FXのアノマリー|月・曜日ごとの為替の傾向!ジブリの法則やヘッジファンド45日ルールとは

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アノマリーとは、根拠はないもののよく当たるとされる相場の経験則のことを言います。

理由はよくわからないけど、ある条件のもとでは相場が上昇する、または下降するなど、一定以上の確率を持って起こる動きのことです。

根拠はないものの、注目しているトレーダーも多いものですので順に見ていきましょう。

季節的要因

1月 1月効果

「1月効果」とは1月の動きがその年1年のトレンドになりやすいというものです。

まるで「一年の計は元旦にあり」みたいですね。

1月の相場でドル円が上昇した場合はその年1年間は上昇傾向にあり、1月にドル円が下落した場合はその年1年間はドル円は下降傾向にあるというものです。

そのほか、株価は1年のなかで最も1月が上昇しやすいというアノマリーがあります。新年になって新規資金が株式市場に流入しやすいというのがその理由です。

2月 アメリカ国債償還・ヘッジファンドの45日ルール

2月は1月の流れを受けた相場になりやすいと言われているほか、2月中旬はアメリカ国債の償還、利払いが集中する月です。

償還されたドルを円に替える動きがあるためドル安傾向にあります。

また、2月はヘッジファンドの「45日ルール」が適用する月でもあります。

ヘッジファンドファンドではファンド決済の45日前に利益確定のポジション決済をする動きをする傾向にあります。

ファンドの決算は3月、6月、9月、12月の月末なので2月中旬が45日前に相当し、ポジション解消の動きが起こることがあります。

相場では上昇トレンドが一旦調整となる可能性があるので注意が必要です。

3月 日本企業の年度末のリパトリ

日本は新年度が4月~、年度末が3月になりますので、3月決算の企業が多くあります。

年度決算のため、保有している外貨ポジションを円に買い戻す「リパトリエーション」通称リパトリが起こりやすい月です。

リパトリは円高要因となりますので為替が円高傾向になることがあります。

4月 日本の新年度開始とゴールデンウィーク

4月は日本の新年度が始まる月。日本企業だけではなく、官公庁も4月の新年度を基準としています。

新年度に伴い、日本企業の新たな外貨買いが始まることで円安(外貨高)が起こりやすい傾向にあります。

4月末から5月初旬にかけては日本では大型連休(ゴールデンウィーク)があり、日本の個人の海外旅行のための両替により円安(外貨高)傾向にあるのではないかともいわれています。

5月 セルインメイ

5月のセルインメイは世界的にも有名な相場格言ですので、特に押さえておきたいところです。

“Sell in May,and go away;don’t come back until St Leger day”

「5月に売り、市場から立ち去れ。セント・レジャー・デー(9月第2土曜日)まで戻ってくるな」

これは5月には株を売って9月は戻ってくるな、という意味の相場格言ですが、このため5月はドル円は下落傾向が強いとされています。

為替のみならず、株式市場も株安傾向になりやすいと言われています。

また、5月は2月と同じく6月末のヘッジファンドの45日ルールに当たりますのでこれも下降圧力の要因となっています。

こちらは2018年のドル円チャートです。5月下旬から月末にかけてドル安の動きが起こっています。

セルインメイは9月まで戻ってくるなということです。9月の値動きを見ていると9月の1ヵ月間はドル高方向へ上昇の動きがあることが分かります。

6月 日本企業の第1四半期決算のリパトリ

6月は日本企業の第1四半期のリパトリが起こる月です。

年末や3月ほどではないにしろ、知っておいて損はないでしょう。

6月というのは日本企業にとっては株式配当金の月であったり、ボーナス支給の月でもありますので重要なお金の動く月です。

7月 サマーラリー

アメリカでは7月から株が上昇すると言われています。これを「サマーラリー」といいます。

ドル円に関しても上昇しやすいと言われています。

上のチャートは2018年のS&P500です。

S&Pは7月初旬から勢いをつけて大幅上昇、サマーラリー相場が始まったことが分かる値動きです。

このチャートは2018年のドル円です。

ドル円も7月第1週からドル高傾向になり、株価同様サマーラリー相場に突入していることが分かります。

8月 夏枯れ相場・お盆前の為替予約

日本ではお盆の夏季休暇の商いが薄くなることを「夏枯れ相場」と呼んでいます。

株価の伸びは鈍り、薄商いで株・為替ともに上昇期待が薄くなります。

実需筋がお盆休み中の為替変動リスクを避けるためにドル売りの為替予約を入れやすいと言われています。

また、8月はヘッジファンドの45日ルールに当たります。

9月 日本企業のリパトリ

9月末は日本企業の中間決算によるリパトリが起こりやすいと言われています。

10月 10月効果

10月効果はアメリカのアノマリーで10月にアメリカの株価が安値を付けやすいというアノマリーです。

10月は投資の世界では「最も不吉な月」として警戒されています。その理由は、なぜか10月に市場を揺るがす事件・ニュースが起こるからです。

これまでマーケットを震撼させてきた10月の出来事をご紹介します。

日付 ニュース
1929年10月24日 世界大恐慌(暗黒の木曜日)
1973年10月6日 第四次中東戦争→第一次石油ショック
1987年10月19日 ブラックマンデー
1998年10月 ロシア財政危機(8月~)LTCM破綻(9月~)
2008年10月7日 アイスランド危機(非常事態宣言)
2008年10月24日 リーマンショック後の最後のc波クラッシュ
2014年10月29日 FRB 量的金融緩和第三弾(QE3)終了
2014年10月31日 黒田バズーカ第2砲

このような歴史的な経済事件が10月に集中していることから10月は相場が荒れると言われています。

こちらは2008年のNYダウの日足チャートです。

2008年はリーマンショックにより世界的に株、為替ともに大暴落した年ですが、10月には2つの大きな出来事が発生しています。

1つはサブプライムローンの金融商品に投資をしていたアイスランド金融業界がサブプライムショックの余波をもろに受けた形で不良債権が膨大化し、2008年10月7日に非常事態宣言、IMFに支援を要請しました。

その後市場の混乱が収まらないまま、10月24日にリーマンショック後の下落相場の最終的な下降をします。奇しくも10月24日は世界大恐慌の「暗黒の木曜日」の日でもあります。

同じ日であったことは偶然ではあるにせよ、市場参加者が「10月24日」という日付を意識していたことは間違いないでしょう。

11月 アメリカ国債償還・ヘッジファンドの45日ルール

11月は2月と同様にアメリカ国債の償還、利払いが集中する月ですので、ドル安傾向にあり、ヘッジファンドの45日ルールに当たりますので利益確定のポジション決済により、トレンドが一旦調整となる可能性があります。

12月 欧米企業の決算リパトリ

欧米ではクリスマス休暇が大きな休暇ですので商いが薄くなりやすくなります。

決算に向けて12月はリパトリが起こりやすく、ドル買い需要がありますのでドル円は上昇要因となります。

ゴトー日

ゴトー日とは5と0がつく日のことで多くの日本企業が支払いの締め日をゴトー日に設定していることから特にお金が動きやすい日です。

金融機関の外国為替レートは都度レートを確認して顧客対応をしていたら大変なので9:55にその日1日のレートを決定します。

ゴトー日には日本企業が円をドルに換えて外国企業に支払いを行うことが多くなるので東京市場開始から9:55の仲値決定時間までドル円は円安ドル高傾向になります。

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曜日効果

株や為替は年間を通しての季節的な動きに一定の傾向がありますが、曜日にも市場の動きのクセがあります。

月曜日は動きが鈍い

月曜日はドル買いが起こりやすいと言われていますが、一般的には相場の動きが鈍くなると言われています。

東京市場までは参加者が少ないという事もありますし、週初めで値動きを様子見をするトレーダーも多いのです。

欧米の投機筋は月曜日はトレードの方向性など作戦を練って火曜日から本格的に参加してくることもあり、月曜日は動きがやや弱くなります。

チャートでは月曜日が3回現れていますが、どうでしょうか?

これといって目立ってボラティリティが低くなっているというわけではありませんが、確かに大きな動きは月曜日には現れていませんね。

水曜日スワップ

FXでは買いポジションには毎日スワップが付きますが、為替市場が休みの土日の分は日本時間木曜日の早朝6~7時にまとめて付きます。

そのため、水曜日の夜間から木曜日の早朝にかけて円売り・外貨買い(特に高金利通貨)が起こる傾向にあると言われています。

週末相場の金曜日

週末相場とは休日の前日となる金曜日に相場の値動きが鈍くなったり、ポジション調整の動きが見られることを言います。

トレーダーたちは休日を控えて積極的な取引を控えたり、利益確定させてポジションを決済しようとします。

大きなポジションを持っているトレーダーは土日に大きなニュースが入って為替が急変するリスクを避けるためにポジションを薄くしておくこともあるでしょう。

このような動きにより、金曜日はその週の木曜日までのトレンドと逆に動いたり、商いが薄くなったりします。これまでの動きとは違う動きが見られるため「金曜日は難しい」とするトレーダーもいます。

 

その他のアノマリー

ジブリの法則(ジブリの呪い)

ジブリの法則とはスタジオジブリの作品が金曜ロードショーで放映された日は高確率でNY株式市場や為替が大荒れとなり、週明けの日経平均株価が急落するというジンクスです。

実際に2010年1月から2013年7月までにジブリ映画が24回放映されたうち、3分の2が放映翌営業日には円高が起こり、半分の確率で株安になっていることから「ジブリもの」が放映される日は市場が荒れるというジンクスが投資家の間でまことしやかに噂されています。

ジブリの法則はジブリ映画が金曜日の夜に放映されているということがポイントで、同時間はNY市場で重要指標の雇用統計が発表される時刻でもあります。

雇用統計発表で稼ぐトレード手法!FXの祭りを攻略する必勝法とは

単純にジブリのせいではなく、重要指標と重なる週末のNY市場であるから相場が荒れる、ともいえますが、多くのトレーダーが注目しているアノマリーでもあります。

では2018年の金曜ロードショーでジブリが放映された日のドル円を見ていきたいと思います。

ジブリの2018年夏までの放映は以下でした。(放映時間は21:00~)

日付 映画
2018年4月13日 火垂るの墓
2018年5月18日 かぐや姫の物語
2018年8月10日 ハウルの動く城
2018年8月17日 となりのトトロ
2018年8月24日 猫の恩返し

ちなみにこの期間の米雇用統計発表日は

2018年4月6日

2018年5月4日

2018年8月3日

といずれもジブリ映画放映日とは被りませんでした。

2018年4月13日「火垂るの墓」

2018年4月13日「火垂るの墓」

2018年5月18日「かぐや姫の物語」

2018年5月18日「かぐや姫の物語」

2018年8月10日「ハウルの動く城」 2018年8月17日「となりのトトロ」 2018年8月24日「猫の恩返し」

2018年8月10日「ハウルの動く城」 2018年8月17日「となりのトトロ」 2018年8月24日「猫の恩返し」

確かに円高傾向になることが多いように感じますが、どのように感じましたでしょうか?

 

水星逆行

私たち地球で生活する生物は太陽や月の満ち欠けなど、他の星の影響を少なからず受けています。例えば、満月の日にしか産卵しないサンゴのような生物がいますよね。

同じように人間も他の星の影響を知らず知らずのうちに受けて生活しています。

特に市場関係では「水星の逆行現象」が投資家の行動に影響していると言われています。

実際に水星が逆に動くわけではありません。電車に乗っていて速度の遅い電車を追い越すときなどに遅い方の電車が反対方向に走っているように感じることがありますが、水星逆行はそれと同じように水星が逆方向に動いているように見える現象です。

逆行現象は水星だけでなく、太陽と月以外の惑星(水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星)は逆行します。

太陽系の惑星がすべて逆行するのになぜ水星の逆行が注目されるのかといいますと、占星術でいう水星の担当している「分野」というものが私たちの生活に影響を与えるとされているからです。

水星の担当分野はコミュニケーション、情報、ビジネス、商売、移動などです。

占星術的に言えば、水星逆行期間は過去に焦点が当たってしまい、物事が前に進まないとか、ものごとが逆向きになってしまいます。気持ちが落ち着かなくなり、ミスをしたり、気持ちがはやってしまって誤った判断をしがちになります。

例えば、メールの返信が来なくてコミュニケーションが上手く行かない、やり直しを迫られる、電車が遅延するなどです。このような悪いこと以外にも再会や再開、失くしたものが戻ってくるなどということも起こると言われています。

FXに話を戻しますと、水星逆行期間中は人は心がざわついたり、ミスをしやすくなりますので焦ってトレードを失敗したり、誤発注が起こりやすいとも言われています。

そのためか、水星逆行中はサポートライン、レジスタンスラインをあっさりと突破するような動きが出たりするようです。

水星の公転期間は88日ということから逆行は年3回ほど起こります。気になる場合は注意しておくと良いでしょう。

水星逆行スケジュール
2018年 3月23日 8:17 ~ 4月15日 17:42
7月26日 14:49 ~ 8月19日 15:05
11月17日 14:50 ~ 12月7日 3:25
2019年 3月6日 3:01 ~ 3月28日 21:35
7月8日 8:32 ~ 8月1日 13:45
11月1日 4:54 ~ 11月21日 2:21
2020年 2月17日 9:05 ~ 3月10日 10:59
6月18日 12:56 ~ 7月12日 18:15
10月14日 11:39 ~ 11月4日 0:46
2021年 1月31日 0:53 ~ 2月21日 9:53
5月30日 7:35 ~ 6月23日 7:01
9月27日 14:11 ~ 10月19日 0:18
2022年 5月10日 20:49 ~ 6月3日 17:01
9月10日 12:39 ~ 10月2日 18:09
12月29日 18:33 ~ 2023年1月18日 22:13

 

窓開けと窓閉め

土日が休みの外国為替市場では週の初めのニュージーランド・ウェリントン市場が開始されたときに値が飛んで開始されることがあります。

これを「窓」と呼びます。

土日に大きなニュースがあると月曜日に窓が開いてスタートしやすくなりますが、この月曜日に開いた窓は埋まる傾向にあります。

これが「窓開けと窓埋め」というアノマリーです。

窓が開いたら窓は埋まるというので、トレード手法として窓が開いた方向とは逆にポジションを持てばよいということになりますが、注意点があります。

それは窓が「いつ」埋まるのかは言われていないからです。

数時間のうちに値が戻ってきて窓を埋めるパターンもありますが、どんどん一方向にトレンドが形成され、数日後に窓が埋められることもあるかもしれません。この点は非常に注意したい所ですので、窓が開いたからと安易に飛びつかない方が無難です。

 

アノマリーはあくまでも参考として捉えておく

アノマリーは根拠はないものの投資家で注目している人も多く、逆に言えば多くの人が注目していることでアノマリーが完成しているともいえます。

いずれにせよ、みんなが意識しているポイントを押さえておくことで相場の動きを察知しやすくなります。

ただし、アノマリーはあくまでも参考にとどめておき、アノマリーに振り回されないようにすることが肝心です。

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はじネコ
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マネフルFX編集長 西畠

マネフルFX編集長 西畠

専業トレーダー。月間最高利益2000万円。2007年にFXをスタート、CFD、日経225先物オプションなども取引する。一日に数回取引するデイトレードと長期のスイングトレードを得意とする。

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