この記事でわかること
- FX口座と銀行口座・証券口座の違い
FXを始めるには、FX会社で口座開設をする必要があります。
しかし、全くの初心者だと「FX口座」と「銀行口座」や「証券口座」の違いがわからず、戸惑ってしまう人もいらっしゃるのでは?
FXの口座開設はマイナンバーや本人確認書類を提出する必要もありますし、そのあたりの疑問はしっかり解決してから、納得した上で口座開設を進めたいですよね。
そこでこの記事ではFXに関する初歩の初歩
「FX口座と銀行口座・証券口座は何が違うのか」
について、FX歴10年の私が、初心者向けにわかりやすく解説していきます。
FX口座とは?
FX口座とは、銀行の普通預金口座と同じように、大切な財産を預ける口座としては同じですが、FX(外国為替証拠金取引)を行うための資産運用専用口座です。
そのため、本人名義の銀行口座や証券口座以外などからは入金や送金はできません。
支払いのための自動引落口座としても指定はできません。
FXには、投資した資産を失うリスクもあります。
生活に使うお金とは別に、「FXに使う資産」だけを別口座で管理することで、自分の大切な資産を守る役割も果たすのがFX口座の特徴です。
口座開設できる人は?
FX口座は、基本的に一般人であれば誰でも開設することが可能ですが、いくつか注意事項があるのでご紹介します。
一般的な条件は以下の通りです。
- 年齢が20歳以上~◯◯歳以下
- ◯◯円以上の金融資産を持っている人
- 証券会社の従業員以外の人
- 反社会的勢力ではない人
- 外国の重要な公的地位を本人または家族が有していない人
- 米国籍保有者・外国に住んでいる人
- インターネット利用環境のある人
- 利用規約とFXに関するリスクに同意できる人
◯◯の部分はFX業者によって異なります。「GMOクリック証券」の場合は、年齢は80歳まで、金融資産は100万円以上が口座開設審査の基準です。
また、「SBI FXトレード」は親権者の同意書を取り付ければ18歳以上でも口座開設可能な、数少ないFX業者です。
その他の口座開設条件は、どこのFX業者もだいたい同じです。
そしてFXはインターネット取引のため、インターネット環境は絶対に必要です!
スマホでも取引できますが、機能が限定されているので本格的に取引する場合はやはりパソコンがオススメです。
スマホでFXするならこれ!初心者おすすめアプリ比較ランキング
FX口座を開設できない人
そもそもFX口座を開設することができない人は、「証券会社の従業員」です。
また、「反社会的勢力」いわゆる「ヤクザ」の方もNG。これはFX業者に限らずどこの企業も同じです。
「外国の重要な公的地位を本人または家族が有していない人」は、外国の政府関係者や、日本の大臣職、最高裁判所裁判官、中央銀行役員などです。
つまり、一般人であれば問題ありません。
FX口座開設に必要なものは?
FXに必要なものは以下の3つだけです。
本人確認書類 | 運転免許証、住民基本台帳、個人番号カード等 |
---|---|
マイナンバーの分かるもの | 個人番号カード、マイナンバー通知書、住民票の写し等 |
インターネット環境 | パソコン・スマホ・高速インターネット回線等 |
初期投資がかからず、今あるものだけで取引できてしまうのがFXの強みですね!
インターネット環境には注意が必要です。
FXは通信速度も取引の損益に大きく影響するので、自宅の場合は光回線がベストですし、スマホの場合は、通信状態の良い場所で取引しましょう。
また、パソコンのOSにも注意!
FX業者によっては快適に取引できる高機能トレードツールがMac非対応のところもあります。
Mac対応FX会社の無料チャートソフト・取引ツール比較!おすすめ業者はここ!
口座開設の手順
FXの口座開設の手順は以下の通りです。
- 希望するFX業者HPの口座開設フォームで必要事項を入力
- 本人確認書類・マイナンバーの提出
- 審査
- 郵送で口座開設手続完了案内が届く
- 必要に応じて、トレードツールダウンロード
- 手続完了案内に記載のユーザーID・パスワードを使ってマイページにログイン
- 銀行口座からFX口座に資金を入金する
- 取引開始!
本人確認書類とマイナンバーについては、WEBからアップロード、メール添付・郵送で提出できます。
提出した書類に問題がなければ、だいたい1週間以内には口座開設できてしまいます。
手続完了の案内は、簡易書留郵便(転送不可)で送付されるのご注意ください。
また、以下の記事では「FXとは?」という超初心者向けにFXの始め方を解説しているので、こちらもぜひご参考になさってください。
-
FXのやり方・始め方・始めるのに必要なものを初心者向けにわかりやすく解説
FXを始めるにあたって必要なものは次の4つだけです。 FXに必要なもの スマートフォンかパソコン FX口座 本人確認書類とマイナンバー(口座開設に必要) 取引資金(最低1万円程度…
続きを見る
FX口座と銀行口座の違い
FX口座と銀行口座の違いを表にまとめました。主な違いは以下の通りです。
FX口座 | 銀行口座 | |
---|---|---|
目的 | 投資(FXのみ) | 預金・支払・送金 |
金利 | 通貨ペアによる(スワップ) | 低金利(取引不要) |
入出金の取扱時間 | FX業者により異なる | ATM・窓口の取扱時間による |
初回入金額 | なし(一部FX業者はあり) | ネットは0円、窓口は1円以上 |
口座開設費 または維持手数料 | なし(一部FX業者はあり) | なし |
資産の保護 | 全額信託保全 | 預金保険制度により一部保護 |
納税方法 | 申告分離課税 | 源泉分離課税 |
大きな違いは、そもそもの「目的」「金利」「資産の保護制度」の3つです。
目的が違う
銀行口座は、預金の他に口座振替による各種サービス利用料の支払いや、給与振込・第三者からの送金に利用できるのに対して、FX口座はFX取引だけが利用目的です。
FXを扱う証券会社によっては、同一証券会社の同一名義の証券口座(株や投資信託など)に資金振替が自由にできたりもしますが、基本的に目的が全く違うのです。
利息・金利が違う
銀行口座は、超低金利ではありますが、入金さえしておけば勝手に利息がつきます。
しかし、FX口座の場合は入金しただけでは資産は一向に増えず、必ず取引をする必要があります。ここが大きな違いです。
銀行で言うところの利息は、FXでは2国間の金利差(スワップポイント)に値します。
入出金の取扱時間が違う
銀行口座と同じように、FX口座でも入出金できる時間に制限があります。
口座資金に余裕がないと、「取引チャンスに資金がない!」「資金を追加しないとロスカットされる!」ということもあるので注意してください。
一部の銀行からの入金依頼であれば24時間入金可能な「クイック入金」に対応しているFX業者が便利です。
出金は、翌営業日または翌々営業日にならないと出金できない場合が多いですね。
初回入金額が違う
銀行口座を開設した場合、初回入金額は窓口であれば1円以上、WEBであれば0円です。
FX口座は、ほとんど0円ですが、一部FX業者は5,000円以上など指定しているところもあります。
口座開設/維持手数料
ほとんどのFX業者では口座開設手数料はかかりません。
しかし、口座維持手数料に関しては、一部のマイナーなFX業者は長期間取引がない場合、5,000円ほど徴収するところもあるので注意!無料の銀行口座とは違います。
資産保護の仕組みが違う
国内FX業者に預けた資産は、全額が提携の信託銀行に保全され、FX会社の資産と明確に分別管理されます。
そのため、万が一FX業者が破綻したとしても全額戻ってきます。
この仕組みを信託保全と言います。(海外FX業者は対象外)
銀行が破綻した場合は、普通預金・決済専用預金・定期預金であれば最低1,000万円と利息分しか保護されません。
1,000万円を超える金額は銀行の財産状況で変わります。
納税方法が違う
銀行預金の利息は「利子所得」といい、税金は銀行側が差し引いて納税してくれる源泉分離課税です。
しかし、FXの利益は「雑所得」といい、利益が20万円を超えた場合は自分で確定申告をして納税しなければならない申告分離課税です。
【2018】FXの税金まとめ!確定申告いくらから、経費、税率など
FX口座と証券口座(株、投資信託など)の違い
さらに、FX口座と証券口座の違いも表にまとめました。主な違いは以下の通りです。
FX口座 | 証券口座 | |
---|---|---|
目的 | 投資(FXのみ) | 投資全般(株、投資信託、債権など有価証券) |
金利 | 通貨ペアによる(取引要) | 銀行以上(取引不要) |
初回入金額 | なし(一部FX業者はあり) | なし(一部証券会社はあり) |
口座開設費 または維持手数料 | なし(一部FX業者はあり) | なし(一部証券会社はあり) |
資産の保護 | 全額信託保全 | 分別管理+日本投資者保護基金により一部保護 |
納税方法 | 申告分離課税 | 配当金:源泉分離課税 譲渡所得:口座の種類により選べる |
目的が違う
「証券口座」は、株、投資信託、債権やその他有価証券を取り扱っているのに対し、「FX口座」は個別で開設可能なFX専用口座です。
FXと同様に、個別の専用口座を開設する必要がある金融商品には、信用取引・CFD・先物/オプション・外国債券がありますが、こちらは証券口座の開設が前提です。
また、「証券口座」は「証券総合口座」とも呼ばれ、銀行の「総合口座」のような機能も持ち合わせています。
銀行口座の場合、決済目的の普通預金と、運用目的の定期預金をセットで「総合口座」と呼び、入出金と資産運用の機能を一つの口座で実現しています。
証券総合口座の場合、決済機能を持つMRF(マネー・リザーブ・ファンド:一円から買付け、即日換金が可能な投資信託の一種)と
運用目的の株式・債券・投資信託をセットで「証券総合口座」と呼び、入出金と資産運用の機能を一つの口座で実現しています。
FXの場合は、もともと入出金・資産運用の機能が備えられています。
利息・金利が違う
FX口座の場合は、取引をしなければスワップポイントは付与されませんでしたが
証券口座は入金しておけば自動的にMRFで運用されているため、銀行より利回りの良い利息(正式には分配金)がつきます。
資金は勝手にMRFで運用されることにはなりますが、いつでも入出金可能で、極めて安全な債券を中心に運用されている投資信託なので、これまで元本割れをしたことはありません。
初回入金額・口座開設/維持手数料
初回入金額・口座開設/維持手数料は、どちらも証券会社やFX業者によって異なります。
資産保護の仕組みが違う
基本的に預入資産は、FX口座・証券口座ともに分別管理されているため全額保護されています。
しかし、FX会社・証券会社が破綻した場合
「返還まで時間を要する」
など不測の事態も考えられます。
証券口座は、そのような万が一の時に備え、日本投資者保護基金に加入が義務付けられており、1,000万円までは保護基金が補償してくれます。
納税方法が違う
FXの納税方法は、申告分離課税のため自分で確定申告が必要です。
しかし、株取引の場合は口座の種類によって納税方法が異なります。
配当金は、証券会社が納税してくれる源泉分離課税です。
しかし売却益は口座の種類によって変わります。
一般口座は、自分で年間取引報告書というものを作成し、確定申告をします。
特定口座(源泉徴収なし)は、年間取引報告書は証券会社が作成してくれて、それをもとに自分で確定申告します。
特定口座(源泉徴収あり)の場合は、証券会社が全ての手続きを行い納税してくれます。
FXは特定口座ある?株の源泉徴収ありみたいに確定申告不要の制度は?
FX口座と銀行口座・証券口座の違いまとめ
以上、「FX口座」と「銀行口座」「証券口座」の違いを見てきました。
この3つの違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
なんとなく、違いが理解できたでしょうか?
違いがわかったところで、「FXの口座を開設してみたい」というあなたのために
以下の記事で初心者向けのおすすめFX会社ランキングを紹介しています。
ぜひこちらを参考に、あなたに合ったFX会社を選んでみてくださいね。
-
FX口座おすすめランキング!初心者向け業者比較【プロトレーダー監修】
FXで勝ちたい初心者必見!プロトレーダーが選んだ本当にオススメのFX会社をランキングで紹介!スプレッド、約定力、取引ツール、スワップポイントなどを基準に、人気FX会社20社を…