り決済します。
21:30に指標発表前の高値である129.700円を超えていますので、相場の天井が見えなくなった市場参加者の買い注文が殺到すると考えられることから、この時を上昇のサインと考えて、買いエントリーします。
その後予想は的中し、相場はぐんぐん上昇していますね。
21:33~21:34にかけて一旦天井を打った様子ではありますが、まだここでは売り決済しません。
なぜかと言いますと、21:33~21:34頃の安値が、指標発表前の高値である129.700円のラインを下に切っていないからです。
129.700円のラインまで戻ってきてしまうと、市場参加者は利益を確定させたいと同時に売りエントリーしてくるため、今度は下落に転じるサインと考えなければならなくなってくるのです。
今回は129.700円には達せずに再度上げ直してくれています。
そして、21:37に長い上ヒゲを出した後に21:38で長い陰線を出しましたので、そろそろ下落かなと予想します。
その後、21:41にかけて上昇し直してくれる気配はなく、21:37の下値さえ切ってきましたので、この辺りで売り決済して利益確定させます。
トレード②
21:41に129.870円で売りエントリーし、21:50に129.820で買い決済します。
エントリーポイントとしてはトレード①の売り決済の直後に今度はドテン売りで入るというものです。
指標発表と同時に129.960円まで上げましたので、その反動で129.800円又は129.700円のラインまでは下げる可能性が高いと考えられるからです。
129.800円のラインは、21:42の高値、129.700円のラインは指標発表前の高値です。
買いポジションを保有している市場参加者にとっての利益確定の最低基準となるラインですので、このラインを下回ることがあれば下落相場に転じる可能性が高いと考えられるからです。
本件相場では、早めに129.800円のラインで切り返してしまいましたので、切り返しのサインが見えた21:50には早々に買い決済しましょう。
遅くとも、21:50の129.850円を出されるまでには買い決済してください。
損切りモデル①
21:30に129.730円で売りエントリーし、21:33に129.800円付近で買い決済するパターンです。
これは、21:30に129.730円の上ヒゲを見て下落に転じると考えたもので、いわゆる「逆張り」というものです。
逆張りとは、相場が上がったら売りでエントリーし、、相場が下がったら買いでエントリーするというもので、相場の動きとは逆の動きを予想してトレードする手法です。
個人的にはこれはおススメしません。
なぜかと言いますと、この損切モデル①のように、21:31~21:32にかけてどんどん相場は上昇してしまい、含み損を抱えることとなっています。
陽線を立て続けにたたき出され、耐え兼ねた売りポジションを10銭も抜かれたところで買い決済して負けています。
このように、逆張りはエントリーのタイミングを予想するのが難しく、エントリーが急ぎ足になりがちで、結果として損をする可能性が高いので、私はおすすめしません。
損切りモデル②
21:34に129.750円で売りエントリーし、21:36に129.820円で買い決済するパターンです。
指標発表から上昇していたユーロ円ですが、21:33に長い上ヒゲをつけて陰線を出し、続く21:34も陰線を出したため下落に転じると予想し、売りエントリーしたものです。
しかし一転、21:35に長い陽線をたたき出され、21:36には21:33の高値である129.820円を超えてきたため、そこで上昇に転じると判断し、買い損切り決済しました。
このモデルでは、もし売りエントリーするとしたら指標発表前の129.700円まで下がってくるのを待ってからがベストでした。
指標発表に伴い上昇していた相場が、指標発表前の高値まで戻ってきてしまうと、利益を確定したい市場参加者や下落に転じると予想して売りを仕掛けてくる市場参加者が増えるため、下落に転じる可能性が高まるからです。
注意点
本トレードにおいては、経済指標発表後の大ボラに飛び込んでいく形になりますので、ポジションを保有した後は1分足チャートにかじりつくようにしてください。
1分1秒の油断が思わぬ損失に繋がることがありますので…。
何よりもまず、発表後の相場は予想をはるかに上回るチャートを描くこともありますので、マズいな!と思った時には、勇気を持って早期に決済するようにすることがとても大切です。
あと、時間帯によっては経済指標の発表が複数重なる場合がありますので、前もって調べておき、突然予想外の動きをして損失を被ることのないようにご注意下さい。
また、本トレードでは相場の動きについていけず、スリッページの関係でうまく約定できないこともあると思いますので、その場合にはDMMFXのスピード注文機能を活用するといいですよ。
予め発注数量とスリッページを指定しておくだけで、売り買いの注文がワンタッチでできる機能です。エントリーも決済も、どちらも可能です。
指が当たって誤発注、という事態にならないよう、スキャルピングトレードをしない時は設定をオフにすれば大丈夫です。
以上で、経済指標発表後の大ボラを狙ったスキャルピングトレードをご紹介しました。
トレードモデルで書きましたような大ボラ相場のクセが分かってくれば、短時間で利益を出せるので効率が良い手法だと思います。
参考にしていただいて、自分なりのトレード手法の確立に役立ててもらえればありがたいです。
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