目安はどれくらい?スキャルピングの損切り幅について
この記事でわかること
- スキャルピングの損切りルールの重要性
- スキャルピングの具体的な損切り幅目安
- スキャルピングの損切りタイミング
- 逆指値注文を用いた損切りの方法
FXのスキャルピングでは、損切りルールが最も大切ということをご存知でしょうか?
スキャルピングは少額の利益を積み重ねていく手法のため、
その積み重ねた利益を1回のトレードで帳消しにしてしまうような損失は絶対に避けなければなりません!
しかし、損切りの重要性は理解していても、初心者のうちは
- 損切りのルールや考え方がわからない
- 損切り幅の目安が知りたい
など、様々な疑問が浮かびますよね。
ということで、この記事ではそんなあなたのために
「スキャルピングの損切りルールと損切り目安・タイミング」
について、初心者でもわかりやすいよう、丁寧に解説していきます。
スキャルピングFXでは必ず損切りルールを徹底しよう
まずはじめに、
「スキャルピングでは損切りルールがいかに重要か?どうして重要なのか?」
という部分から説明していきます。
損切りルールとは?
スキャルピングFXの損切りルールとは
をいいます。
この場合損切り幅は、「○○pips以内」などと具体的に定めておきます。
また、損切りタイミングは
などとパターン化して定めておきましょう。
なぜスキャルピングFXでは損切りルールが必要なのか
FXのスキャルピングは、非常に小さな値動きを狙って利益を積み重ねていく手法です。
そのため、トレード1回あたりの利益は数pips程度。
そのような小さな利益でも、「塵も積もれば山となる」方式により、トレード回数を重ねることで利益を膨らませていくトレード方法なのです。
そのようにトレード回数を積み重ねてコツコツと築いてきた利益が、たった1度の失敗でドカンとなくなってしまったら、精神的にも大きなダメージを受けてしまいますよね。
文章の説明だけではわかりにくいと思うので、ここからはトレードの例を挙げながら
「スキャルピングで損切りルールを徹底できていないと、どうなってしまうのか?」
を解説していきますね。
損切りルールを徹底できなかった人のトレード例
1トレードあたりプラス5pipsの利益確定幅でスキャルピングを行っているとして、10連勝しました。
(相場が良好で運がよければ、初心者でもスキャルピングで10連勝することは可能です)
この場合、トータルで50pipsまで利益を積み上げています。
ところが、11回目のトレードで、自分の予測が外れマイナスの含み損を抱えてしまうことに。
例のような場合はマイナスで損切り決済を行うのは非常に悔しく、また、相場がもうすぐ反転するのではないかとの期待感も抱きがちです。
そのため、
と、ポジションを抱えたままズルズルと相場に引きずられていきました。
さすがにこのような状況に陥ると、人間は冷静さを失っていきます。
結果、たった1度の負けが原因で、それまで築き上げた利益の山が吹き飛んだばかりでなく、トータルでマイナス10pipsの損失となってしまいました。
といっても、もう取り返しはつきません。
このように、スキャルピングFXでは、損切りの先延ばしは命取りになる場合があるため、事前に損切りルールを作りそれを徹底していくことがリスク回避として非常に重要なのです。
損切り幅の目安とタイミング
次に、スキャルピングにおける「損切り幅の目安」と「損切りのタイミング」について、具体的な数字も挙げつつ考え方を解説していきますね。
損切り幅の目安
スキャルピングにおける損切り幅は、利益幅との兼ね合いで決める必要があります。
利益幅とは
スキャルピングFXの一般的な利益幅は3~10pips程度。
仮に利益幅を6pipsとすると、損切り幅はその数値以下に設定することが重要です。
トレード技術やスプレッドを度外視した純粋な確率でみると、スキャルピングFXでは、相場が上がるか下がるかで勝ち負けの確率は1/2ずつです。
したがって、10回トレードして5勝5敗の場合に、トータル利益がトータル損失を上回るように設定する必要があります。
と思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、利益幅を広げすぎると
到達する前に反転してしまうケースが増える
というところから、勝率が下がります。
また、損切り幅を狭くしすぎると、ほんの少し相場が動いただけで損切りラインにかかり、損切りの山(損切り貧乏)となってしまいます。
そのため、利益幅を広げ過ぎたり損切り幅を狭くし過ぎたりは望ましくありません。
スキャルピングで、バランスがとれた利益幅と損切り幅の例は、以下の通りです。
区分 | 利益幅 | 損切り幅 |
---|---|---|
1 | 8~10pips | 6~8 pips |
2 | 5~7 pips | 4~6 pips |
3 | 3~4 pips | 2~3 pips |
以上から、利益幅が6pipsの場合は、損切り幅は5pips程度になります。
その場合に、損切り幅は「5pips固定」ではなく、「5pips以内」と範囲指定にして柔軟性を持たせます。
損切りのタイミング
上の見出しで、損切り幅は「5pips固定」ではなく「5pips以内」と範囲指定にして柔軟性を持たせると説明しました。
これは
しかし、5pipsになってしまったら無条件で損切りする
という意味です。
FX相場の小さな波は小刻みに反転を繰り返し、また、スキャルピングで使用する1分ローソク足は伸縮を繰り返すことも多くみられます。
そのため、相場が小刻みに反転して、含み損が減る、またはプラスに転換するケースもあり得ます。
このため、その時の相場状況やローソク足の動きを観察して、
ということも必要になってきます。
具体的な損切りタイミングの例
含み損が回復しそうにない相場状況での損切りタイミングは、2~4pipsと早くする。
逆に回復の見込みがある場合の損切りタイミングは、5pipsまで様子を見る。
このように、2段戦法での損切りをルール化しておくと、一律5pipsの固定値で損切りを行う場合よりもスキャルピングトレード全体の損失を浅く止めることができます。
ただし、
という考えは厳禁です!
ここで、最も注意すべきことは、5pips以内と決めた上は、その範囲内に限り様子見が許されるということです。
いくら回復の見込みがあっても、含み損が5pipsに達してしまえば、そのトレードは諦めて必ず損切りを行うことを厳守してください。
逆指値注文で自動的に損切り
次に、スキャルピングでトレードしていくにあたって非常に有効な「逆指値注文」と「自動損切り」について解説していきます。
逆指値注文の損切りとは?
通常利用する「指値注文」は、"価格が〇〇円まで下がったら買う、○○円まで上がったら売る"という注文方式です。
一方、「逆指値注文」は、"価格が〇〇円まで下がったら売る、○○円まで上がったら買う"という指値注文とは反対の注文方式です。
この逆指値注文を損切りに利用すれば、あらかじめエントリーと同時に損切りの注文も出しておくことができます。
例えば、ドル円相場の現在値が1ドル=100円だと仮定して、
という場合は
という逆指値の損切り注文をエントリーの注文と同時に出しておくのです。
この場合、エントリーの注文と逆指値の損切り注文の通貨量は、同じ枚数にします。
なぜ逆指値注文の自動損切りが有効なのか
上で説明した「逆指値の損切り注文」ですが、自動でこれを行ってくれるツールもあります。
スキャルピングを行われている方はご存知かもしれませんが、スキャルピング用の
「スピード注文」や「ワンクリック注文」などのトレードパネルに、逆指値注文同時発注機能が付いているものです。
このようなツールでは、「決済同時発注」「逆指値同時発注」などの名称で、損切りのpipsを指定できる仕様になっています。
上記のようなツールで自動損切りをオンにし、損切り設定を希望するpipsにしておけば、その数値に達したら自動で損切り決済がされます。
逆指値注文による自動損切りのメリット
逆指値注文の自動損切りは、以下のように非常に大きなメリットがあります。
感情に支配されない
人間が行う手動損切りでは、例え損切りをルール化していても、感情に打ち勝つ強い意志が必要となります。
そのため、損切りルールを作っていても実行されない場合があるのです。
しかしこの自動損切りを使えば、設定数値に達すればシステムが自動で損切りを行うため、100%の実行が保証されます。
損切り漏れがない
人間が行う手動損切りでは、電話や不意の来客などでチャートやトレードパネルから少し目を離した隙に、相場が損切りラインを超えてしまう事態が起こり得ます。
しかし、自動損切りでは安心してシステムに任せておくことができます。
自動損切り自体がルールになる
まだ自分で損切りルールを作っていない初心者の方でも、ツールで自動損切りをオンにし、希望する損切pipsを入力するだけで、100%実行可能な損切りルールが出来上がることになります。
逆指値注文による自動損切りのデメリット
ただし、自動損切りには以下のようなデメリットも存在します。
損切りが一律固定の数値である
自動損切りは、損切り設定が一律固定の数値になってしまいます。
これでは、前で説明した
「設定した数値内で、様子を見たり早めに損切りしたりする2段戦法」
は使えないようにみえます。
しかしこの場合でも、手動損切りを併用すれば2段戦法を使うことができます。
すなわち、設定してある一律固定の数値に達するまで待たずに早めに損切りしたい時は、手動で損切りを行う方法です。
そうすれば、
相場が反転する見込みがある場合=最大許容限度の設定値まで様子を見て、後はシステムに任せる
という2段作戦が可能です。
小さい数値は設定できない場合がある
FX会社によっては、「損切りは〇pips以上で設定してください。」
と数値を一定以上に定めているところがあります。
このような会社では、定められている〇pips未満の数値は設定できないことになります。
しかしこの場合でも、手動の損切りは自分が希望する数値で行えるため、自動損切りと手動損切りを併用した2段戦法を用いることができます。
まとめ
FX相場の小さな波を捉えてコツコツと利益を積み重ねていくスキャルピングでは、損切りのやり方一つで勝敗の行方が大きく変わってしまうといっても過言ではありません。
特にスキャルピング初心者のうちは、損切りができなかったために、苦労して築き上げた利益が一瞬のうちに消えてしまうことも・・・。
そのような事態に陥らないためには、損切りをルール化して徹底し、損切り幅や損切りを行うタイミングを工夫して自らのトレードルールに取り込んでいくことが非常に大切です。
また、逆指値注文を活用した自動損切りは、いざという時に損切りができない人間の弱さを克服してくれるため非常に有効な手法です。
また、そのデメリットはいずれも解決できるレベルのものです。
したがって、まだ手動損切りに自信がないスキャルピング初心者の方は、自動損切りを積極的に活用されることをおすすめします。
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