勝ちやすいのはどれ?スキャルピングの通貨ペアについて考える
この記事でわかること
- スキャルピングに適した通貨ペアの選び方
- スキャルピングにおすすめな通貨ペア
スキャルピングは、「1回あたりのトレード時間が短く利幅が狭い」「1日の取引回数が多い」といった特徴のある人気の取引手法。
スキャルピングで効率良く勝つには、これらの特性を踏まえた上で、スキャルピングと相性の良い通貨ペアを選ぶことが非常に重要です。
しかし、初心者やまだスキャルピングの経験が少ない方だと
といった疑問が浮かんできますよね。
そこで、この記事では「スキャルピングの通貨ペア」について
相性が良い通貨ペアの選び方や、スキャルピングにおすすめな通貨ペアを
FX歴10年の専業トレーダーである私が徹底解説していきます。
相性が良い通貨ペアの選び方
まずはスキャルピングと相性が良い通貨ペアの選定基準・選び方からチェックしていきましょう。
スキャルピングの通貨ペアを選ぶ際は、以下の4点に注目してください。
- 取引量が多い
- スプレッドが狭い
- ボラティリティが高い
- 政治・経済的に注目されている
取引量が多い
まず最初の選定基準は、取引量が多い(流動性がある)ことです。
この取引量が多いというのは最も重要な基準(絶対基準)ですので、必ず当てはまる通貨を選ぶようにしてください。
取引量の多さが重要とされるのは、以下の3つの理由からです。
いつでもすぐに取引が成立する
取引量が多い通貨ペアは、売り手も買い手も多いため、売買を希望すればいつでもすぐに取引が成立します。
これは、相場取引では非常に重要なことです。
トレンドが発生しやすい
取引の参加者が多い通貨ペアは、トレンドが発生しやすいという特徴があります。
トレンド相場では通貨ペアの値動きが活発になり、また相場予測もしやすいことから、スキャルピングで利幅を獲りやすいのです。
相場が常識に従って動く
少しオーバーな表現になりますが、取引量が多いということは、相場の値動きが全世界の人々の考え方に従って動くということです。
一部の極端な考え方を持ったグループや人の裏をかいて出し抜こうとする集団がいたとしても、その他大勢の参加者が取引を行う基本的な方向性に影響を及ぼすことはできません。
その大勢の相場参加者には、個人投資家以外に金融機関をはじめとする機関投資家や輸出入企業などの実需筋がいます。
そして、彼らはその時々の状況に応じて合理的かつ常識的な売買を行います。
このように取引量が大きい相場は変則的・トリッキーな動きが少なく、大勢に従った常識的な動き方をするため、スキャルピングもやりやすいのです。
スプレッドが狭い
2番目の基準は、スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶということです。
スキャルピングは超短時間勝負のトレード手法。
そのため、1回あたりに獲れる利幅が大きくないことから、1日に数十回以上(多い時は100回以上)と非常に多くのトレードを行い、利益を積み上げていきます。
このため、トレード毎に負担しなければならないスプレッドはできるだけ狭い方が、トータルの収支からみて絶対的に有利となります。
例えば、ドル円のスプレッドが0.3銭のFX業者で50万通貨のトレードを行う場合
1回あたりにかかるスプレッドは
となります。
これを1日に30回、一ヶ月間に20日トレードを行うとすると、一ヶ月間にかかるスプレッドは
となってしまうのです。
これをドル円のスプレッドが0.4銭のFX業者で行うと、一ヶ月間のスプレッドが120万円となり、30万円分も増えてしまいます。
1回あたりのスプレッドの差は小さく見えても、それを月間・年間のトータルで見ると大きな違いとなってしまうというわけですね。
ボラティリティが高い
3番目の基準は、ボラティリティが高いことです。
ボラティリティとは、価格の変動比率です。
一定の期間に、価格がどの程度の割合で変動するかは、通貨ペアの種類によって異なります。
また、同じ通貨ペアでも、時期が違えばボラティリティも異なってきます。
スキャルピングは短時間で利幅を獲るトレード手法のため
価格の変動比率が高い方が相場の波も大きくなり、トレードで勝ちやすくなります。
下の画像は、ある時期のドル円相場です。
チャート画面の左側半分は、価格の変動が小さくボラティリティが低い状況です。ボリンジャーバンドも広がっていません。
それに対し、右側半分は価格が大きく変動し、ボラティリティが高くなっています。ボリンジャーバンドも大きく膨らんでいます。
このように、相場のボラティリティは、ボリンジャーバンドの膨らみ具合で判別ができます。
政治・経済的に注目されている
英国でEUからの離脱を問う国民投票が実施された時期
トランプ大統領が誕生した米国大統領選挙
など、政治・経済的に大きなイベントや出来事があると、為替相場は大きな影響を受けます。
上記のような非常に大きなイベントでは、当事国以外の通貨も影響を受けますが、やはり最も注目されるのが当事国がらみの通貨ペアです。
日銀の金融緩和では円安に弾みがつき、ドル円に長期の上昇トレンドが発生しました。
また、トランプ大統領が誕生した後には、一旦落ち込んだドルがその政策期待から息を吹き返し上昇相場に転じました。
このように、その時々で政治・経済的に注目される通貨ペアはトレンドが生じやすく、その波に上手く乗ることができればスキャルピングで効率よく稼ぐことができるのです。
スキャルピングに適しているおすすめ通貨
選び方の見出しでも解説しましたが、スキャルピングの通貨ペアを考える際は
まず、絶対基準である「取引量が多い」というポイントをクリアする必要があります。
この「取引量が多い」基準をクリアできるのは
など、メジャー通貨を組み合わせた通貨ペアです。
ここからは、これらのメジャーな通貨ペアの組み合わせの中から、上の見出しで解説した選定基準をできるだけ多く満たしているものをランキング形式でご紹介。
スキャルピングにおすすめの通貨ペアランキングを発表していきたいと思います!
第1位 ドル円 (★5つで満点)
取引量
ドル円は、ユーロドルに次いで取引量が2番目に大きい通貨ペアです。
国際決済銀行が公表した統計では、全通貨ペアの取引量に占めるシェアは17.72%となっています(2016年4月の1日あたりの取引量)。
スプレッド
スプレッドは一般的に非常に狭く、FX会社によっては0.2銭程度で提供しているところも多くあります。
このスプレッドの狭さがスキャルピングに最適ですね。
以下は国内主要FX会社のドル円スプレッドを比較した表です。
FX会社 | ドル円 |
---|---|
DMM FX | 0.2 |
GMOクリック証券 | 0.2 |
SBI FXトレード | 0.19 |
ヒロセ通商 | 0.2 |
YJFX! | 0.2 |
単位:対円=銭、対円以外=pips
スプレッド原則固定(例外あり)
ボラティリティ
ドル円は、マーケットの時間帯によってボラティリティの高低が異なります。
ボラティリティが比較的高い時間帯は9:00~10:00の東京市場、夕方のロンドン市場などですが、最も高いのはロンドンとニューヨーク2つの市場が重なる21:00~2:00頃です。
逆に、ボラティリティが低くなるのが、午後~15時の東京市場や2:00以降のニューヨーク市場などです。
ドル円は、ボラティリティが高い時間帯を選びスキャルピングを行うことをおすすめします。
その他
日本に住んでいれば、国内(日本)と米国のニュースが豊富に入ってきます。
日米両国の景気動向や社会的な出来事なども、新聞やテレビで頻繁に流れているため、相場の変化に素早く対応することができます。
また、米中貿易戦争などの経過状況は、日本企業やドル円に大きな影響を及ぼします。
仮に、平和的解決・妥結の兆しが出るとドル円に上昇トレンドが生じる可能性もあります。
第2位 ユーロドル
取引量
ユーロドルの取引量は、全通貨ペアの中でトップです。
全通貨ペアの取引量に占めるシェアは、ドル円を抑えて23.05%となっています。
(2016年4月の1日あたりの取引量、国際決済銀行)
スプレッド
スプレッドは、狭いFX会社で0.4pips程度です。
ドル円に比べれば若干広いですが、他の通貨ペアよりは狭いため、スキャルピングに適しています。
以下は国内主要FX会社のユーロドルのスプレッドを比較した表です。
FX会社 | ユーロドル |
---|---|
DMM FX | 0.4 |
GMOクリック証券 | 0.4 |
SBI FXトレード | 0.38 |
ヒロセ通商 | 0.3 |
YJFX! | 0.5 |
単位:対円=銭、対円以外=pips
スプレッド原則固定(例外あり)
ボラティリティ
ボラティリティは、メジャーな通貨ペアの中では標準的といえます。
東京時間より、ロンドン時間以降の方がボラティリティは高い傾向にありますね。
その他
ドルが高くなればユーロが安くなり、ユーロが高くなればドルが安くなる
という逆相関の関係になりやすいのがこの通貨ペアです。
そのため比較的トレンドも出やすいので、両者の相関関係を頭に入れておけばスキャルピングもやりやすくなります。
第3位 ユーロ円
取引量
ユーロ円の取引量は、比較的多いといえます。
国際決済銀行が公表した2016年通貨ペア別のシェアでは、トップ10内の9位(1.56%)に入っています。
スプレッド
スプレッドは、ドル円、ユーロドルに次いで狭く、0.5銭で提供しているFX会社も多くあります。
この程度のスプレッドなら、トレード回数が多いスキャルピングでも負担になりません。
以下は国内主要FX会社のユーロ円のスプレッドを比較した表です。
FX会社 | ユーロ円 |
---|---|
DMM FX | 0.5 |
GMOクリック証券 | 0.5 |
SBI FXトレード | 0.49 |
ヒロセ通商 | 0.5~ 1.4 |
YJFX! | 0.5 |
※単位:対円=銭、対円以外=pips
※スプレッド原則固定
ボラティリティ
ユーロ円のボラティリティは、全通貨ペアの中でも非常に高いほうです。
ボラティリティが高くても、ポンド円のように激しくないため、難易度は高くありません。
その他
ユーロ円は、特に日本で人気がある通貨ペアです。
ユーロはEUの基軸通貨であるため、安定性に優れています。
また、変則的な値動きが少ないという特徴もあります。
取引量・スプレッド・ボラティリティのどの項目も優秀な数値でバランスがとれており、スキャルピングにはおすすめの通貨ペアです。
第4位 ポンド円
取引量
国際決済銀行が公表した通貨ペア別の取引量シェアでは、トップ10に入っていませんが、メジャー通貨同士の組み合わせのため、相当なボリュームはあります。
日本人がポンド円を好んで取引をしていても、世界からみるとポンドドルを利用している人の方が多いのです。
スプレッド
スプレッドは、あまり狭くはありません。
狭いFX会社で1.0銭程度ですが、値動きが大きいためそれほど気にはなりません。
以下は国内主要FX会社のポンド円のスプレッドを比較した表です。
FX会社 | ポンド円 |
---|---|
DMM FX | 1.0 |
GMOクリック証券 | 1.0 |
SBI FXトレード | 0.99 |
ヒロセ通商 | 1.0 |
YJFX! | 1.0 |
※単位:対円=銭、対円以外=pips
※スプレッド原則固定
ボラティリティ
ポンド円は、ボラティリティが非常に高いことで有名です。
スキャルピングでも、比較的大きい利幅を狙うことができるでしょう。
その他
ポンド円をスキャルピングのおすすめ通貨ペアとすることには、賛否両論があります。
「値動きが激し過ぎるため、初心者が行うスキャルピングには難し過ぎる」
という意見がありますが、その点は同感です。
しかし、スキャルピングに慣れていくにつれ、よく動くポンド円の魅力は捨てることができなくなります。
ですので、初心者の方はいきなりポンド円でスキャルピングを行うのではなく、
ドル円などでスキャルピング技術を磨いた後にチャレンジするのが良いでしょう。
スキャルピングに適していない通貨ペア
反対に、スキャルピングに適さない通貨ペアもチェックしておきましょう。
スキャルピングに適していない通貨ペアを一言で申し上げると、マイナーな通貨ペアです。
具体的には、トルコリラや南アフリカランド、メキシコペソなどが絡む通貨ペアですね。
マイナーな通貨ペアは取引量が少ないため
など、取引が成り立たない場合があります。
マイナー通貨は開発途上国などに多くみられ、政情不安やテロ・戦争などが勃発し、相場が暴落する危険性もあります。
また、マイナー通貨はほとんど値動きがない期間があるかと思うと、何か出来事が起きた場合は全体の供給量が少ないため激しく乱高下することがあり、相場の先を読むのが難しいです。
さらに、トルコや南アフリカの現地ニュースなどはあまり日本に入ってこないため、非常に限られた情報のみでトレードを行わなくてはなりません。
スキャルピング初心者の方は、マイナーな通貨ペアで取引は行わないよう注意が必要です!
【スキャルピングの通貨ペア】まとめ
以上、スキャルピングの通貨ペアの選び方と、おすすめの通貨ペアをご紹介してきました。
記事の中では、おすすめの通貨ペアとして
ユーロドル
ユーロ円
ポンド円
の4つをご紹介しましたが、これら以外の通貨ペアがスキャルピングに向いていないということではありません。
取引量の多いメジャー通貨同士を組み合わせた通貨ペアであれば
という方がいらっしゃってもいいのです。
最終的には、スキャルピングFXの特性を理解した上で、それぞれの方が自分に合った通貨ペアを使うのがベストです。
ぜひこの記事で紹介してきた内容を参考にしながら、自分に合った通貨ペアを見つけてみてくださいね。
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