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2017年10月末より、一部のFX業者で取扱が始まった「メキシコペソ円(MXN/JPY)」は、今、とても注目されている通貨ペアです。
高い政策金利が魅力で、南アフリカランドやトルコリラと並び、高額のスワップポイントを目当てとした長期運用が人気を集めています。
現在の価格は底値であると考えるアナリストも多く、今後の価格上昇次第では長期運用によって「安定的なスワップポイント」と「大きな為替差益」も期待できます。
2018年の夏以降に取扱業者が増え始め、現在では「みんなのFX」「FXプライムbyGMO」「外為どっとコム」「セントラル短資FX」「ヒロセ通商」「IG証券」「マネーパートナーズ」「サクソバンク証券」など多数の業者が取扱い中です。(2022年1月時点)
人気FX業者の「SBI FXトレード」では取扱がありませんが、「SBI証券」なら取引可能です。しかし、SBI証券のメキシコペソ円はスワップポイントが低いため、先ほど挙げた8社を選んだほうが得です。
まずは、この通貨の特徴と取引上の注意点をまとめ、今後期待できる利益について検証していきたいと思います。
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メキシコペソ円の特徴
メキシコペソ円は、主に次の特徴を持つ通貨ペアです。
- 政策金利は7.25%と高金利
- メジャー通貨に比べて情報量が少ない
- マイナー通貨のため取引量が少ない
- 社会的・政治的な不安定さが心配
- 原油価格によって価格が大きく動く資源国通貨
- アメリカ経済の動向・アメリカとの関係性がポイント
メキシコは古くから、安い労働力・投資先として人気の国で、日本からも、自動車メーカーの日産・ホンダ・マツダの3社が工場や大規模倉庫を建設しています。
経済規模は韓国とほぼ同じ水準で、主な産業は、銀・石油・自動車・家電の輸出、水産業・観光業・製塩・ビール製造です。
輸出先はアメリカ・カナダ・日本・スペインがほとんどで、輸出の約8割・輸入の約5割をアメリカに依存しています。そのため、アメリカ経済が好調であれば、メキシコ経済も好調になる傾向があります。
国内情勢は、治安の悪さ、麻薬、アメリカへの不法入国の問題があり、メキシコペソ円は常にカントリーリスクを抱えている通貨ペアです。
その他の資源国と同様、原油価格によってメキシコペソ相場は大きく変動します。流動性も低いため、値動きは激しく十分なリスク管理が必要です。
政策金利は段階的に引き上げられてきましたが、2019年8月に5年ぶりの金利低下もあり、現在は7.25%。高金利通貨のトルコリラに次いで南アフリカランドを超える水準を維持している状況です。
「外為どっとコム」であれば、スワップポイントは1万通貨あたり1日12円、売買比率は約90%が買いポジションとなっています。(2019年10月時点)
しかし、メキシコに関して個人レベルで取得できる情報量が圧倒的に少ないため、経済指標発表・各社のレポート・経済ニュースの他にも、自ら積極的に情報収集・分析をしていくことが必要です。
メキシコペソ円リアルタイムチャート&レート
メキシコペソ円の最高値と最安値
最高値 | 最安値 |
---|---|
14.968円 (2001年12月) | 4.878円 (2016年11月) |
メキシコペソ円の政策金利の推移
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.25 | 8.00 | 7.75 | 7.75 | 7.50 | 7.25 |
2018年 | 7.25 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 7.75 | 7.75 | 7.75 | 7.75 | 7.75 | 8.00 | 8.25 |
2017年 | 5.75 | 6.25 | 6.50 | 6.50 | 6.75 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.00 | 7.25 |
2016年 | 3.25 | 3.75 | 3.75 | 3.75 | 3.75 | 4.25 | 4.25 | 4.25 | 4.75 | 4.75 | 5.25 | 5.75 |
2015年 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.25 |
2014年 | 3.50 | 3.50 | 3.50 | 3.50 | 3.50 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 | 3.00 |
2013年 | 4.50 | 4.50 | 4.00 | 4.00 | 4.00 | 4.00 | 4.00 | 4.00 | 3.75 | 3.50 | 3.50 | 3.50 |
2012年 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 |
2011年 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 |
2010年 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 | 4.50 |
※最終更新:2020年1月
通常、不景気であれば利下げを行うのが鉄則とされていますが、メキシコは2017年度に入ってから4回も利上げを行なっています。これを機に、メキシコペソ円に一気に注目が集まったといえるでしょう。
この利上げは、メキシコペソの価格暴落に歯止めをかけるための金利政策であり、外貨獲得のための手段としても行なっているものだと考えられます。
メキシコ政府はペソ防衛姿勢を強化しており、ペソ安の影響でインフレになることを警戒し、段階的に利上げをしているのです。
スワップポイントがいくらもらえるかシミュレーション
メキシコペソ円のポジションを長期間保有した場合、スワップポイントをいくら受け取ることができるのかシミュレーションしてみましょう。
現在、最も高いスワップポイントを受け取ることができるFX業者は「セントラル短資FX」「ヒロセ通商」「IG証券」の買スワップ1万通貨(10Lot)あたり一日13円です。(2019年10月時点)
出典:セントラル短資FX
「ヒロセ通商」「IG証券」はメキシコペソと同じく高金利で人気のトルコリラ円もトップクラスのスワップポイントが付きます。
「セントラル短資FX」で10万通貨を運用した場合
「セントラル短資FX」を例に、取引数量10万通貨で計算をすると、1日130円、1ヶ月後に3,900円、1年後には47,450円のスワップポイントが付与されます。
レバレッジ1倍の場合、10万通貨あたりの必要証拠金は55万円となるため、スワップポイントを年利回りに換算すると約8.6%です。
また、レバレッジをかけることで年利回りはさらに高くなりますので、安定収益を狙える優れた金融商品ともいえるでしょう。
ただし、実際の利回りは為替変動の影響も受けることに注意してください。
また、当然スワップポイントは随時更新されるので、これはあくまでシミュレーションです。
10万通貨を運用し、スワップポイントが1日130円付与される場合
運用日数 | スワップポイント |
---|---|
1日 | 150円 |
1ヶ月 | 3,900円 |
1年 | 47,450円 |
3年 | 142,350円 |
5年 | 237,250円 |
10年 | 474,500円 |
FX会社のスワップポイントを比較
参考までに、現在メキシコペソ円を取り扱っている会社のスワップポイント上位7社を比較して見ます。
スワップポイント・スプレッド・最小取引数量の比較
最小取引数量 | スプレッド (単位:銭) | スワップポイント (1万通貨あたり) | |||
---|---|---|---|---|---|
セントラル短資FX | 1,000通貨 | 0.2 | 13円 | ||
みんなのFX | 1,000通貨 | 0.3 | 12円 | ||
LIGHT FX | 1,000通貨 | 0.3 | 12円 | ||
GMO クリック証券 | 10,000通貨 | 0.2 | 12円 | ||
ヒロセ通商 | 1,000通貨 | 0.3 | 13円 | ||
外為どっとコム | 1,000通貨 | 0.2 | 12円 | ||
IG証券 | 10,000通貨 | 0.3 | 13円 |
スプレッド原則固定(※例外あり)
※ 2022年6月時点
他の通貨ペア同様に、かなりバラツキがありますね。
スワップポイントを狙ったメキシコペソ円の取引は、2021年2月時点では「セントラル短資FX」「ヒロセ通商」「IG証券」が最も向いている業者ということになります。
次に検討したいところが、「外為どっとコム」。スプレッドは業界最狭で、「セントラル短資FX」同様、短期売買にも向いた取引条件です。
現状が良くても今後、他社より条件が悪くなる可能性もあるため、「セントラル短資FX」、「ヒロセ通商」、「IG証券」だけではなく、表中の「みんなのFX」、「LIGHT FX」、「GMO クリック証券」などとリスクを分散させることを視野に入れた方が良いでしょう。
また、今後の政策金利の推移や他社の参入で、この状況は大きく変わるので要チェックですね。
メキシコペソ円の10年間の為替レート推移
過去10年の為替レート推移(2006年〜2019年)
メキシコペソ円の2006年以降の為替レートを見てみると、基本的に他の通貨ペアと同様、2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマンショックの影響により大暴落をしています。
2012年後半ごろから、アベノミクス効果により上昇を続けますが、「原油価格下落」と「アメリカの利上げ観測」「チャイナショック」の3つの逆風を受けて大きく下落。
他の新興国通貨と同様に売りが続き、2016年11月には4.878円の最安値を更新しました。
しかし、アメリカは依然として利上げを行っていないにも関わらず、メキシコペソの暴落が続いたのは、主に原油価格下落とメキシコの政治・経済への不透明感の影響が大きかったものだと思われます。
直近2年の為替レート推移(2018年〜2019年)
直近2年間の為替レートを見てみると、2017年9月に6.426円の最高値を付けて以降、メキシコペソ円はレンジ相場として緩やかな下降傾向にあります。その後、最高値は更新していません。
国境の壁建設問題でアメリカとの外交関係が不透明なこともあり、トランプ大統領の在任中に相場が大きく回復する余地は無いというのが大方の見方です。
2007年サブプライムローン問題
2007年夏ごろからアメリカの住宅価格の下落によって、サブプライムローンが不良債権化し、そのダメージが世界各国に飛び火。
メキシコペソ円も他の通貨ペアと同様にその影響を受けて大きく下落しています。
2008年9月リーマンショック
住宅価格の下落に端を発しリーマンショックが発生。
メキシコペソ円は、わずか3ヶ月間で10円台から6円台まで大暴落します。
高金利マイナー通貨を取引していたトレーダーは、ここでロスカットに耐えられずかなりの損失を出してしまい、トラウマになった人も多かったはず。
その後は6円〜7円の持ち合い相場が続きますが、東日本大震災以降2011年から2012年にかけては一段とペソ安が進み、一時は5円台前半をつけました。
2016年原油価格の下落
アメリカ・カナダにおいて、シェール革命(地下深くのシェール層にある原油を大量に採掘できる技術開発)を背景に、世界的に原油が供給過剰となりました。
これはつまり、市場が原油の在庫で溢れかえってしまったのです。
そのため、2014年ごろから原油価格の下落が続き、2015年8月のチャイナショックをキッカケに、ぺキシコペソ円も大きく暴落、2年間で8円台から5円台まで値を下げます。
また、産油国メキシコの国営石油会社ぺメックスは、メキシコ東部ベラクルス州で新たな油田を発見しており、埋蔵量は3億5,000万バレルと推定されます。
原油生産量の回復は期待できますが、今後の世界的な原油の供給量と原油価格によっては大きくペソ安に進む可能性も考えられます。
2017年1月トランプ大統領就任
2016年11月のアメリカ大統領選あたりから、「メキシコ国境の壁」「NAFTA見直し」発言などメキシコに厳しい姿勢をとるトランプ大統領の影響によってメキシコペソ円は下落を続けます。いわゆる「トランプリスク」です。
しかし、2017年1月の就任以降はトランプ大統領の発言力の低下と、メキシコ中銀の金利政策・為替介入によって持ち直します。
2017年9月メキシコ巨大地震
メキシコは2017年9月に入ってから大きな地震が頻発しました。
震災直後のペソ売りは限定的でしたが、今後の経済への影響が懸念されています。
なお、当時のペニャニエト政権は震災対応について国内から批判を受けており、翌年の大統領選へ不安の種を残しました。
2018年7月メキシコ大統領選挙
2018年7月に行われた大統領選挙では、新興左派である「国民再生運動」党首のオブラドール氏が当選。
脱汚職・反腐敗を掲げ、大統領選挙では1988年以降初となる過半数以上の票を獲得するという絶大な支持のもと、2018年12月1日に大統領に就任しました。
麻薬カルテルの結びつきを無くすなど、汚職を減らすことには成功しましたが、それまで利用できた石油供給ルートが利用できなくなるなど経済的には課題を残しています。
メキシコペソ円を運用する上での注意点
経済指標発表について
メキシコペソ円の動向を知る上で重要な経済指標は、「WTI原油価格」と「消費者物価指数」です。
- WTI原油価格
- 消費者物価指数
WTI原油価格(24時間リアルタイムで変動)
産油国通貨のメキシコペソ相場は、原油価格の影響を特に強く受ける傾向にあります。
特に、原油価格の指標として信頼性のある、アメリカの国際原油価格WTIには注目です。
消費者物価指数(毎月上旬の日本時間22時ごろ発表)
ここ最近は物価上昇に悩まされていたメキシコですが、2017年10月の消費者物価指数は、前年同月比+6.37%と高止まりしています。
メキシコ中銀の声明によると、来年にかけて物価は低下傾向だとされていますが、毎月の指標発表には注意が必要です。
また、メキシコの2017年のGDP成長率は、前年と比べ2.8%増(1月-3月期)、1.8%増(4月-6月期)、1.6%増(7月〜9月期)と安定成長を続けていますが、石油関連以外の製造業を中心に輸出が低迷しており、この貿易赤字がペソ安の要因ともなりかねません。
NAFTA再交渉の行方
メキシコペソ円を扱う上で、見過ごせないものが北米自由貿易協定(NAFTA)です。
NAFTAは、身近なところでいうとTPPのような自由貿易協定のことで、現在のメンバーはアメリカ、カナダ、メキシコの3国で、発足の主な目的は貿易の関税撤廃です。
しかし、トランプ大統領の「メキシコ国境の壁」「NAFTA見直し」発言などがペソ安を加速させた要因でもあるため、このNAFTAはメキシコにとって今後の大きな懸念材料となっています。
ですが、2018年に当選したオブラドール大統領が早期締結を目指していた事もあり、2018年10月にNAFTA再交渉は3国間で妥結され、事前に懸念されていた問題は早期に解決する運びになりました。
メキシコペソ円取引のリスク
現状、メキシコペソ円の今後の見通しは、どこもかしこも「先行き不透明」との見解ばかり目立ちます。
しかしこれは、どの通貨ペアでも同じで、日本経済もアメリカ経済も不透明だということができます。
そのため、メキシコが抱えているリスクをしっかり知った上で、投資判断をすることがとても大切です。メキシコの当面のリスクをまとめると、次のようなものが挙げられます。
- アメリカ経済の動向とアメリカとの関係性
- メキシコ中銀の為替介入の動向
- さらなる物価上昇によるインフレ
主なリスクは、「アメリカとの関係」「インフレ率」です。
長期的にメキシコペソを保有した場合、当然トレーダーもこれらのリスクを一緒に抱えることになるため、今後注目しておく必要があります。
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