三大市場の開場時間
FXが24時間できる理由は、オセアニア→東京→ロンドン→NYと世界の取引市場のどこかが常に開いているからです。
特にNY市場、ロンドン市場、東京市場は三大市場と呼ばれている1日のうちで特に取引量の多いマーケットです。
東京市場 | ロンドン市場 | NY市場 | |
---|---|---|---|
冬時間(標準時間) | 9:00~15:00 | 17:00~1:30 | 23:30~6:00 |
夏時間(サマータイム) | 9:00~15:00 | 16:00~0:30 | 22:30~5:00 |
※表記は日本時間
三大市場の中でもロンドン市場はとくに取引高の多いマーケットです。
基軸通貨が米ドルなのでアメリカが主導のように感じられますが、通貨ではロンドンが世界の為替取引をリードしています。
下の表は外国為替市場の国別つかの取引高をランキングにしたものです。
順位 | 国 | 取引額 | 世界シェア |
---|---|---|---|
1 | イギリス | 2兆4260億ドル | 37.1% |
2 | アメリカ | 1兆2720億ドル | 19.4% |
3 | シンガポール | 5170億ドル | 7.9% |
4 | 香港 | 4370億ドル | 6.7% |
5 | 日本 | 3990億ドル | 6.1% |
6 | フランス | 1810億ドル | 2.8% |
7 | スイス | 1560億ドル | 2.4% |
8 | オーストラリア | 1350億ドル | 2.1% |
9 | ドイツ | 1160億ドル | 1.8% |
10 | デンマーク | 1010億ドル | 1.5% |
出典:Wikipedia外国為替市場 国別の1日当たり外国為替取引額(2016年)
表を見ると、イギリスがアメリカの2倍近くの取引額で圧倒的な1位を誇っていますね。日本と比較すると実に6倍もの為替取引が行われている市場です。
たしかに取引通貨量では米ドルが流通している通貨の44%を占めていますが、取引されている場所の「市場」は世界の37%の通貨がロンドン市場で取引されています。
ヨーロッパ時間は世界の為替取引を牽引する英国のロンドン市場をはじめ、フランス、スイス、ドイツ、デンマークなどの世界有数の市場が開いている1日で最も為替取引が盛んになる時間帯です。
ヨーロッパ市場の値動き
欧州時間にはヨーロッパのさまざまな国の市場で取引が行われますが、値動きの中心となるのがロンドン市場で他にドイツのフランクフルト市場、スイスのチューリッヒ市場が欧州時間の中心的な市場です。
また、欧州時間午後にあたる日本時間の21:00~24:00はニューヨーク時間と重なる時間帯ですので、為替市場が一日の中でも最も活発になる時間帯で、FX界では黄金の時間帯などと呼ばれています。
この時間帯は米国の要人発言や米国の重要指標の発表時間にもなるので為替が大きく動きます。
三大市場の中でも東京市場は値動きが穏やかであることにたいして、欧州市場は値動きが活発化し、トレンドが出やすくなります。
チャートを見ても東京市場の時間帯ではレンジ相場が多いことに対して、ヨーロッパ時間になるとトレンドが発生する傾向にありますね。
また、この時間帯は欧州、米国の他に中東、アフリカ、シンガポールなど各国の市場が開いているので、中東のトルコリラやアフリカの南アランドの通貨も動きが活発化する時間帯です。
欧州時間のトレンド発生時のトレンドフォロー
この5分足チャートでは2日間の東京時間と欧州時間が表示されていますが、どちらも東京市場が引けた15:00過ぎに移動平均線がゴールデンクロス、デッドクロスしてトレンドを形成しています。
どちらも押し目、戻り目、もしくは東京のトレンドラインをブレイクした点でシンプルに順張りエントリーできます。
FX・株のゴールデンクロスとデッドクロス|見方や設定・だまし回避の方法
注意点として次の3つがポイントです。
- 欧州時間が始まった直後は東京のトレンドを打ち消す動きが出やすいことがあるので東京時間の流れを信じすぎないこと
- 素直にトレンド形成しないこともあるので損切り設定は必ず行うこと
- 米国の重要指標が発表される時間までにはポジションを手仕舞うこと
17:00~18:00 アジア市場終了→ロンドン市場開始
日本時間の夕方からアジア市場が終了し、欧州勢が参加してきます。
穏やかなアジア時間と打って変わって投機筋が参入してくるタイミングでもあるので相場が急変しやすい時間帯でもあります。
アジア市場のこれまでの流れを打ち消す動きもあり、テクニカルを無視したダマシの動きが発生しやすい時間帯です。
こちらはユーロ円の5分足です。
東京市場の後場からMACDがゴールデンクロスして緩やかな上昇トレンドを形成していましたが、16:00頃にMACDのデッドクロスが起こっています。
MACDのゴールデンクロスとしては角度をつけているので良いシグナルのように見えますが、結果的にはすぐに反転して上昇、そしてさらに反転して下げている急上昇と急降下を繰り返しています。
東京市場のゆるやかなトレンドをそのままフォローしていても東京時間の動きが打ち消されることになっていますし、反転したことに反応して売りポジションを構築したとしても損を重ねる結果となります。
19:00~21:00 ヨーロッパ市場中心の時間帯
19:00頃からヨーロッパ各国の重要指標や要人の発言が行われ、相場が動くきっかけになりやすくなります。指標発表日には注意したい時間です。
22:00~25:00 NY市場オープン~
22:00にはニューヨーク市場がオープンするので21:00頃から一日のうちで相場が最も活気づく時間になります。米国の経済指標が発表され、大きく相場が動くこともあります。
23:00にはニューヨーク市場で為替を操作するオプションカットが行われる時間となり相場が激しく動きます。
25:00 ロンドンフィキシング
NY時間の開始から米国の重要指標、オプションカット、と為替が激しく動きやすい時間ですが、25:00にはロンドンフィキシングがあり、相場が特に激しく動きます。
とくに月末のロンドンフィキシングではトレンドの見えにくい相場になり、初心者には読みづらい値動きになります。
その後はNY市場が取引の主要市場となる時間帯です。
ロンドン市場の特徴
ロンドン市場に為替取引が集中するのには歴史的な背景があります。かつて英国は7つの海を支配する派遣国家で英ポンドは現在の米ドル以上の基軸通貨でした。
植民地支配により原料供給地を確保したことと産業革命により、世界の工場としての経済力と強力な海軍の軍事力で世界をリードしていました。
そのため、当時はロンドンには世界中のお金が集まり、国際金融の中心として位置づけられました。
第二次世界大戦以降、英国は覇権国家としての地位を失い、米国が世界経済の中心となっていきますが、ロンドン市場が未だ為替取引で世界ナンバーワンのシェアを誇っているのは以下のような理由があります。
- イギリスは古くからの金融大国でヘッジファンドが多い
- 歴史的に中東との関わりが深くオイルマネーがロンドン市場を介して入ってくる
- 金やプラチナを中心とした貴金属の現物取引の中心となっている
- ロコロンドンと呼ばれる金の現物の相対取引が行われており、金の現物の中心市場となっている
歴史的に作られたロンドンの金融システムや慣習がいまだにロンドンを為替市場のメインの舞台としているわけですね。
ヨーロッパ市場の特徴
欧州時間といえばロンドン市場ですが、その他の代表的なマーケットといえばドイツのフランクフルト市場、スイスのチューリッヒ市場です。
ドイツはフォルクスワーゲンなど世界に影響を与える企業が多くあり、時間帯としてもフランクフルト市場が始まる時間帯は欧州勢が参加してくる時間帯でもあるので相場の方向性を決めやすいことも特徴です。
フランクフルト市場と同時間帯に始まるチューリッヒ市場ですが、スイスは永世中立国で政治的に安定している点から国外からの資金が流入しやすく、とくに安全資産の金の保管場所となっています。
ロンドンフィキシング(ロンドンフィックス)
ロンドンフィキシングとは、ロンドン市場の16:00(夏時間15:00)、日本時間25:00(夏時間24:00)の値決め(フィキシング)のことです。
具体的には金現物のスポット価格を決定することを言います。
毎日、5大貴金属ディーラーが自己と顧客の売買注文を突き合わせ、フィキシング(値決め)を行っています。
ロンドンフィキシングはロンドン市場が休みの土日祝日以外毎日行われます。
ロンドンは金などの貴金属の現物取引で世界で重要な位置にあり、ロンドン市場で決められる金の価格が世界の取引価格の指標となります。
(ちなみに、ロンドンは金の「現物取引」の中心、金の「先物」はニューヨークが中心となっています。)
金はドル建てで取引されるため、ロンドンフィキシングにより、ドル資金の需給関係に影響を与えるためにロンドンフィキシングの時間は為替相場が大きく動くことがあります。
また、ロンドンフィキシングの時間帯は投資信託の設定が行われることが多いことでもこの時間帯が市場に与える影響が大きいことに関係しています。
さらにこれを狙った為替や有価証券の世界規模での大口取引が行われることも多く、為替市場だけでなく、株式市場も大きく動くことになります。
月末や期末のロンドンフィキシングでは、ユーロ圏と多く取引をしていて英ポンドで決済を行うイギリス企業の決済時期と重なるため、通貨の買い戻しが強まり、月末・期末の外国為替市場の値動きが荒くなる傾向になります。
FX取引で大きな値動きを伴うことがあるのが経済指標の発表です。
特にユーロ円、ポンド円などはECBやBOEなどの経済指標で瞬間的に大きく動くことがあります。また、ヨーロッパ時間の為替の値動きで見逃せないのが米国の重要指標の発表です。
ロンドン市場の経済指標
英国の中央銀行はBOE(Bank of England、イングランド銀行)です。
BOE(イングランド銀行)は1694年に設立した中央銀行で中央銀行としては1658年に設立したスウェーデンのリクスバンクに次ぐ歴史を誇り、「オールド・レディ」の愛称で呼ばれています。
イギリスの金融政策はBOEから委任されている金融政策委員会(MPC)によって決定されます。
BOE政策金利発表
どの国でも政策金利の発表は重要指標ですが、イギリスのBOEが発表する政策金利も非常に重要な指標です。
政策金利は毎月上旬、日本時間21:00(夏20:00)に発表されます。
女王が任命したBOE総裁と2名の副総裁、2名の行内委員、財務大臣が任命した4名の外部委員の計9名によって決定されます。
毎月上旬の水曜日と木曜日に2日連続で開催され、政策金利変更の有無は木曜日の正午に発表され、市場の注目を浴びます。
指標発表直後のポンド円の平均変動幅は28pips程度です。
2018年6月21日の政策金利の発表は7対2の賛成多数で政策金利を現状の0.5%の据え置きと決めました。
全員一致での据え置きではなく、2人が0.25ポイントの利上げを主張していたことからポンド円が反応し、発表からの30分間で96pipsも大きく円安に動いています。
BOEインフレレポート
BOEインフレレポートとは2月、5月、8月、11月上旬に発表されるインフレ報告のことです。
発表時間は日本時間の19:30(夏18:30)となります。
イギリスではインフレ・ターゲティングを採用していますので、インフレレポートを知ることによって今後のBOEの政策金利を予想することが可能となり、政策見通しの大切な指標となります。
平均的には発表直後ポンド円は30pips程度の変動幅ですが、内容によっては1~3円動くこともあるので要注意の指標となります。
GDP
GDPはその国の経済活動を幅広く把握することができる重要指標です。
イギリスのGDPは四半期ごとの1月、4月、7月、10月下旬の日本時間18:30(夏17:30)に発表されています。
英国の景気動向は米国に先行すると見られているため、世界経済の動向を占うとして注目されています。
速報値・改定値・確報値の3段階で発表されますが最も注目されているのは速報値です。
発表直後にはポンド円の変動幅が平均45pipsある為替に影響を与えやすい指標です。
英国GDPはFX投資家の中でも特に注目されていて結果如何に関わらず敏感に為替が反応します。
GDPで最も注目されるのは速報値ですが、チャートの9/28は確報値です。発表後1分間で大きなヒゲを出して37pipsも動いていて、確報値ですら発表時には大きく為替が反応することを物語っています。
鉱工業生産
鉱業・製造業・電力・ガスなどの公共事業がどのくらい行われているのかを指数として発表するものです。中でも製造業生産が注目されています。
英国の国家統計局が毎月中旬の日本時間18:30(夏17:30)に発表しています。
イギリスやドイツ、米国や日本などの鉱工業のGDPに占める割合の高い国では鉱工業生産が重要指標となります。
ポンド円は発表直後には20pips程度の変動幅があります。
この時、貿易収支と一緒に発表されていますが、鉱工業生産が市場予想+0.1%に対して-0.8%、貿易収支が市場予想-114.00億ポンドに対して-140.35億ポンドといずれも予想を下回る結果であったことで発表後にポンド円が72pipsも急落しました。
雇用統計
雇用統計はアメリカの雇用統計を筆頭にFXでは非常に注目される指標です。
イギリスの雇用統計は毎月中旬、日本時間18:30(夏17:30)に発表されます。
マーケットが注目しているのは失業率と雇用者数増減。景気後退局面で一層注目される指標です。
ポンド円の平均変動幅は発表直後35pips程度と注目の高さがうかがえます。
2018年8月14日の雇用統計発表時のチャートです。注目の失業率に特にサプライズがなかったにも関わらず上下に大きなヒゲを出現させています。
雇用統計発表時の15分間で54pipsも変動しています。
小売売上高
小売売上高はスーパーマーケットやデパートなどの小売店の売上高のことです。小売売上高は個人消費に直結している部分になりますのでGDPに大きな影響を与えます。
発表は毎月中旬、日本時間18:30(夏17:30)です。
個人消費の基本的な指標で個人の消費動向を窺う重要指標として注目されています。
発表直後の変動幅は平均25pips程度ですが、季節要因や天候によっても左右されます。
欧州市場の経済指標
ユーロ圏の経済指標
ユーロ圏の経済指標は主にECB(欧州中央銀行)と欧州委員会統計局(Eurostat)により発表されています。
通貨、銀行統計はECBが管轄し、国際収支統計、資金循環統計は両者が分担、その他はEurostatが管轄しています。
ECB政策金利発表
政策金利の発表は通常国ごとに行われますが、ユーロは統一通貨のため、ECBが政策金利の決定を行います。
ECB役員6名とユーロ導入国の中央銀行総裁により構成された理事会が2週間に1度行われます。そのうち、月の始めの理事会で政策金利が発表されます。発表時間は日本時間21:45(夏20:45)です。
発表直後のユーロ円の変動幅は平均16pipsですが、金利据え置きで特に材料がなければ反応なしで終わることもあります。
2018年6月14日のECB政策金利・声明発表では量的緩和策のQE(資産購入プログラム)を2018年末に終了することを発表、金利は据え置きとしました。
発表30分間でユーロ円は110pipsも変動する結果となっています。
消費者物価指数(HICP)
Eurostatが毎月中旬、日本時間19:00(夏18:00)に発表しています。
一般消費される食料品や消耗品、家賃、通信料、公共料金などです。消費者物価指数はふつう、「CPI」と呼ばれますが、ユーロ圏の場合は複数の国をまとめて指数を出しているので「HICP(EU基準消費者物価指数)」と呼んでいます。
ECBは「インフレターゲット」という言葉は使っていないものの、物価安定の定義として2%のインフレ率を目標に設定していて、事実上インフレターゲットを導入しているような状態になっています。
そのため、消費者物価指数は利上げや利下げ時期を窺うのに重要な指標として注目されています。
発表直後のユーロ円の平均変動幅は5pipsです。
この日のCPI速報値は前年同月比2.1%上昇で市場予想と一致したものの、1分間で11pips上下に変動しています。
GDP
Eurostatが翌四半期の最終月に速報値を発表しています。発表日時は3月、6月、9月、12月中旬、日本時間19:00(夏18:00)です。
翌月に改定値を発表しています。
ユーロ圏の景気情勢を知るための重要指標です。ユーロ圏全体のGDPですが、経済力の強いドイツやフランスのGDPの影響が色濃く出ます。
発表直後のユーロ円は平均6pipsの変動幅です。
生産者物価指数(PPI)
Eurostatが毎月発表している指標で、毎月上旬、日本時間19:00(夏18:00)に発表されます。
CPIは消費者が購入する小売価格を言いますが、PPIはメーカーなどの生産者が商品を卸すときの価格です。
発表直後のユーロ円の変動幅は平均6pipsですが、無反応で終わることもあります。
ZEW景況指数
ドイツの民間企業のZEWが発表している景気の統計のことで、機関投資家や金融機関に6か月先の景気に関するアンケートを行い、全体の景況感を調べたものです。
毎月中旬の日本時間19:00(夏18:00)に発表されます。
発表直後のユーロ円の変動幅は10pipsです。
ドイツの経済指標
ユーロ圏の指標の他に、ユーロ圏内で最も経済規模が大きく、速報性の高いドイツの経済指標も注目度の高いものがあります。
IFO景況感指数
IFO(イーフォ)経済研究所が全独1万社を対象にサーベイを行うもので日本で言えば日銀短観のようなものです。
毎月中旬、日本時間18:00(夏17:00)に発表されます。
ドイツではIFO経済研究所が調査するIFO景況指数とZEW(欧州経済研究センター)が調査したZEW景況感指数の2つがあります。ZEWが350人の専門家にアンケートすることに対し、IFOでは1万社に対しアンケートを行います。
アンケートですので人の気持ちに左右されますが、景気の先行指標として注目度が高く、発表直後はユーロ円が20pipsほど動くことがあります。
2017年9月の独IFOは小幅低下したものの予想は上回ったことで、上昇で反応、1分間で9pips上昇しています。
ZEW景況感指数
毎月中旬、日本時間18:00(夏17:00)にZEW(欧州経済研究センターから発表されます。
350人のエコノミストや機関投資家に対するアンケートでIFOより1週間ほど早く発表されるため、IFO指数の先行指標ともなります。
発表直後のユーロ円の平均変動幅は11pipsです。
GDP
連邦統計局が発表する季節調整がされていないGDPです。2月、5月、8月、11月中旬、日本時間16:00(夏15:00)に発表されます。
ドイツのGDPは世界で第4位であることと、ユーロ圏のGDPのおよそ3割はドイツが占めていることからドイツのGDPはユーロ圏の経済のゆくえを占う上でも非常に重要なものになります。
季節調整がされているものは1か月後にドイツ連銀から発表されます。
発表直後のユーロ円の平均変動幅は10pips程度です。
雇用統計
毎月初旬、日本時間17:55(夏16:55)にドイツ連邦銀行が発表しています。
特に重要視されるのが失業率です。失業率は「働きたいのに働き口がない人の割合」を言います。国によって失業者の定義は違いますが、ドイツにおける失業者とは「15歳以上で少なくとも3か月以上の労働を望み、仕事に就いておらず、求職者登録をした人」を指しています。
雇用関係の指標は注目度が高いのですが、ドイツの失業率は為替にはあまり影響がありません。指標発表直後は8pips程度の変動幅です。
アメリカの経済指標
世界の金融市場が最も注目するのがアメリカの経済指標です。ヨーロッパ市場の時間帯は後半にニューヨーク市場がオープンし、米国の重要指標が発表される時間帯になりますのでアメリカの経済指標も要チェックです。
雇用統計
世界中の投資家やFXトレーダーが最も注目する指標です。
毎月第1金曜日の日本時間22:30(夏21:30)に発表される指標ですが、毎月雇用統計が発表される時間帯は大型のトレーダーの参加も集中する特別な時間です。
全部で10項目以上の指標をまとめて「雇用統計」として発表されていますが中でも大事なのが「非農業部門雇用者数」と「失業率」です。
失業率はアメリカ国内での失業率が低ければアメリカの景気が良いという判断になるので重要だと考えられていますし、非農業部門雇用者数は農業以外の職業でどれくらいの人が職に就いているかを見る数字です。
発表直後の5~10分までの間に米ドルが50~100pipsも動くことがあるため、発表前にはポジションを整理する投資家もいるほどで「お祭り」とまで称されるイベントです。
9月7日の米雇用統計では非農業部門雇用者数は事前予想を上回ったものの、過去2か月分が下方修正され、ポジティブ+ネガティブニュースとなりました。
ユーロ円は下降で反応、15分足は19pipsの下降となっています。
GDP
GDPはアメリカの経済力が活性化しているかを表している指標で、4月、7月、10月、1月下旬頃の日本時間22:30(夏21:30)に発表されます。
GDPには「名目GDP」と「実質GDP(名目GDPから物価の価格の影響を除いたもの)」がありますが、ここで発表するのは「実質GDP」です。特に速報値が重要視されます。
特に予想と外れなければドル円の15pips程度の変動幅ですが、時には30pips以上動くこともある見逃せない指標です。
FOMC政策金利発表
約6週ごとの年8回発表されていて、発表時間は日本時間4:15(夏3:15)です。
FOMCは日本時間の4時台とヨーロッパ市場が終了してからの指標ですが、日本の日銀金融政策決定会合にあたるもので雇用統計、GDPと並び非常に注目されている超重要指標です。
各国の政策金利発表はとても重要な指標ですが、アメリカの金利政策の発表や考え方は非常に重要視されており、大きく為替相場が動くことでも注目されている指標です。
発言の1つひとつが注目されるため、ときには100pips以上動き、この時間が就寝時間の日本の個人投資家は「おはぎゃあああ」になってしまう事さえあります。