トレード戦略の幅が広がって、精神的にもかなり楽になるからです。
IFD注文・OCO注文・IFO注文は、本業が忙しくなかなかトレード時間を捻出できない人や初心者の人のステップアップにオススメの注文方法です。
しかし、これらは新規注文〜決済注文までのシナリオを考えてから注文をするので、より戦略性が求められます。
闇雲に使っては効果が期待できないので、この記事では使いどころも踏まえて分かりやすく解説していきたいと思います。
基本の注文方法をおさらい
この記事では、「IFD注文」「OCO注文」「IFO注文」を解説する中で、「成行注文」「ストリーミング注文」「指値注文」「逆指値注文」についても触れます。
しかし、注文方法はFX会社によって名称や取扱いが異なるので以下のように統一します。
FX会社 | 成行注文 | ストリー ミング注文 | 指値・逆指値 注文 | IFD注文 | OCO注文 | IFO注文 |
---|---|---|---|---|---|---|
DMM FX | なし | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ |
GMOクリック証券 | なし | 成行 注文 | 同じ | 同じ | 同じ | IFD-OCO 注文 |
SBI FXトレード | 同じ | 2WAY 注文 | 同じ | 同じ | 同じ | IFDOCO 注文 |
ヒロセ通商 | 同じ | 同じ | 同じ | IF-DONE 注文 | 同じ | IF-OCO 注文 |
外為オンライン | なし | クイック トレード | 同じ | 同じ | 同じ | IFDO 注文 |
外為ジャパン | なし | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ |
外為どっとコム | 同じ | マーケット 注文 | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ |
マネーパートナーズ | 同じ | 同じ | 同じ | IF-DONE 注文 | 同じ | IF-OCO 注文 |
成行・ストリーミングとは?
FX会社によって、成行注文を取扱いしていないところや、ストリーミング注文のことを成行注文として扱っているところもあり、少し紛らわしいので注意してください。
この記事では、成行注文とストリーミング注文の違いについて次の2点だけ押えておけばひとまず大丈夫です。
- 成行注文は約定優先
- ストリーミング注文は許容スリップ設定によって約定優先・価格優先を選択できる
指値・逆指値とは?
指値・逆指値注文は、どこのFX会社でも同じ名称で取扱いをしています。
この記事では、指値・逆指値注文について次の2点だけ押えておけばひとまず大丈夫です。
- 価格を指定して、順張りまたは逆張りでエントリーの予約が可能
- 価格を指定して、指値で利益確定、逆指値で損切りの予約が可能
IFD・OCO・IFOとは?
ここでは、IFD注文・OCO注文・IFO注文の特徴をざっくりと解説します。
各社で名称が若干異なりますが、あまり気にしないでください。
それぞれの特徴をしっかり理解して、上手く使いこなせるようになりましょう。
実際の使い方については、次の「IFD・OCO・IFOの注文方法」を参照してください。
IFDのメリット・デメリットと特徴
IFD注文は、新規注文と決済注文をセットにした予約注文です。
予想したトレンド方向に新規注文の条件を一つ、予想したトレンドの方向または予想が外れた場合のトレンド方向に決済注文の条件を一つ設定します。
出典:外為どっとコム
メリット・デメリット
メリット
- 新規と決済を同時に予約注文ができる
- 新規は成行・指値・逆指値などをセットできる
- 決済は利益確定か逆指値のどちらかをセットできる
デメリット
- 注文価格にレートが達しなければ実行されない
- ポジション保有後のトレンド予想が間違っていると含み損を抱える
- ポジション保有後のトレンド予想が逆行すると損切りをする
活用方法としては、「利益を優先して利益確定に使う」か「リスク回避を優先しての損切りに使う」かのどちらかを自分で選択します。
仕組は複合注文の中ではかなりオーソドックスなタイプですが、本来であれば別々に注文しなければならない新規注文と決済注文を同時に設定できるため、計画的なトレードをする上でとても役に立ちます。
しかし、新規注文価格にレートが達しなければ、決済注文を含めたIFD注文自体が実行されません。
また、ポジション保有後にトレンド予想が毎回間違っていると、含み損を抱えるか損切りを繰り返すだけの注文方法になってしまいます。
OCOのメリット・デメリットと特徴
OCO注文は、新規注文または決済注文のどちらかに2種類の注文パターンを設定し、相場の動きに合わせ注文パターンを自動選択してくれる予約注文です。
予想したトレンド方向に条件を一つ、予想が外れた場合のトレンド方向にも条件を一つ設定し、どちらか片方の注文価格にレートが達すればもう片方は自動的にキャンセルされます。
出典:外為どっとコム
メリット・デメリット
メリット
- 新規と決済に個別にセットできる
- 新規は相場が上がっても下がってもエントリーができる
- 決済は2種類の予約注文をセットし相場の動きに合わせ自動選択する
- 決済は利益確定・損切り両方セットできる
デメリット
- 注文価格にレートが達しなければ実行されない
- ポジション保有後のトレンド予想が間違っていると含み損を抱える
- ポジション保有後のトレンド予想が逆行すると損切りをする
活用方法は、新規注文の場合は「トレンドがどちらに向かうか分からない時」、決済注文の場合は「利益確定と損切り」「最大限の利益確定と最低限の利益確保」などいろいろな組み合わせとして使えます。
特に、トレードのシナリオがイメージできない時や、想像していたシナリオから外れてしまったときに使うと便利な注文方法です。
しかし、注文価格にレートが達しなければOCO注文自体が実行されません。
また、決済注文の場合にトレンド予想が毎回間違っていると、損切りだけを繰り返す注文方法になってしまいます。
IFOのメリット・デメリットと特徴
IFO注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせた予約注文です。
IFD注文と同じように新規注文と決済注文を同時に設定でき、OCO注文と同じように決済注文に2種類の注文パターンを設定し相場の動きに合わせて自動選択します。
新規注文は予想したトレンド方向に新規注文の条件を一つ、決済注文は予想したトレンド方向に注文価格を一つ設定、予想が外れた場合のトレンド方向にもう一つ注文価格を設定します。
ポジションを保有し、2種類の決済注文価格のどちらか片方にレートが達すれば約定し、もう片方は自動的にキャンセルされます。
出典:外為どっとコム
メリット・デメリット
メリット
- 新規と決済を同時に予約注文ができる
- 新規は成行・指値・逆指値などをセットできる
- 決済は2種類の予約注文をセットし相場の動きに合わせ自動選択する
- 決済は利益確定・損切りを両方セットできる
デメリット
- 注文価格にレートが達しなければ実行されない
- ポジション保有後のトレンド予想が間違っていると含み損を抱える
- ポジション保有後のトレンド予想が逆行すると損切りをする
この記事で解説した注文方法の中では最も柔軟性のある注文方法です。
しかし、新規注文価格にレートが達しなければ、IFO注文自体が実行されません。
また、ポジション保有後のトレンド方向の予想が毎回間違っていれば損切りだけを繰り返す注文方法になってしまいます。
IFD・OCO・IFOの注文方法
次に、外為どっとコムの画面を例に、注文方法の手順を解説します。
IFD
まず、新規注文の基本条件として①通貨ペア、②Lot数を入力します。
次に、③詳細な新規注文条件として、売買方向を「売り or 買い」から選択、執行条件を「成行 or ストリーミング or 指値 or 逆指値」などから選択、指値・逆指値注文の場合はレート(注文価格)を一つ入力し期限を指定します。
期限は指定した価格にレートが達しなかった場合、注文取消をする期限です。
最後に、④決済注文の条件を入力します。
売買方向・期限は自動入力されるので、執行条件とレートを入力し終了です。
OCO
OCOを使った新規注文の手順を解説します。
(決済注文もほぼ同じです)
まず、基本条件として①通貨ペア、②Lot数を入力します。
次に、③一つ目の新規注文の条件として、売買方向を「売り or 買い」から選択、執行条件を「指値 or 逆指値」などから選択、レート(注文価格)を一つ入力し期限を指定します。
最後に、④二つ目の新規注文の条件として、売買方向を「売り or 買い」から選択、レート(注文価格)を一つ入力します。
執行条件と期限は自動入力されます。
IFO
まず、基本条件として①通貨ペア、②Lot数を入力します。
次に、③詳細な新規注文条件として、売買方向を「売り or 買い」から選択、執行条件を「成行 or ストリーミング or 指値 or 逆指値」などから選択、指値・逆指値注文の場合はレート(注文価格)を一つ入力し期限を指定します。
期限は指定した価格にレートが達しなかった場合、注文取消をする期限です。
④一つ目の決済注文・⑤二つ目の新規注文の条件は、売買方向・執行条件・期限は自動入力されるので、レートだけ入力します。
(⑤の執行条件は、トレール注文などに変更することも可能)
その他の複合注文・特殊注文
IFD注文、OCO注文、IFO注文以外にも、FX会社によってさまざまな複合注文や自動売買があるので見ていきましょう。
2WAY+OCO(SBI FXトレード)
一般的にIFO注文は、新規注文の執行条件を「成行、ストリーミング、指値・逆指値」などから選択できます。
しかし、SBI FXトレードでは、IFO注文が「2WAY+OCO注文」と「IFDOCO」の2つに別れており、ちょっとややこしいので注意しましょう。
SBI FXトレードでは、ストリーミング注文のことを2WAY注文と呼ぶため、実際の注文内容は次の通りとなります。
- 2WAY+OCO注文 = ストリーミング注文+OCO注文
- IFDOCO注文 = 指値・逆指値注文+OCO注文
2WAY+OCO注文(左)、IFDOCO注文(右)
クイック+OCO(外為オンライン)
外為オンラインでも、IFO注文が「クイック+OCO注文」と「IFDO注文」の2つに別れています。
外為オンラインでは、ストリーミング注文のことをクイックトレードと呼ぶため、実際の注文内容は次の通りとなります。
- クイック+OCO注文 = ストリーミング注文+決済OCO注文
- IFDO注文 = 指値・逆指値注文+OCO注文
クイック+OCO注文(左)、IFDO注文(右)
リピート系注文
「リピート系注文」は、今回解説したIFD注文またはIFO注文を使った注文方法です。
一定の値幅に注文をトラップのように仕掛けて、値動きに応じて注文と決済を自動で繰り返すレンジ相場に適した注文方法です。
通常のIFD注文などはワントレードで完結するのに対し、リピート系注文は最初の設定さえ行えば、あとは自動で取引を進めてくれます。
しかし、こちらもトレンド予想を間違うと、含み損を抱え損切りを繰り返すだけのシステムになってしまうので、いかに相場にマッチした設定を見つけるかがポイントです。
同じことを裁量トレードで行えばコストはスプレッド程度で済みますが、リピート系注文はスプレッドも広く手数料も高いです。
いくつもポジションを保有することになるので裁量トレードよりも資金が必要です。
また、感情を排除し完全にプライスだけで注文を判断するので、当然、市場参加者の心理を汲み取ることもできません。
ここのところを理解した上で、ケースバイケースで利用しなければ利益に繋げることは難しいでしょう。
代表的なリピート系注文には、次のようなものがあります。
サービス名 | スプレッド※ | 手数料※ | 取引コスト※ |
---|---|---|---|
アイネット証券「ループイフダン」 | 2.0銭 | 0円 | 200円 |
FXブロードネット「トラッキングトレード」 | 0.3銭 | 400円 | 430円 |
マネースクエア「トラリピ」 | 4.0銭 | 60円 | 460円 |
外為オンライン「iサイクル注文」 | 1.0銭 | 400円 | 500円 |
※スプレッドは米ドル/円、手数料・取引コストは10,000通貨あたり
システムトレードのストラテジーやEA
完全な自動売買であるシステムトレードも、IFD注文またはIFO注文を使った注文方法です。
リピート系注文と違うのは、テクニカルをシグナル(エントリーのタイミング)として使っているため、感情を排除した自動売買にもかかわらず、結果的に市場参加者の心理を汲み取りながら裁量トレードをする感覚に近いものがあります。
そのプログラムは、基本的にパッケージ化されているので注文の中身は分からず「ストラテジー」や「EA」と呼ばれます。
システムトレードの種類によっては「ストラテジー」「EA」をカスタマイズしたり、一から自分でプログラミングできたりするものもありますが、かなり難易度が高いので初心者の人にはオススメしません。
そのため、プログラムごとに公開されている過去の運用実績を参考に、いかに今の相場にマッチした優秀なプログラムを選択・入れ替えしていくかがポイントです。
また、いくつもポジションを保有することになるので裁量トレードよりも資金が必要です。
代表的なシステムトレードには、次のようなものがあります。
サービス名 | スプレッド※ | 手数料 | 取引コスト※ |
---|---|---|---|
インヴァスト証券「シストレ24」 | 4.0銭 | スプレッドに 含まれる | 200円 |
FXプライムbyGMO「ちょいトレFX」 | 1.0銭 | 430円 | |
セントラル短資「セントラルミラートレーダー」 | 2.5銭 | 460円 |
※スプレッドは米ドル/円、取引コストは10,000通貨あたり
ポイントは最後に注文方法を選ぶこと
注文方法は、あくまで利益を出すための手段に過ぎません。
極端な話、エントリーのタイミングが正しくて利益さえ出れば、成行注文だけでトレードを続けても良いのです。
しかし、特に初心者の人は広く浅い知識を身につけがちです。
なかなか利益が出ないと、今回の注文方法の発展型であるリピート系注文やシステムトレードにすぐに走ってしまう人もいます。
それよりも、今の裁量トレードの「トレードプラン」「エントリーのタイミング」「決済のルール」を見直すだけでも効果的です。
そして、この3つを明確にしてから、ようやくそれを実現するための注文方法を選ぶという順序が大切です。
「トレードプラン」は、「資金」「トレードする時間帯」「取引銘柄」などを考えて、期待する利益とトレードスタイルをハッキリさせます。
- 資金に見合った利益を狙う
- 取引できる時間帯からトレードスタイルを明確にする
- 以上の条件が実現できる価格変動率・流動性を持った取引銘柄を選ぶ
次に、利益を出すための「エントリーのタイミング」と「決済のルール」について整理しましょう。
主なエントリー・決済パターンは上記の図の通りですが、簡単に説明すると次のような感じです。
- 相場が上がるか下がるか?
- 買うか売るか?
- いくらでエントリーするか?
- いくらで決済するか?
また、あらかじめ価格を指定して注文するということは、その価格を選ぶ根拠が必要です。
価格の決め方は、以下のような方法が一般的です。
- 新規注文は、サポート・レジスタンスで決める
- 決済注文は、自分で決めた利益確定・損切りルールをもとに決める
新規注文の場合、その価格の根拠がテクニカルなのかローソクの挙動なのかは一概に言えませんが、市場参加者のマジョリティが何を根拠にして取引しているのかを意識することが大切です。
一般的に、テクニカル指標や描画ツールの水平線・トレンドラインを使い、サポートとレジスタンスを探すと良いでしょう。両方が交錯するポイントが見つかればさらに有望です。
決済注文は、含み損を抱えた時の強制ロスカット対策や、含み益を抱えた時の利益確定の機会喪失を防ぐことが大切です。
ポジションの損益が口座資金にどう影響するかを考えて、あらかじめ「利益確定・損切りルール」を自分で決めておき、そのルールに従って決めます。
そして最後に、「成行注文、ストリーミング注文、指値・逆指値注文、IFD注文、OCO注文、IFO注文」などから注文方法を選択するようにしましょう。
詳しくはコチラの記事も参考にしてみて下さい。
参考記事【FX】トレンドライン、サポート、レジスタンスの引き方など解説 参考記事FXで利確ポイントのタイミングや目安を決める7つの利益確定ルール 参考記事脱・損切り貧乏!損切りルールの適切な幅、目安、タイミングは?
OCO注文を使った勝てる手法とコツ
OCO注文、とりわけ、IF-OCO注文(IFO注文)は、『プロトレーダー養成ギブス』といえる存在です。
常にこの注文方法を使ってトレードしていれば、いつのまにかプロトレーダーになってしまう、という代物です。
なぜそういえるのか? 最後に、IF-OCO注文を使った「FX必勝法」をご紹介したいと思います。
OCO注文、それはFX必勝法へのカギ
昨年(2017)邦訳が出版された『完全無欠の賭け―科学がギャンブルを征服する』(原題:The Perfect Bet: How Science and Math Are Taking the Luck Out of Gambling)は、お読みになられましたか?
[amazonjs asin="4794223064" locale="JP" title="完全無欠の賭け―科学がギャンブルを征服する"]実は、競馬やポーカー、ルーレット、ロトくじには、必勝法があるのです。
これらのギャンブルすべてに共通する必勝法とは、「運を味方につけること」……ではありませんよ。
そうではなくて、「科学を味方につけること」です。
FXの世界もギャンブルとまったく同じです。
各種科学を味方につけることで、「多数回試行による数学的必勝法」への道が拓けるのです。
FXのOCO注文には、
- 新規エントリーのOCO注文
- 既存ポジションのOCO決済
- 新規エントリー&決済までのIF-OCO注文(IFO注文)
の3つがありますが、このうち最後のIF-OCO注文が、「FX必勝法」と深い関係があります。
バルサラの破産確率表
「バルサラの破産確率表」をご存知でしょうか?
多数のトレーディング理論の著作で知られる、インド出身ニューヨーク在住の金融コンサルタント、ナウザー・バルサラ(Linkedin: Nauzer Balsara)が考案した、「トレードによる破産確率」の一覧表です。
この表は、トレードを継続的に行った際、
- 1回にリスクにさらす資金比率(1回のベット金額/総資金)
- ストラテジーの勝率
- ストラテジーのリスクリワード比率
から、投資家が将来「破産する確率」を算出しています。
たとえば、
- は、総資金が100万円で、1回のベット金額が3万円なら、資金比率3%です。
- は、同一のストラテジーで100回トレードして60回勝てるなら、勝率60%(推定)です。
- は、損切りは逆行50pips、利確は順行75pipsで行うなら、リスクリワード比率1.5倍です。
①~③の組合せから、その投資家の破産確率が導かれます。
通常、横軸と縦軸の2次元の表で表示するので、その際は、①~③のいずれかを固定する必要があります。
そこで「①1回にリスクにさらす資金比率=2%」に固定すると、「②ストラテジーの勝率」と「③ストラテジーのリスクリワード比率」の組合せごとの破産確率は、上掲の表の通りになります。
例として用いた「①1回にリスクにさらす資金比率」の「2%」は、人間心理も考慮に入れた黄金律です。なので、FX初心者の方は「資金比率=2%」から始めるとよいでしょう。
その後は、「ご自身の性格」(リスク選好)と「バルサラの破産確率表」と相談して、少しずつ調整なさって下さい。
なぜIF-OCOなのか?
1つの注文で、エントリーからイグジットまでの取引が完結するからです。
それにより、行き当たりばったりのトレードや、感情にまかせたトレードは撲滅されます。
ですから、注文は「常にIF-OCOで行う」のが、FX必勝法の出発点です。
後先を考えない思いつきのトレードにより、破産=退場してしまう可能性が高くなってしまいます。
IF-OCO注文を厳守することで、FXで最も大切な「リスク管理」が可能になるのです。
つまり、IF-OCO注文とは、『プロトレーダー養成ギブス』に他ならないのです。
IF-OCO注文の手順
① 1回にリスクにさらす資金比率(1回のベット金額/総資金)の決定
これは、初心者も上級者も、2%が基本です。
直感的説明だと、「50連敗するとゼロになる」数字です。
なんとしても、破産=退場だけは避けなければなりません。
② ストラテジーの勝率の算定
あなたのストラテジー(トレード手法)の勝率を計算して下さい。
勝率の計算を慎重に行うならば、少なくとも1年程度は、デモ口座で検証を行うか、リアル口座であれば最小単位(0.1枚)でトレードを行って下さい。
とはいえ、現実にはそんなに待てませんから、仮に100万円貯金があるなら、10分の1の10万円をFX口座に入金して、10万円を想定元本にして、「だいたいの勝率」を元に、見切り発車するとよいです。
「真の勝率」は、少なめの枚数で、実戦(リアルトレード)の中で、修正していって下さい。
③ ストラテジーのリスクリワード比率の算定
リスクリワード率は、ストラテジーの勝率と同時決定です。
「バルサラの破産確率表」により、
- 勝率が60%なら、「1以上」
- 勝率が50%なら、「1.5以上」
…でないと、破産する可能性が生じることがわかります。
「破産しないストラテジー」が見つかるまでは、高額トレードは絶対にしてはいけません。
すっからかんになってしまうのがオチです。
④ エントリーポイントとストップポイントの決定
あなたのストラテジーに基づき、エントリーポイントとストップポイントを決定して下さい。
たとえば、ドル円なら、
- エントリー:109.50
- ストップ :109.00
といった感じです。
④ エントリー枚数の決定
「エントリー枚数は常に一定にすべし」という論者もいますが、これは間違いです。
「バルサラの破産確率表」を誤解しています。
一定にする必要があるのは、エントリー枚数ではなく、「1回にリスクにさらす資金額」です。
想定元本10万円(※貯金総額の100万円ではありません!)で、資金比率2%なら、「1回にリスクにさらす資金額」は、2,000円となります。
毎回、ストップがついた際の損失額が2,000円になるようにして下さい。
それより多いとダメなのはもちろん、少なくてもダメです。
「1回にリスクにさらす資金額」を常に一定にすることが、「多数回試行による数学的必勝法」へのカギなのです。
具体的な計算としては、IF-OCO注文の「エントリーポイント引くストップポイント」のpips数で、2,000円を割ってください。
- エントリー:109.50
- ストップ :109.00
なら、
2,000÷(109.50-109.00)=4,000通貨単位、つまり、0.4枚が適切なエントリー枚数となります。
⑤ ターゲットの算定
算定済みのリスクリワード比率から、すぐに求まります。
リスクリワード比率=1.5なら、
- エントリー:109.50
- ストップ :109.00
(109.50-109.00)×1.5=75pips
109.50+75pips=110.25がターゲットとなります。
⑥ PDCAサイクル
1ヵ月間トレードを継続して、勝率を計算します。
算定した勝率が、想定以上か、若干下回る程度なら、次月以降も同じストラテジーを継続して下さい。
逆に、想定を大幅に下回るようなら、ストラテジーをストップして下さい。
デモトレード(または少額トレード)からのやり直しです。
まとめ
「FX必勝法」とは、他のギャンブルの必勝法と同じく、
- 感情的にならない(損失を一気に取り返そうとしたりしない)
- PDCAサイクルを回す
- 多数回試行で統計学的に勝利する(小さな負けにこだわらずトータルで勝つ)
となります。
そのために、IF-OCO注文を最大限にご活用ください。