2016年1月1日以降に、国内のFX口座を開設する場合は、同時にマイナンバーをFX業者に提出することとなりました。
(それ以前に口座開設した方は、2018年末までにマイナンバーを通知する必要があります。)
まず結論から言うと、FX会社へのマイナンバー提出は必ず行う必要があります。
FX会社によってマイナンバー提出のタイミングが、申込時か口座開設後かの違いはありますが、どちらにしてもマイナンバーの提出なしで取引を開始することはできません。
マイナンバーが導入されて、職場に提出したきりの人の中には、FX会社へのマイナンバー提出に抵抗がある人もいるのではないでしょうか?
「何のために通知する必要があるのか?」
「悪用されたりしないか?」
「FXをしていることが各方面にバレてしまうのではないか?」
いろいろな疑問をお持ちの方も多いはず。
しかし、マイナンバーをFX業者に伝えることにデメリットはありません。
むしろ、このような法整備が進められることによって、より公正に取引ができる環境が整いつつある証拠なのです。
では、マイナンバーを提出する理由と、それにどのような効果があるのかを詳しく解説していきたいと思います。
目次
海外業者だとマイナンバーはいらないがオススメしない
国内FX業者の口座開設にはマイナンバーが必要となりましたが、海外FX業者では必要ありません。
海外FX業者のメリットは「国内のレバレッジ規制25倍より高いレバレッジで取引できる」「口座資金がマイナスになっても追証が発生しない」「日本ではまだ少ないMT4の取扱をしている業者が多い」などの理由から、一定層のトレーダーには支持があります。
しかし、一部の海外FX業者では以下のようなトラブルが多発していることも事実です。
- 突然、日本在住の人を限定して取引停止が言い渡される
- 突然、口座が凍結される
- 利益分を取引利益から消され、損失取引だけ有効にされる
- 出金拒否される
これらは当然、日本の法律では守ってもらえません。
金融庁はブラックリストを作成・公表しており、海外FX業者に向けて警告も出しています。
参考リンク:金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」
しかし、海外FX業者にとって日本は魅力的な市場のため、このようなトラブルは後を絶ちません。
なぜマイナンバーの提出が必要?
FX業者になぜマイナンバーの提出が必要かというと、FXで得た利益の納税を正確に行うためです。
マイナンバーは日本の「社会保障」「税」「災害対策」の分野で効率的に情報を管理するための制度で、FXの場合はこの内の「税」に関わってきます。
FXを取り扱うすべての金融商品取引業者は、利用者の取引損益等を記載した「支払調書」を、損益の確定した日が属する年の翌年1月末までに、所轄の税務署等に提出することが義務付けられています。
その支払調書には、利用者のマイナンバーも一緒に記入して提出することが求められているため、口座開設時にはFX業者にマイナンバーの提出が必要なのです。
また、FXで年間を通して一定以上の利益が出た場合には確定申告が必要ですが、その際にも確定申告書へマイナンバーを記入する必要があります。
マイナンバーをFX会社に教えてもデメリットはない
FX業者はマイナンバーを支払調書に記載するだけであり、その他の目的で利用することはないため、利用者にデメリットは全くありません。
マイナンバーはあくまで「個人を特定するラベル」なので、それを活用できるシステムを所有していなければ、企業・団体・一般人が他人のマイナンバーを入手したとしても何もできないのです。
マイナンバーを管理するシステムを所有しているのは、国の行政機関や地方公共団体のみだからです。
マイナンバーでFXの副業収入がバレることはない
マイナンバーの提出だけでは、周囲にFXをしていることはバレません。
バレる可能性があるのはマイナンバー導入前と変わらず、確定申告の際の「住民税納付方法を特別徴収にした場合」だけです。
特別徴収にすると、「その年のFXの利益分にかかる住民税」が「給与所得分の住民税」に上乗せされて、翌年の給与から毎月天引きされてしまうからです。
「翌年の給与から」なのですぐにバレるわけではありませんが、もし給与所得に見合わない住民税の額であれば、昨年に何かしらの副収入があったことが勤務先の経理には分かってしまいます。
ポイントは、確定申告の際に「住民税納付方法は普通徴収にすること」です。普通徴収であれば給与から天引きされず、翌年の6月頃に納付書が自宅に届きます。
詳しくは次の記事をご覧ください。
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口座開設後マイナンバーの提出はいつまでか
マイナンバーはFX業者によって、「申込時」に提出しなければ口座開設できない業者もあれば、「口座開設後」に提出すれば良い業者もあります。
どちらにしても取引をする前までに提出する必要があり、それをFX業者が承認するまでは取引ができません。
代表的なFX業者の、「マイナンバーの提出時期」「マイナンバーのシステム登録の必要性」「確認書類の種類」「確認書類の提出方法」は以下の通りです。
FX業者 | 提出時期 | 確認書類の種類 | 確認書類の 提出方法 |
---|---|---|---|
GMO クリック証券 | 申込時 | 通知カード 個人番号カード 住民票写し | アップロード メール 郵送 ICカードリーダー |
DMM.com証券 | 申込時 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード メール FAX 郵送 |
SBI FXトレード | 申込時 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード メール 郵送 |
ヒロセ通商 | 申込時 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード メール FAX 郵送 |
JFX | 申込時 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード メール FAX 郵送 |
FXプライム byGMO | 申込時 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード メール FAX 郵送 |
YJFX! | 申込時 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード |
セントラル 短資FX | 開設後 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 | アップロード |
外為どっとコム | 開設後 | 通知カード 個人番号カード マイナンバー付き住民票 住民票記載事項証明書 | 後日郵送 |
アップロードの場合は、「マイナンバーの提出と確認書類の提出」が申込手続きに含まれているので問題ないのですが、提出方法がアップロード以外の場合は、メール・FAXを処理する時間、郵送にかかる時間等を考慮しなければいけません。
「外為どっとコム」の場合、口座開設完了通知が届き、トレードツールでマイナンバーを登録すれば取引が可能となります。その後、自宅に届く返信用封筒で必要書類を郵送で提出します。
この記事のまとめ
FXとマイナンバーの関係についてまとめます。
- マイナンバーを提出することは正確な納税をするための義務
- マイナンバーを提出しても悪用はされない
- マイナンバーを提出するだけではFXは周囲にバレない
- マイナンバーを提出しなければ取引ができない
このように、FX業者にマイナンバーを提出してもデメリットはなく、むしろ取引を始める上で絶対に必要な手続きなのです。
ただし、マイナンバーの提出が必要のない海外FX業者、国内FX業者であっても金融庁へ無登録のFX業者には気をつけてください!
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