円安・円高って慣れていないと少し頭こんがらがりますよね。
為替レートは様々な要因で日々変動しています。
その要因や、円安と円高はどっちがいいの?といったことをこれからお話しします。
円安と円高とは?どういう仕組み?
円安・円高とは、円の価値が他の通貨と比べ「高い」か「低い」かというです。
日本円と米ドルで考えると、昨日は1ドル100円だったものが今日は1ドル200円になっていたとすると、「昨日に比べて円安ドル高になった」と表現します。
逆に1ドル100円だったものが今日は1ドル50円であれば、「昨日に比べて円高ドル安になった」と表現します。
金額の高い低いではなく、過去と比べてその通貨が別の通貨よりも価値が高くなったか低くなったかを表現する言葉のことです。
日本がまだ鎖国をしていたとしたら、1ドルいくらなんて考えなくてもいいけど、そうじゃないよね。
日本以外の国では、それぞれの国独自のお金を使っています。
そのため例えばあなたがアメリカの電化製品を買いたいとき、アメリカの電気店の人に日本の円を渡しても突き返されるでしょう。
「これはアメリカで使えないからドルでくれ」と言われ、仕方なくあなたは円をドルに変えて支払をします。
この円をドルに変える「システム」を「外国為替」といい、そこに生まれる「人気の格差」が「円安・円高」という言葉なのです。
これが「外国を相手に商売(貿易)」するために必要な考え方なんです。
さきほどの日本円を米ドルに変えること(通貨を異なる通貨に変えること)、これを仮に物々交換で考えてみましょう。
今までは、あなたが普通のリンゴを1つ持っていれば、他人が持っている普通のミカン1つと交換できていたとします。
しかし、品種改良を重ねた美味しいミカンが出回ると、普通のリンゴを2つ渡さないと、美味しいミカン1つと交換できなくなりました。
仮にこの現象を、「リンゴ安ミカン高」と呼びます。
また、ミカンの味は変わらず、以前よりリンゴが不味くなってしまっても「リンゴ安ミカン高」となります。
つまり以前に比べ、ミカンよりリンゴの価値が低くなってしまったのです。
では今度は逆に、リンゴが品種改良して美味しくなったとすると、リンゴ1つで普通のミカン2つと交換してくれるようになります。
仮にこれを「リンゴ高ミカン安」と呼びます。
また、リンゴは普通のリンゴのまま、以前よりミカンが不味くなってしまったときも「リンゴ高ミカン安」となります。
つまり以前に比べ、ミカンよりリンゴの価値が高くなったのです。
同じように、今までは100円で1ドルと交換できたのに、200円渡さないと1ドルと交換できなくなる、または100円が0.5ドルとしか交換できなくことがあります。
この現象のことを「円安ドル高」と呼びます。つまり以前に比べ、ドルより円の価値が低いのです。
では今度は逆に、今まで100円と1ドルが交換できていたところ、50円だけ渡せば1ドルと交換してくれるようになること、または100円渡せば2ドルと交換してくれるようになることを「円高ドル安」と呼びます。つまり以前に比べ、ドルより円の価値が高いのです。
このように、同じ果物、同じ通貨であったとしても、「比べるものがあることで、その価値が上がったり下がったりしてしまう」という問題が生まれます。
このことを為替市場では「円安・円高」などと表現しているんですね。
円安・円高になる要因は?
さて、リンゴとミカンの話では、価値が変ってしまった原因は「ミカンとリンゴが、美味しくなったり不味くなったりすること」でしたが、通貨の場合は何が原因なのでしょうか?
通貨の価値が変わる原因。もしこれを全て理解できる人がいれば、FX取引で大儲けすることができます。
しかし、これはとても複雑なんです。
さまざまな要素や条件が関わってくるので、これを全て理解することは人間には難しいと思われます。
しかしさまざまな方法を駆使して、これをできるだけ予想することが投資家の仕事といっても過言ではないのです。
一般的に言われている為替相場が変動する原因は以下のようなものです。
【市場原理】
・通貨Aを売って通貨Bを買った場合、通貨Aの価値が下がり、通貨Bの価値が上がる
【経済的要因】
・景気
・株価
・貿易
・投資動向
【政治的要因】
・金融政策
・要人発言
・戦争・テロ
・為替介入
【その他要因】
・自然災害等
上記のような要因が引き金となって、為替相場が大きく変動します。そのため、個人投資家は政治経済に詳しい方がとても多いのですね。
日本にとって円安のメリット、デメリット
円安のメリット
円安だと日本円の価値が低い、外貨の価値が高いです。
海外の人は日本の製品を以前に比べ少ないお金で買えます。そのためどんどん輸入し、日本企業はどんどん輸出します。
その結果、日本の輸出関連企業は、以前に比べ輸出量が増えます。
また、輸出関連企業が忙しくなれば、関係のある企業(部品メーカーなど)も忙しくなり、人手不足のため日本の雇用が増えて、景気も良くなると考えられています。
また、海外からすれば日本旅行が安くなるので、外国人旅行客が増えます。
円安のデメリット
円安だと日本円の価値が低い、外貨の価値が高いです。
そのため海外の製品を買うのに、以前に比べ多くのお金が必要になります。
海外旅行も高くなります。
そのため、海外製品を輸入して日本で販売する輸入企業は値上げします。
製品だけではありません。日本は海外からの輸入無くしては資源やエネルギーを確保することができません。
日本人は輸入がなければ今の生活を維持できないのです。
公共料金やガソリン代も値上がりします。
円安になると物価が上がり消費者がダメージを受けます。
消費者がモノを買わなくなり、輸入企業もダメージを受けます。
そのため円安の局面では、景気の向上と共に賃金の上昇が必要とされています。
日本にとって円高のメリット、デメリット
円高のメリット
円高だと日本円の価値が高い、外貨の価値が低いです。
円の価値が高ければ外国の製品を以前より少ないお金で買えるので、日本の輸入企業にメリットがあります。
海外製品を安く販売できるため、物価も下がり日本の消費が活性化します。
海外旅行も安く行けますし、日本に比べて現地の物価は安いです。
円高のデメリット
円高だと日本円の価値が高い、外貨の価値が低いです。
海外の人からすれば日本の製品を買うのに以前に比べて多くのお金が必要になります。
そのため日本製品が海外で売れなくなります。
日本への外国人旅行客も減ってしまいます。
また海外の通貨で商売をする時や海外で物を売り外貨を手に入れて日本に帰る場合、円が高いと儲けが減ってしまいます。
そのため輸出関連企業は輸出によって得た外貨を今度はいつ日本円に変えるかが重要になります。
輸入がしやすくなるので、消費者や海外の原料を使う企業は助かります。
まとめ
ここまで円安と円高についてザッと説明してきましたが、いかがでしたか?
FXをするなら、為替変動の仕組みと要因は知っておいたほうがいいでしょう。
少しずつでも勉強をして多角的に判断ができるようになっていきましょう。
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