RSIはチャート分析のテクニカル指標の中でも、とてもポピュラーで多くの投資家が参考にする指標です。
使い方は、FXでも株でも仮想通貨でも基本的に同じなため、一度覚えてしまえば他の投資対象でも利用することが可能です。
この記事では、RSIの使い方や手法をFX歴10年の専業トレーダーが解説します。
その他のテクニカル指標については次の記事で解説しています。
テクニカル分析の種類・基本編|FXチャート・為替レートの見方まとめ
RSIとは
RSI(Relative Strength Index)はオシレーター系テクニカル指標の代表的なものの1つで、相場の上昇変動、下落変動のどちらが勢いが強いのかを表すテクニカル指標です。
(DMM FXチャート ドル円1時間足 RSI)
チャートの買いの強さ、売りの強さが一目でわかるので、ストキャスティクスやRCIと同様にとても人気のあるテクニカル指標の1つです。
非常にポピュラーなテクニカル指標なので、ほぼ全てのFX業者のチャートで利用できます。
日本語では相対力指数と言い、算出式は以下のようになります。
RSI = n日間の値上がり幅合計/
(n日間の値上がり幅合計+n日間の値下がり幅合計)×100
n:算出の対象とする期間
n=14を使うのを考案者のワイルダーは推奨しています。
一般的にRSIが30以下では売られすぎ、70以上では買われすぎの過熱した水準と言われています。
しかし、この考えはトレンドの強い相場ではあまり有効に機能せず、逆張りをして含み損を増やす結果となることが多いです。
RSIの逆張りはレンジ相場で行い、強いトレンドが発生している場合はトレンドフォローの考えに切り替えるべきでしょう。
RSIのメリット
- レンジ相場や緩やかなトレンド相場では非常に有効に機能するため、短期・中期的な売買ポイントを明確にできる
- トレンド分析やパターン分析としても利用できる
RSIのデメリット
- 強いトレンド発生時は、相場の勢いが収まることなく、さらなる上昇・下落となることがある
- その場合は、レートは横ばいでRSIのみ過熱感が引いていく
RSIの売買シグナル
上のチャート画像は、ドル円の日足にRSIの期間14を設定したものです。
RSIが30以下もしくは70以上になったポイントに赤丸をつけています。
30以下もしくは70以上の過熱感をピークにレートは反転をしています。
保ち合い相場や、押し戻りを作る緩いトレンド相場では有効に機能しますが、強いトレンドが発生している場合は、RSIが30以下、70以上になってすぐに反転をするというわけではないので注意が必要です。
(DMM FXチャート ドル円4時間足 RSI)
上のチャート画像のように、上昇のトレンドが続いている場合、赤丸のRSIが70以上地点で売りエントリーをしても利益を伸ばすことは難しくなります。
最近ではRSIの70以上は強気の買い意欲、30以下は弱気の売り意欲を表すという見方が増えており、トレンド相場でレンジ相場同様の逆張りをしていては損が膨らむ結果になってしまいます。
この場合、ローソク足の形状やダウ理論などを用いてトレンドを判断し、移動平均線なども合わせて表示して押し目、戻り目を拾っていく方法が有効です。
RSIの設定期間
一般的な設定
RSIの期間は14が一般的によく使われる数字です。
他にも、より短期や長期の計測をしたい場合は次の設定期間が人気です。
日足 | 9日、14日、22日、30日、42日、52日 |
---|---|
週足 | 9週、13週 |
日足より短い1時間足や5分足といった短期でも、基本的に上記の設定をそのまま利用することが多いです。
スキャルピング手法とRSI設定
私の場合、スキャルピングでRSIを参考にするときは1分足・5分足に9や14のRSIを設定しています。
また、RSIだけでなくボリンジャーバンドも組み合わせて逆張りのサインにしています。
次のような感じで、ボリンジャーバンドの±3σタッチとRSIの30・70越えでのエントリーで勝率も高くなります。
実際、あまり強いトレンドの出ていない時間帯は、この手法だけでも勝っています。
利益は10〜20pipsほどを狙っていくので、スキャルピングというよりもデイトレードに近いかもしれません。
ただし、強いトレンドが出ているときは、そのまま逆行して損切りになってしまうことに注意してください。
また、ボリンジャーバンドを利用したスキャルピングについては次の記事で具体的なやり方を解説しているのでご参考ください。
FXスキャルピング手法!1分足、5分足で月100万円稼いでいるコツと勝ち方
ダイバージェンスとリバーサル
ダイバージェンスとは
ダイバージェンスとは、レートの上昇(もしくは下落)が続いているのに、テクニカル指標が下落(もしくは上昇)を示す逆行現象のことを言います。
ダイバージェンスが示現した場合、一般的には「トレンドが転換するサイン」 と見られています。
上のチャート画像で赤い線を引いている箇所がダイバージェンスの発生しているところです。
レートは下落(もしくは上昇)しているのに対し、RSIは逆に上昇(もしくは下落)しているのがわかります。
ただし、ダイバージェンスが発生したからといって必ずしもトレンドが転換するわけではありません。
ダイバージェンスを何度も繰り返して、高値・安値を更新し続ける場合もあります。
そのためダイバージェンスのみでトレンドの転換の判断をすると痛い目にあってしまう可能性もあるので注意が必要です。
リバーサルとは
リバーサルはダイバージェンスとは逆に、RSIが先行して高値、安値を更新しているのにレートはまだ高値、安値を更新していない状態のことを言います。
(DMM FXチャート ドル円4時間足 RSI)
ダイバージェンスはトレンド転換の判断基準の一つとなりますが、リバーサルはトレンド継続のサインとなります。
RSIを順張り手法に取り入れる場合は、押し目、戻り目を拾う判断の中にこのリバーサルも考慮すると良いでしょう。
ダイバージェンスについては次の記事で詳しく解説しています。
ダイバージェンスとは|オシレーター系を使ったトレンド転換の見つけ方
RSIと他のテクニカル指標を組み合わせる
RSIはオシレーター系のテクニカル指標として、とてもシンプルかつ使いやすいテクニカルです。
そのため単体で使用するよりも、他のトレンド系テクニカル指標と一緒に使用されることが多いです。
次の記事では、RSIを他のテクニカル指標と組み合わせてどのように使用するかを説明しています。
RSIとスーパーボリンジャーの組み合わせ
-
FXのスーパーボリンジャーとは?使い方と手法
この記事では、スーパーボリンジャーの使い方や手法をFX歴10年の専業トレーダーが解説します。 その他のテクニカル指標については次の記事で解説しています。 テクニカル分析の種…
RSIとMACDの組み合わせ
-
MACDとは?使い方と手法
MACDとは、「Moving Average Convergence/Divergence Trading Method」の略であり、オシレーター系の分析指標です。 MACDは指数平滑移動平均(EMA ...
RSIとADXとATRバンドの組み合わせ
また、次の記事では実際にRSIを組み合わせてどれくらいの利益を上げることができるかを検証しています。
-
テクニカル指標のおすすめ組み合わせ【ATR・RSI・ADX】
今回ご紹介するテクニカル指標の組み合わせは、トレンド系の「ATRバンド」と、オシレーター系の「RSI」の組み合わせによる “順張り”“逆張り”のシグナルを切り替えて売買する手法…