ライントレードとは、チャート上で意識されるラインを見つけだし、そのラインを目安に売り買いをするトレード手法です。
ラインを中心にトレードを組み立てることで、損失を限定し、ストップ幅以上の利益を狙うことができます。
初心者がトレードをする上で知っておくべきFXの基礎と言っていいでしょう。
この記事では、ライントレードの基本から実践までをFX歴10年の筆者がわかりやすく解説します。
- どこでエントリーしたらいいのかわからない
- 損切り・利食いに自信の持てるトレードができない
- ライントレードを実践してみたけど勝てない
そんな人はぜひこの記事をご参考になさってください。
ライントレードとは
冒頭で、ライントレードとは、チャート上で意識されるラインを見つけだし、そのラインを目安に売り買いをするトレード手法だと説明しました。
ラインの種類は3種類で水平線・トレンドライン・チャネルラインがあります。
ラインを具体的に一つずつ説明していきます。
水平線
水平に引いたライン、簡単に言えば横線で、価格を示すラインです。価格はだれもが意識しているので、絶対に押さえておくべきラインです。
サポートとレジスタンス
水平線には二種類あり、それぞれ呼び方が異なります。
価格が上にあり、そのラインでサポート(支持)されているならサポートライン。画像の赤丸のポイントです。
価格が下にあり、レジスタンス(抵抗)されているならレジスタンスライン。画像の青丸のポイントです。
価格が下にあり、何度もレジスタンスされていたポイントを上抜けたときは、大きく上昇していく可能性があります。
画像で見てみると、赤の四角でレジスタンスされていたラインを上抜けることで大きく上昇しています。(青の四角のポイント)
その際にレジスタンスラインだったものが、サポートラインに転換することがよく起こります。
二つ目の青の四角で囲った部分で、レジスタンスを上抜けた後に、戻ってきてからサポートに転換したのがよくわかります。
ラウンドナンバー
また、ラウンドナンバー(100.000円や110.000円などのきりのよい価格)もよく意識される価格です。
100.000~118.000円までの間に水平線を引いてみました。
最もわかりやすいのは、100.000円で何回もサポートされているポイントだと思います。(一番下のライン)
世界中のトレーダーが意識していることがよくわかりますね。
このチャートの中だけでも、ラウンドナンバーでしっかりとサポート・レジスタンスされているポイントがいくつもあります。
中には全く効いていないようなところもありますが、どんなテクニカル手法も効かなくなくときが必ず来ます。100%機能する手法はありません。
トレンドライン
上昇トレンド(高値・安値を切り上げている状態)・下降トレンド(高値・安値を切り下げている状態)のときに、
- 上昇トレンドなら安値同士
- 下降トレンドなら高値同士
を結んだラインです。
下降トレンドなら高値を切り下げてから安値を抜けた時点で、一点目から二点目に向かって引かれます(安値を抜けることが重要です。)
文字だけだとわかりずらいので実際のチャートを使って説明します。
青丸の高値を起点に、安値を下抜けた赤丸の高値に合わせてラインを引きます。このチャートでは効くのかどうかわからないうちにさらに紫丸の高値をつけて安値を更新してしまいます。
そこで赤丸の高値を起点に紫丸の高値に向かってトレンドラインを引きます。
しかし、このラインは緑丸で上抜けてきました。
次にオレンジの丸で高値を付けて安値を更新してきたので、紫丸の高値を起点にオレンジの丸の高値に向かってラインが引けます。ただ、個人的には中途半端な位置かつそれ以前のトレンドラインより角度が緩くなるラインは引かなくても良いと思っていますので、このラインは引かなくても良いと思います。
このようにラインを何本も引いているとどれが効いているラインかわからず迷ってしまいますよね。
ライントレードは引こうと思えばいくらでもラインを引けるので、エントリーのためのラインとは考えず、現在の流れを知るためのラインとして使ったほうがいいと思います。
もしくは水平線のみのほうが混乱せずにトレードできるでしょう。
最後に黒丸の高値を付けて安値を抜けてきたので赤丸の高値を起点に黒丸に向かってラインが引けます。
そして、ようやく青の四角でレジスタンスされて下げていきます。
チャネルライン
チャネルラインはトレンドラインを平行移動させたラインです。
下降トレンドであれば高値どうしを結んだラインを下に平行移動してトレンドラインを引いた起点後の安値に合わせます。
この時、価格は上のトレンドラインにレジスタンスされて下のチャネルラインにサポートされている状態で推移していきます。
どこかで聞いた言葉が出てきましたね。そうです。水平線の説明でお話ししたサポートラインとレジスタンスラインです。
トレンドラインを少し斜めから見てみると水平線と同じような機能をはたしていませんか?このようにトレンドラインも重要なラインの一つですが、引く角度が難しいラインです。初めのころはラインだらけになってどれが効いているラインなのか迷ってしまうので敬遠されがちなラインです。
以上をふまえて、再度トレンドラインの復習をしながら見ていきましょう。
直近の高値を超えられず青丸の高値をつけました。
そして、直近の安値を確定足で抜けてきた時点でトレンド発生です。
2つめの青丸で高値を抜けられず、青の安値のラインを確定足で抜けてきた赤丸付近で初めてトレンドラインを引くことができます。
(赤四角をつけた箇所は、戻り高値を付けたあとに安値を更新してきているので、ここにもトレンドラインを引くことができますが、再度の戻りで高値を抜けてしまい、レジスタンスとして効いていないので、今回の説明では割愛させていただきました。この場面では実際にレジスタンスとして効いていたラインは2回目の青丸に合わせて引いたトレンドラインでした。効く効かないの判断も正解はなく様々な形があります。その一つとして、紫の四角では何度もきれいにレジスタンスされてきています。1度目の反発ではラインが効いているかどうかの確認として様子を見て、2度目以降の反発で入っていく方が勝率も上がりますし、安全かと思います。)
そして、このトレンドラインを下に平行移動させます。その時に紫の丸の安値に平行ラインを合わせます。
オレンジの丸で急激に反発していることがわかります。これがチャネルラインです。
ラインはローソクのヒゲと実体どちらで引くべきか
水平線やトレンドライン・チャネルラインを引く際に、ヒゲに合わせるのか実体に合わせるのかという質問は多いです。
これもどちらが正解ということはなく、最終的には自分で検証して今どちらが使えそうかを決めることです。
すぐ上で解説したチャネルラインのチャートでは、黒の実体で引いたチャネルラインが効いています。
初めのうちの使い方としては、ヒゲや実体に特にこだわらず「だいたいの流れを見るライン」もしくは「利益確定の際に目標として参考にするライン」くらいの気持ちで使ったほうが迷いなくトレードできると思います。
逆張り(トレンドに逆らったトレード)としても使えまずが、トレンドが強く出ている状況ではしなくてもいいと思いますし、リスクに対してとれる利益幅も少なくなってきます。
チャネルラインはトレンドラインを平行に移動させるだけなので、いくらでも引くことができます。だからこそ自分の中で引く基準を明確に持っておく必要があります。
ライントレードのメリットとデメリット
メリット
ライントレードのメリットは相場の動きをシンプルに認識できる点にあります(特に水平線)。
シンプルに認識することで自分のエントリーポイント、イグジットポイントが明確になります。
明確にすることでロスカット(損失を確定させること)ラインと利食い(決済)ラインが事前にわかります。どういうことか画像で説明しますね。
この画像内では高値を切り上げることなく安値を下抜けていっています。ですのでずっと売っていくだけです。
矢印の説明をする前に簡単なルールを設定しましょう。
- A.トレンドが発生していること。
→トレンドが発生することで、利益と損失のバランスがいい場面を狙いやすくなります。 - B.水平線を抜けてきたこと。
→水平線を抜けてきているということは何らかのレジスタンスやサポートを抜けてきたことになります。それだけ強い力がその方向へ働いたことが確認できます。価格はいったん抜けると再度戻ってくることが多いです。(もちろん絶対ではありません)これによってエントリーのおおまかなポイントを把握できます。 - C.抜けてきた水平線の少し上に損切りを設定。利食い目標を次の水平線、もしくはエントリーした時点での直近安値に設定する。
水平線の抜けは確定足で判断したほうがだましに合う可能性が低くなります。さらに言えば、抜けの勢いなんかも参考にしたほうがいいと思います。このあたりは実際にチャートいくつも見て学んでいくしかありません。
以上のルールを模式図で見ていきましょう。
赤丸のポイントが現在値とします。
まず、Aのルール。トレンドが発生しているかどうかの判断をします。
1の高値と2の安値があって、3で高値を切り下げています。この時点ではトレンドは発生していません。2のポイントで再度サポートされる可能性も残っています。そして、4のポイントで2の安値を抜けてきたので下落トレンドの発生です。
ここで、2でサポートの役割をしていた水平線を下抜けしているので、ルールBの条件も満たしたことになります。
ここまで決まっていれば後はCの損切りと利食いを決めるだけです。
青丸での値動きを見てエントリーします。その際に確定足で水平線にレジスタンスされたのを確認してからのエントリーになります。
損切りは水平線でレジスタンスされた高値の少し上の青のラインあたりに置きます。
利益確定は下の水平線の少し上の赤のライン近辺です。
再度先ほどのチャート画像に戻ります。
青丸では水平線を上抜けて戻ってきましたが、上抜けでローソク足が確定しているのでエントリーできません。先ほどのルールに従ってチャートを見ていきましょう。
1のポイント
水平線を下抜けてきたので、水平線までの戻りを待ちます。戻りがローソク足で確定し、上値抵抗を超えられなかったのが確認できたため売ります。
損切りラインは水平線でレジスタンスされたローソク足の高値の少し上の黒のライン近辺。
利益確定ラインは7の水平線。直近の安値でもいいのですが、利益と損失のバランスがあまりよくないので、直近の安値に目標をおくというよりも、もしサポートされるようだったら逃げるくらいの感覚でいいと思います。
そして、必ずロスカットできるように逆指値を設定しておきます。このトレードでは、損切りになります。
2のポイント
6の水平線を上抜けてきていますが、高値・安値ともに切り下げた状態を維持していますので、5の水平線まで引き付けて値動きを確認して売ります。
1でロスカットした時点で次は5の水平線で売ろうと考えて待っています。
2でレジスタンスされて陰線を確認した次の足から売っていきます。
損切りラインはローソク足の高値の少し上、黒のラインあたりです。
利益確定ラインは6の水平線赤のライン近辺です。今回は星マークで利益を確定させることができました。
3のポイント
6の水平線を再度勢いよく確定足で下抜けてきました。水平線に戻ってくるのを待ちます。
戻ってきた陽線確定で売ってもいいですが、上髭(上にひげを出している状態)を出していませんし、レジスタンスされたのか微妙ですので、次の足の動きを確認してからのほうがいいかもしれません。
次の足で陰線が確定したので売ります。
損切りは高値の少し上の黒のライン近辺。
利食いが7の水平線です。その際は先ほどの1のトレードの時と同じように、直近の安値を逃げるかどうかのポイントとして見ます。しかし、あまりに逃げる癖をつけていると利益を伸ばすことが難しくなってしまいます。このあたりのバランスも自分で決めていくことになります。
このトレードも星マークで利益を確定させることができました。
4のポイント
7の水平線を下抜けてきたので戻りを待ちます。こちらも3同様に陽線の確定で売ってもいいですが、次の足の動きを見てから売りたいところです。
損切りは高値の少し上の黒のライン近辺。利食いは次の水平線が見えないので安値近辺とします。このトレードでは損切りになりました。
黒の矢印がロスカット幅。赤の矢印が利益幅です。矢印の大きさからみても利益のほうが大きくなることがわかります。
損失は出るけれども利益は積み重なって増えていきます。このように、利益の幅を損失の幅より大きくしていくことが大切です。
また、水平線は時間とともに変化しないので、長期にわたって機能する場合もあります。
デメリット
ライントレードの最大のデメリットは、ラインを引こうと思えばいくらでも引ける点にあります。
検証をして自分のルールを作っていくしかありません。
効くラインを引くことも重要ですが、最終的には自分の引いたラインでトレードを組み立てられるかがキモになってきます。
また、水平線は移動平均線のように時間とともに価格が変化しないラインなので、エントリーのタイミングが計りにくいです。
水平線のメリットであると同時にデメリットでもあります。
ラインにタッチしてもすぐには上がらず、何度もサポートされてから上げていくこともよくあります。
その点、移動平均線は時間とともに現在価格に対してラインが近づいてくるのでタイミングが計りやすいです。
次に、だましがあることです。
レジスタンスラインを上抜けたのにサポートされず再度下抜けてレジスタンスされて下げていくこともあります。
小さな時間足であればあるほどだましが頻発します。
ラインの引き方
ラインの引き方で重要なことは、2点あります。
- 過去の値動きをみて意識されたポイントから引くこと
- 大きな時間足で引くこと
これがとても重要です。
過去の値動きからラインを引くことで現在の値動きに翻弄されることがなくなります。
大きな時間足で引くことで大きく取れるポイントをじっくりと待つことができます。
過去のポイントで意識される重要なラインは次の3点です。
- 上昇トレンドの場合は直近の高値を抜けていった安値。下落トレンドの場合は直近の安値を抜けていった高値。
- 2回サポ―ト(レジスタンス)されたポイントの山や谷の頂点。これをダブルボトム・ダブルトップといいます。谷間から引いたラインをネックラインといいます。
- 何度もサポート・レジスタンスされたポイント(何度も止められているポイントなのでわかりやすいと思います)
模式図で見ていきましょう。
直近の安値(青のライン)を抜けていった高値(赤丸)にラインを引きます。これが1のポイントです。ここは再度意識されることが多いです。
赤の四角で2回サポートされてダブルボトムを作っています。その山にラインを引きます。これが2のポイントでありネックラインといわれるラインです。
あとは自分でラインを引いて効いているのかどうか確認していきます。自分で実際にやってみることが重要で、やってみることでいろいろな自分なりの気付きが得られます。
では、実際のチャートで解説していきます。
青丸は安値を更新したあとの戻り高値。
画像真ん中にある2つの赤丸がダブルボトムのネックライン。
これらのラインは赤の垂直線の左側のみで引くことができます。
これによって、赤の垂直線の右側の紫丸のポイントは事前にトレード計画が立てられるエントリーポイントになります。
また、赤の四角のあたりでチャートはレンジを作っているのがわかります。
のちにその価格帯で同じように青の四角でレンジを作っていることもわかると思います。
このようにレンジを形成した価格帯では、再度レンジを形成する場合もあります。
チャネルラインの項目でも説明しましたが、ラインをヒゲで引くのか実体で引くのかには正解はありません。
また、過去に数回効いたからといって、次も効くという保証はどこにもありません。
私たちにできることは、自分が引いたラインを基準にどのようにトレードするかだけだと思います。
ライントレードで見るべき時間足
ライントレードであれば、大きな時間足(月足は大きすぎるので週足・日足・4時間足・1時間足)でラインを引いて、小さな時間足(5分足15分足)でエントリーのタイミングをとるのが一番わかりやすいやり方です。
小さな時間足でラインを引くとエントリーチャンスは多くなります。
しかし、ロスカットが多発してしまうことがよくあるので、感情によるトレードの引き金にもなってしまいます。
ですので、監視する時間足は1時間足か4時間足になると思います。(日足週足だと大きすぎてエントリーがかなり減ってしまいます)
そして、ややこしくなるのが時間軸同士が喧嘩しているときです。
例えば、1Hは下降トレンドなのに4Hは上昇トレンドなどの場合です。
そうなったときに迷ってしまうので、自分の従うべき時間足を決めておいたほうがいいです。
画像で見ていきましょう。今までご覧いただいていたチャートはすべて日足ですので、その一場面を切り取ってみていきます。
まずは日足。青の四角の中を見ていきます。今の状態は、とてもわかりやすい上昇トレンドです。
次に4時間足。強い上昇トレンドが出ていることがわかります。
青の波を見てみると、上昇幅に対する下落幅がすごく小さいです。
このことからも勢いのある上昇トレンドだということがわかるので、安易な売りはできない状況です。
赤の垂直線が上の画像の垂直線と同じ位置です。時間軸を変えるだけで違ったチャートに見えてきますよね。
垂直線のポイントでは水平線を下抜けて戻ってきているところです。初めて押し目(上昇中に下げてくること)らしい押し目を作ってきました。
4Hを見ている人は、赤丸の水平線付近で買いたいと思っているはずです。近いポイントに二本の水平線を引いているので、こういった場合でも上の水平線で入るのか、下の水平線まで待つのかなどのルール作りが必要になってきます。
チャートを見ていると迷うポイントが多々出てきます。それをつぶしていくのも検証作業の一つです。どのラインを使うのか迷っている時点でトレードの計画が立てられていないことがわかります。
そんな状態でトレードするからこそ、あとから見たら、なぜこんなところで入ったのか?と思うようなポイントでエントリーしてしまう原因になってしまいます。
次に1時間足を見ていきましょう。
高値を更新した後に、黒のラインを下抜けたことによって安値を切り下げてしまいました。
赤丸で高値を切り下げて安値も切り下げてきています。さらに青丸で高値を切り下げてきました。
1時間足では下降トレンドの兆候なので1時間足を基準にしているなら売りたいところです。
今は日足と4時間足が上昇トレンドだとわかっているので、そんなことはないと思われるかもしれません。
しかし、見れば見るほど、現在見ている足に翻弄されることが多くなります。
さらに時間軸を小さくして15分足を見てみます。
どうでしょう?どんどん下げていきそうな感じがしますよね?赤の垂直線以降の下落を見ていれば、その流れに従って売っていきたいですよね。
しかし、日足・4時間足ではすごく強い上昇トレンドです。ですので、売りで入るには優位性がとても低い場面です。
さらに時間軸を小さくして5分足を見てみると。
ものすごい売りの勢いが出ているように見えますよね。おいていかれると思って、焦って売り場を探してしまいそうです。
しかし、日足・4時間の状態が頭に入っていれば、売ることはなく、ようやく下げてきたと考えて買い場を探すところです。
以上を踏まえて、1時間足に従うのか4時間足に従うのかは自分のトレードスタイルによって決めていきます。
- 1時間足を基準にするならデイトレード(その日のうちにエントリーから決済まで行う保有時間が短いトレード)
- 4時間足を基準にするならスイングトレード(決済までが数日かかるときもある、保有時間が長めのトレード)
になってくると思います。
下位の時間足は、1時間足なら5分足、4時間足なら15分足が相性がいいと思います。しかし、それもご自分で検証して決めていくことです。
ライントレードの基本と手法
まとめると、ライントレードは水平線・トレンドライン・チャネルラインを使って大きな時間軸で流れを読み、ラインでの反応を見てトレードをしていく手法です。
手法はなんでもそうだと思いますが、自分の中で基準を作るためのものだと思っています。
水平線であれば、その水平線を基準としてこうなったら買い、ここを抜けたならロスカット。ここまで行ったなら利食いなど。
ですので、手法を追いかけてしまわないように気をつけるべきです。
ブレイクのパターン
今までの説明では、水平線を抜けて戻ってきたところから拾う「押し目買い」パターンを説明してきました。
それでは、抜けていく場面は取れないのかというと、とることはできます。
画像で見ていきます。
赤の垂直線の部分で水平線を上抜けてきています。時間軸を落として見ていきます。
4時間足でも青の四角内の陽線で一気に上抜けてしまって入るポイントがありません。
上抜けた瞬間に入っていくことも可能ですが、小さい時間軸を使わずに4時間足だけで入っていくのは現実的ではありませんし、損切りを連発してしまう可能性が高くなります。
青の四角の足を確定させて入るとすると、エントリーは赤丸付近になります。損切りを水平線の少し下の黒のライン。利食いを水平線の少し下の赤のラインにします。そうすると、利益と損失のバランスが極端に悪くなってしまいます。
4時間足基準の場合なら、ここは入らなくていい場面です。自分の入るべきところ、入らないであきらめるところを明確にすることも大切です。
1時間足では水平線を上抜けてローソク足が完成した次の足で、ヒゲで水平線にタッチしているのがわかりますよね。(赤い垂直線とその次のローソク足)
こういうところを小さな時間軸に落としてエントリーしていきます。
水平線を上抜けてから一度水平線に戻ってきているのがわかりますよね。15分足では陰線(青いローソク足)になっていますが、1時間足ではヒゲでしたね。こういうところが、わかりやすく見ることができるのが小さな足を見るメリットです。
水平線に戻ってきた陰線が確定して次の足で入ったとしたらロスカットを水平線の少し下に置いて次の水平線まで狙います。利益と損失のバランスがすごくいいですよね。このように損失を小さくできるところも小さな時間軸を使うメリットです。
5分足も見てみると、
青の丸で3回サポートされているのがわかります。1回目で本当にこの水平線がサポートになってくれるのかを確かめて、2回目か3回目で入っていくことでよりリスクを抑えたトレードが可能になります。
しかし、ここで先ほど言っただましを考える必要性が出てきます。
騙しのパターン
今度は1時間足から見ていきます。
上の水平線で2度レジスタンスされたあと、安値を切り下げて、高値も切り下げて、水平線を完全に下抜けてきました。(赤の垂直線のポイント)
水平線へ戻ってくるのを待って売っていってもいいかなと思う場面です。
15分足で見ると、下抜け後は一度水平線に戻ってきて、ひげを出してレジスタンスされたので、足の完成を待って売っていきます。
しかし、このブレイクは騙しだったことがわかりロスカットになります。
さらに5分足でみると、しっかり下抜けた後に、水平線で上値抵抗されているのがわかります。
この一連の流れを4時間足で見ると次のような感じです。
赤の垂直線のポイントが今までの一連の流れのポイントです。売ろうと考えることはないですよね。
このように日足や4時間足では上昇トレンドでも、小さな時間軸で見ると売りたいと考えるところがいくつも出てきます。
大きな時間軸では通常の押し目の範囲内に収まってしまうような場面でも、小さな時間軸だけを見ていると、大きな流れに逆らったトレードをしてしまう原因なります。
だからといって小さな時間軸でのトレードが悪いかというとそうではありません。
大きな流れをしっかり押さえつつ、小さな動きをとっていくこともできるからです。
今回はロスカットになりましたが、優位性のあるトレードを一貫性をもってトレードしていれば利益は積み重なっていきます。
それに、損失はトレードにつきものです。損切りをしたからといってそのトレードが間違っていたとも限りません。
例えば、1時間足を基準にトレードをしていて今回のようにロスカットになったとしても、どうしたら避けられるか?を考えすぎるとどつぼにはまっていきます。
損失を避けようとすることは、得られるであろう利益の獲得可能性をゼロにしてしまうのと同じことです。
ブレイクのパターンの項目で説明したトレードと、今回の損切りにあったトレードは同じ基準に従がって実行したトレードです。今回の損失を避けようとすれば前の項目で紹介したようなトレードもできなくなります。
ですので、損失は避けようとするのではなくコントロールするものと考えたほうが、トータルとしてはいい結果が出ると思います。
それに、今回の損切りをしたとしても次の利益で十分にトータルでプラスに持っていけます。
手法にだけ目を向けずに、ご自分の中で明確な基準をもってトレードすることを意識していただけたらと思っています。