テクニカル分析の種類・基本編|FXチャート・為替レートの見方まとめ
チャートの見方やテクニカル分析の勉強をすればFXで勝てる可能性はかなり高くなります。
いろいろ種類があるし、難しそうに思うかもしれませんが大丈夫です。
FX初心者さんのために、今回は重要な点に絞って、どのようにチャートを見ればいいのか、テクニカル分析とはなにかという基礎的なところを解説します。
テクニカル分析とは
テクニカル分析とは、将来の政治、経済、金融情勢などのファンダメンタルズ要素を一切考慮せず、これまでの値動きと時間軸から将来の値動きを予測する分析方法です。
株価や為替の値動きというものは人間の心理状態の集大成です。
それは未来においても不変であると考えられるので、市場の値動きは過去と同様に繰り返されるものだと考えられます。
つまり、過去の値動きと時間軸からパターンで分析するテクニカル分析は、人間心理が変わらない限り将来の値動きを予測できる、というわけです。
ここでは「チャートパターン分析」と「テクニカル指標」の2つのテクニカル分析を紹介します。
チャートとは
チャートパターン分析を解説する前に、まずチャートとは何かを説明します。
チャートとは、為替レートの値動きを1時間、1日、1ヶ月など決まった期間ごとにグラフ化して、過去の動向を一目でわかるようにしたものです。
もっとも代表的なものが、次に挙げるローソク足です。
ローソク足とは
ローソク足はどのFX会社のチャートでもデフォルトで表示されるくらい基本中の基本なテクニカル指標です。
一本のローソクは、始値・終値・高値・安値の四本値で成り立ちます。
画像出典:SMBC日興證券
また、ローソク足は、1分足・5分足・15分足・30分足・1時間足・4時間足・日足・週足・月足といった異なった期間ごとに表示することができます。
そのため、表示期間を変更することで、短期デイトレーダーから長期スイングトレーダーまで簡単に自分にあったチャートを表示できるのです。
ローソク足は、ヒゲや実体の形からそれ1本だけ、もしくは2本・3本の組み合わせで相場の勢いや転換を知ることができます。
より詳しくは次の記事をご覧ください。
平均足
平均足は、ローソク足と同様にトレーダーから人気のあるテクニカル指標です。
ローソク足2本分の平均を1本の平均足としてチャートに表示します。そのため、ローソク足よりも視覚的にトレンドを捉えやすいのです。
エントリータイミングがわかりやすいため、私もよく使用していました。
チャートパターン分析とは
チャートパターン分析は、チャートの形を見て、これから先のチャートがどう動くかを予測する分析方法です。
チャートには、その形によって「ダブルトップ」や「三尊天井」といった名前がつけられています。
下のチャート画像は三尊天井(ヘッドアンドショルダー)です。
このようにチャートの形が判断できれば、それから先どうのように動くか予想できますし、取るべき対応を事前に考えておくことができます。
チャートパターンについては以下の記事にまとめています。
テクニカル指標とは?トレンド系とオシレーター系一覧
テクニカル指標は、これまでのチャートの値動きをより視覚的にわかりやすくしたものです。
移動平均線はその代表で、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
テクニカル指標はトレンド系とオシレーター系に大別できます。
種類 | 役割 | テクニカル指標 |
---|---|---|
トレンド系 | 相場のトレンド方向を知る | 移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンドなど |
オシレーター系 | 相場の過熱感を知る | RSI、ストキャスティクス、RCIなど |
トレンド系
トレンド系は、現在の相場の方向性を計測し、その方向に順張りをするために用いられます。
トレンド系テクニカル指標は、基本的な「移動平均線」を代表に「ボリンジャーバンド」や「MACD」は多くのトレーダーから人気があります。
オシレーター系
一方、オシレーター系というのは、相場の「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を計測し、その反転を予測して逆張りをするためのサインとして用いられます。
オシレーター系では「RSI」や「ストキャスティクス」が特に人気のあるテクニカル指標です。
パターン分析としても利用されることが多く、実際の値動きであるローソク足チャートとオシレーターで逆行する「ダイバージェンス」は相場反転のサインとしてよく知られています。
移動平均線
一定期間の値動きの平均を線にしたもので、相場のトレンドが上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかが一目でわかるテクニカル指標です。
テクニカル分析の基本であり王道と言えるでしょう。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、相場の値動きが一定の値幅に収まるという前提の元に、上限と下限を視覚的にわかりやすく表示させたものです。
終値がボリンジャーバンドの±1σに収まる確率は68.3%、±2σに収まる確率は95.5%、±3σに収まる確率は99.7%であると言われています。
順張りと逆張りの両方に利用することができ、トレーダーからも人気の高いテクニカル指標です。
MACD
MACDは指数平滑移動平均(EMA)を用いたオシレーター系の分析指標です。
テクニカル指標の中でも、トレンドの判断が分かりやすく、多くの業者で利用できるメジャーなテクニカル指標です。
移動平均をベースにしているため、取引初心者の方でも比較的わかりやすいことが特徴です。
一目均衡表
一目均衡表は、転換線、基準線、雲(先行線1と先行線2)、遅行線で構成されます。
雲によってこれから先の相場の方向性を表示し、また遅行線によってエントリーのタイミングを計れることが特徴のトレンド系テクニカル指標です。
高機能ですが、複雑なため、雲や遅行線のみを表示させて利用している人も多いです。
スパンモデル
スパンモデルは、青色スパン(短期トレンド)、赤色スパン(長期トレンド)、遅行スパンの3つのラインで構成されたシグナル重視のテクニカル指標です。
一目均衡表をベースに作られており、遅行スパンや雲を重ねて表示させられることが特徴です。
青色スパンと赤色スパンによってトレンドとエントリーの方向性を明確にすることができます。
スーパーボリンジャー
スーパーボリンジャーは、ボリンジャーバンドに遅行スパンを組み合わせたトレンド系テクニカル指標です。
ボリンジャーバンドに遅行スパンを組み合わせることで、エントリータイミングや決済の精度を上げる狙いがあります。
比較的新しいテクニカル指標のため、まだ利用出来るチャートは少なめです。
エンベロープ
エンベロープとは、日本語で「移動平均線乖離率バンド」と呼ばれ、移動平均線に対して上下に一定の乖離をもった線を描いたバンド状の帯域のことです。
ローソク足が上下のバンドにタッチした時に逆張りでのエントリー、もしくはポジションを保有していた場合は手仕舞いのサインとして利用できます。
パラボリック
パラボリックは、チャート上に丸い印を表示させて、大きなトレンドの流れを見るトレンド追随型のテクニカル指標です。
チャートでの表示で売買のポイントをはっきりと示してくれるほか、ポジションを持っていない場合でもトレンドの転換点を確認するのにも役立ちます。
また、点の間隔でトレンドの勢いが一目瞭然に確認できます。
RSI
RSIは、値上がり幅・値下がり幅を数値化したオシレーター系のテクニカル指標です。
買いの強さ・売りの強さが一目でわかるので、初心者から上級者まで人気があります。
一般的にRSIが30以下では売られすぎ、70以上では買われすぎの過熱した水準と言われています。
ストキャスティクス・スローストキャスティクス
スローストキャスティクスは、一定期間の高値と安値を活用して、相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを判断するオシレーター系のテクニカル指標です。
一般的にストキャスティクスが20以下では売られすぎ、80以上では買われすぎの過熱した水準と言われています。
エントリーポイントが、2本のライン(%Dと%SD)のクロスなので、売りと買いのポイントが視覚的にわかりやすく初心者でも使いやすい分析手法です。
RCI
RCIは、主に相場の強弱を表し、反転などの相場変化を判別しやすいオシレーター系テクニカル指標です。
短期・中期・長期の3本のRCIを使う手法は、トレンドの押し・戻り待ちや過熱からの反転狙いに有効なため、私もよく使用していました。
ADX/DMI
ADX/DMIは、トレンドの方向性や強弱を表すテクニカル指標です。
ADXと+DI、-DIの3本で構成されます。
上昇・下降トレンドが強く出るとADXが上昇するため、一目で現在がトレンド相場かどうかを判断することができます。
CCI
CCIとは、日本語で「商品チャネル指数」または「コモディティチャネル指数」と言われる、オシレーター系のテクニカル指標です。
100%を上回ると買われすぎ、-100%を下回ると売られすぎと判断します。
多くのオシレーターの数値は-100%~100%が上限として設定されていますが、CCIには上限がありませんので数値が100%を超えることもしばしばあります。
モメンタム
モメンタム(Momentum)は、相場の勢いをオシレーターにしたテクニカル指標です。
テクニカル指標のなかでは最もシンプルで一定期間内の価格の変化値に注目し、現在相場が上昇基調なのか下落基調なのかを判断するのに適しています。
真ん中のラインの0(ゼロ)が相場の強弱の基準とし、モメンタムが0以上であれば強気相場、モメンタムが0以下なら弱気相場と判断します。
おすすめのテクニカル指標や組み合わせは?
個人的におすすめのテクニカル指標は、ずばり移動平均線やRSIなどのメジャーなテクニカル指標です。
なぜならメジャーなテクニカル指標は、皆が見ているから心理的に意識されやすいポイントになるし、古くから多くの人に使われてきた実績もあるからです。
テクニカル指標はさっき挙げたもの以外にもたくさんあり、マイナーなものになると数え切れないほど存在します。
数多くあるテクニカル指標をやみくもにチャート上に並べるよりも、そのテクニカル指標がどのような算出式で出されているのかを理解することと、それをどのような用途で利用するのかということが重要です。
例えば、
- トレンド系とオシレーター系を併用する
- 同じテクニカル指標でも長期と短期を組み合わせる
といった違った見方ができる組み合わせが良いテクニカル分析です。
ここまで紹介した各テクニカル指標の詳細記事内にも、どのテクニカル指標と組み合わせればいいのかを解説しています。
また、次の記事では一例として実際にテクニカル指標の組み合わせでどれくらいのパフォーマンスが出せるのかを検証しています。