MT4(MetaTrader 4)は誰でもインジケーターを作成することができるので、有用な無料のオリジナルインジケーターがたくさん公開されていてとても便利です。
しかし、MT4のインジケーターには次のような困った点があります。
MT4インジケーターの困った点
- 国内FX業者のチャートで使えるRCIなどのテクニカルが標準搭載されていない
- 公開されているインジケーターが多すぎて、どれが有効なのかわからない
この記事では、これらの困った点を解決するため「MT4のおすすめインジケーター」をランキング形式でまとめてご紹介していきます。
- MT4に標準搭載されているおすすめのインジケーター
- 絶対に追加しておくべき便利なインジケーター
- 管理人が実際に使ってみて便利だったインジケーター
以上の3つをトレードでの利用方法とあわせて紹介していますので、
既にMT4を使用されている方はもちろん、これからMT4を使ってみようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
MT4標準搭載のおすすめインジケーターランキング
まずはMT4に標準搭載されているインジケーターで、「これは使うべき!」というものを、おすすめできる順に紹介していきます。
1位 移動平均線
移動平均線とは、最新のローソク足から一定期間さかのぼったローソク足の終値の平均を導きだし、その数値を最新のローソク足上に表示させて、時間の経過に沿って並べたものです。
移動平均線の特徴は、大まかなトレンド(価格の流れ)を把握することができるというところです。
移動平均の傾きを見ることで、今後どちらに進みそうかをある程度予測することが可能になります。
インジケーターの場所は、「ナビゲーター」ウィンドウ→「インディケータ」→「Custom Moving Averages」を選択していけば表示できます。
移動平均線の設定期間にはさまざまな数値が使われます。
(5、10、25、50、75、100、200など)
25日移動平均線なら、過去25本のローソク足終値を合計し、その数値を25で割った値が時間の経過に沿って並んでいます。
↑の画像を例に見てみると、25移動平均、75移動平均とも右上がりで、価格が上昇局面にあることがよくわかります。
上昇しているときの移動平均線は、上から5、25、75の順番に並びます。
↑の画像だと、移動平均75が、右下がりから右上がりに変わり、下げ基調から上げ基調に転換しているのがよくわかります。
画像下部の時間表記 1Jun03:00 の上あたりで、移動平均5と25ともに、100を下から上に抜けて、上昇トレンドに転換しているというわけですね。
移動平均線を使ったトレード方法
移動平均線を使ったトレード方法は以下になります。
※ここからは、「移動平均線」のことを「MA(Moving Average」と表記していきます。
左下①で、20MAが下から50MAを上抜け、買いシグナル発生。
AまたはB時点、ローソク足が10MAにタッチしたタイミングで買いエントリー。
C時点、ローソク足が50MAを下回って確定したところで利益確定。
損切りは、うまく上昇せずに、逆シグナル発生時。(20MAが50MAを下抜けた場合)
2位 一目均衡表(いちもくきんこうひょう)
一目均衡表は、一目山人(細田悟一氏)という方が考案したテクニカル手法です。
転換線、基準線、先行スパン1、先行スパン2、遅行スパン、雲と呼ばれる6つの要素から構成されています。
一目均衡表についての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
インジケーターの場所は、「ナビゲーター」ウィンドウ→「インディケータ」→「Ichimoku」で表示できます。
基本的には、ロウソク足が雲の上に位置すれば強気相場、ロウソク足が雲の下に位置すれば弱気相場となります。
また、遅行スパンの位置も重要で、遅行スパンが雲を上から下に抜けたところから下げ相場が始まり、遅行スパンが雲を下から上に抜けたところから上げ相場が始まる、という動きがよくみられます。
転換線、基準線、雲の上限、雲の下限、これらはすべて、時によっては支持線となり、時には抵抗線となります。
少し難しいかもしれませんが、一目均衡表を理解すれば勝率が向上すること間違いなしですので、ぜひ使ってみてください。
一目均衡表を使ったトレード方法
遅行スパンが雲の下限を下抜けた時点A(=a)で売りエントリー。
転換線(赤色)と基準線(青色)の位置関係が逆転した時点(この場合は下に位置していた転換線が基準線を上回った時点)で利益確定の買戻し。
損切り(場合によっては利確)は、遅行スパンが雲を上回った時点。
3位 ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、ジョン・ボリンジャー氏によって1980年代に発案されたトレンド分析によるテクニカル手法。
統計学の標準偏差の考え方を移動平均線に取り入れたものです。
移動平均線の上下に標準偏差ラインを引いて、大半の価格がこの中で推移するという考え方に基づいて相場を判断するインジケーターとなっています。
一般的には、移動平均線であるミドルバンドと1σ(シグマ)・2σ・3σラインで構成されます。
ボリンジャーバンドについての詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
インジケーターの場所は、「ナビゲーター」ウィンドウ→「インディケータ」→「トレンド」→「Bollinger Bands」で表示できます。
ボリンジャーバンドを用いた標準偏差の考え方に従うと
- ±1σ内に価格が納まる確率は68.3%
- ±2σ内に価格が納まる確率は95.5%
- ±3σ内に価格が納まる確率は99.7%
となります。
例えば、±2σより外にレートがあるときに逆張りポジションをとれば、95.5%の確率で内側に戻ってくると考えられるため、ボリンジャーバンドが逆張り指標であると言われることが多いようです。
レンジ相場であれば、上記の逆張りが通用しますが、レンジ相場を抜けて新たにトレンドを形成しようとしている場合は、バンドの上限を抜けた場合は買いシグナル、下限を抜けた場合は売りシグナルと考えます。
その場合、前兆として変動幅が小さくなり、ボリンジャーバンドの幅も、著しく狭まることになる傾向があります。
私は、このレンジから動きが出るときのシグナルとしてよく使うことがあります。
トレンド相場に転換するときに逆張りでポジションを取ると、大きく振らされることになることがあるので、逆張りのエントリーには注意が必要です。
ボリンジャーバンドを使ったトレード方法
基本的に狭いレンジで推移しているときのトレードです。
3~4回ナンピンするつもりで行うので、ポジション額は小さく。
2σから上抜けして戻った時に売り、2σから下抜けして戻った時に買い。
同じサインが続いたらポジションが増えます(ポジ5までで行います)、逆サインでポジションをクローズ、ドテンでポジション1が建ちます。
(図の○=黄色が買い、□=ピンクが売り)
レンジがいくらからいくらまでと決めてトレードし、抜けたら損切り。
4位 平均足
平均足は、ローソク足と高値・安値は同じなのですが、始値と終値が違います。
平均足の始値は、前の足の実体の始値と終値の中心です。
平均足の終値はその足の始値・高値・安値・終値の平均となります。
ローソク足と同じように、上昇の時は陽線、下落の時は陰線を示します。
平均足は、実体部分の大きさがトレンドの強さを示しています。
前の足の実体部分よりも当足の実体が短い場合は、トレンドの転換の可能性があると判断できます。
流れが出ると同じ色が継続するという特徴があるので、パッと見でトレンドが把握しやすく、個人的にはとても重宝しているインジケーターです。
私は、チャート表示はローソク足は使わずに、常に平均足を使っています。
移動平均線など、ほかのインジケーターと組み合わせるとさらに使いやすくなるかもしれません。
インジケーターの場所は、「ナビゲーター」ウィンドウ→「インディケータ」→「Heiken Ashi」で表示できます。
平均足を使ったトレード
下げ基調のチャートが戻し基調になり、平均足が100MAにタッチしたが、上に抜けず、色が変わった時点Aで売りエントリー。
その後、再度下げたチャートが横ばい気味になり、平均足が100MAの上抜けを確認できた時点Bで利益確定の買戻し。
損切りは、売りエントリーした後下げが継続せず、上げの平均足(白)が100MAを上に抜けた時点(売りエントリーして利確できずBが発生した場合、と言える)
5位 ストキャスティクス
ストキャスティクスは主に売られ過ぎや買われ過ぎを表し、相場の転換点などを知るために使われるオシレーター系テクニカル指標です。
20以下のゴールデンクロスで買い、80以上のデッドクロスで売りという使われ方が主流です。
シグナルがラインのクロスなので視覚的にわかりやすく、一部のトレーダーからは人気があります。
FXのストキャスティクス・スローストキャスティクスとは?使い方と手法
インジケーターの場所は、「ナビゲーター」ウィンドウ→「インディケータ」→「オシレーター」→「Stochastic Oscillator」です。
追加しておくべきインジケーターランキング
続いては、MT4標準搭載ではありませんが、管理人が思う「これは追加しておくべき!」なインジケーターを紹介していきます。
インジケーターのダウンロードリンクも貼っておきますので、気になるものがあったら使ってみてください。
1位 RCI(Rank Correlation index)
RCIは、相場の波を視覚的にわかりやすくした人気のオシレーター系テクニカル指標です。
短期・中期・長期の3本のRCIを同時に表示させる手法が一般的に広く知られています。
RCIはMT4に標準搭載されていませんが、SpearmanRankCorrという名前でカスタムインジケーターが公開されています。
2位 移動平均乖離率
移動平均乖離率は、移動平均線からの乖離をグラフで表示するインジケーターです。
移動平均線からの乖離が何%あるのかがわかるので、相場の反転や利食いの目安になります。
乖離率でのエントリーは逆張りの手法なので、レンジ相場の時には上下からのエントリーの参考にもできます。また、トレンド時は利食いの目安にもなります。
乖離率のライン設定は、レベル表示からレベル設定の数字をプラスとマイナスで入力するだけです。
乖離率の設定は以下を参考にしてみてください。
TimeFrame | 時間軸 |
---|---|
MAPriod | 移動平均線の数値 |
MAShift | そのまま |
MAMethod | 移動平均線の種類 |
MAApplinedPrice | そのまま |
Overbought | 買われすぎと設定する数値 |
OverSold | 売られすぎと設定する数値 |
Big Trend
こちらのインジケーターは、Trade PressというFX関連サイトに掲載されています(無料)
反応が早い、トレンドフォロー系のテクニカルインジケーターです。
上昇時はライトブルー色のライン、下降時にはトマト色のラインが表示されます。
相場が、小さいレンジで上下する場合は使えませんが、ある程度の値幅が出て上下する場合と、結構トレンドが出て走る場合には、一目で流れが把握できるため、使い勝手がいいインジケーターだと思います。
ローソク足のマルチタイムフレーム(MTF)
↑の画像では1時間足に日足のローソク足を表示させています。
このように見るとことで、マルチタイムフレームを理解することができます。
日足の陰線が一本出たとき、1時間足では一気に下げているわけではなく、上昇もしつつ下げてきていることが視覚的によくわかります。
Timefarme | 表示したいローソク足を「分」で設定 |
---|---|
UpCandle | 陽線の色 |
DnCandle | 陰線の色 |
DojiColor | 十字線の色 |
Width | 線の太さ |
CustomCandleTimeShift | ローソク足の表示位置をずらす。初期値でOK |
管理人が実際に使ってみて便利だったインジケーター
最後に、MT4で管理人が実際に使ってみて便利だったと思うインジケーターをご紹介していきます。
ポジションオーダー情報を表示させるインジケーター
オーダー情報は、FX業者に接続しないと見ることができないため、配布されているインジケーターはかなり限られます。
OANDA JAPANではMT4でリアルタイムにポジションオーダーが表示できるインジケーターを配布しているので、それを利用すればチャート上に「売り注文、買い注文」を表示することができます。
ただし、これはOANDA JAPANで「10万通貨以上取引、かつ20万円以上を預入」した人限定のサービスです。
しかし、他社ではこれを公開しているところがほとんどないので、このインジケーターを利用するためにOANDA JAPANで口座開設してもいいくらい便利なインジケーターです。
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日本時間表示のインジケーター
MT4の設定時間はGMT+2(夏時間はGMT+3)のため、日本時間(GMT+9)と比べるとずれてしまいます。
しかし、このインジケーターを入れることによって日本時間でのチャートがすぐに確認できます。
通貨の強弱を表示させるインジケーター
こちらは通貨の強弱を表示させる海外製のインジケーターです。
現在の表示通貨ペアのラインが太く表示されます。
設定はそのままの設定を使用しています。
一番強い通貨と一番弱い通貨がわかるので、一番強い通貨を買いもしくは一番弱い通貨を売りという選択もできますし、通貨ペアのラインがクロスした後の転換を考えるなどの目安にも使用できます。
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